2016年3月25日金曜日

Amadeus Mozart L'Opéra Rock観てきました!@ソウル 感想編

Amadeus Mozart L'Opera Rock(MOR)韓国公演、観劇詳細。

ミケさん、ノリノリだったぜ。。。


さて、気づいたら1年ぶりの渡韓。1年も遠征をしていなかった(!)ことに自分でもびっくりですが、セジョンセンターに着いたら、あれ、そんなに来てなかった?といつものように馴染んでしまいました笑。

セジョン、here I come! ソウルに来るとここしか来てない笑。


今回のMORで個人的に一番不思議な感覚だったのは、ソウルにいるのに、PDS(パレ・デ・スポー)でなくとも、少なくともフランスのどこかの劇場で観劇してるような錯覚に陥ったこと。

特に、ノートルダムを見たときは、フランスというよりも「etranger(異国風)」という感じの方が強く感じられて、どちらかというと無国籍感のようなものを感じていたのですが、この演目は本当にフランス産という感じがして、より最近の「フレンチミュー」という感じを強く受けました。

一番の理由はもちろん、出演者の大半がフランス人で、フランス語だから、ということなのだとは思いますが、それ以上に感じたのは、やっぱりアチア・コーエン組のミュージカルの「型」というかsignatureがそこかしこにあって、まさに、grand spectacle(もはやcomédie musicaleではない。。。)が目の前にあったからなのだと思います。そういう意味で、アチア・コーエン組が創り出したこの「grand spectacle」という様式(と自分は少なくとも思っている)の革新性というのを今回図らずも実感した気がします。



韓国でもこれだけ、ちゃんとできるんだから、ぜひ、日本でも、、、と思わずにはいられませんでした。見ていてこの演目はすごく楽しいし、ノリやすいし、初めて仏ミューをみる人も楽しめると思うので、日本でやっても絶対ウケると思います(日本版既に上演済みだしね!)。

というわけで、それぞれ気づいたことをつらつらこれからまとめようと思います。

サイン会でのフォトコール。この日はヌノ・モザールでした!

歌手、俳優

全体として、このカンパニー歌のレベルがみんな高いように思いました。そういう意味で、かなり大満足。

<Mikelangelo Loconte(Mozart)>
最初、MORの韓国公演をやる、という話になり、ミケランジェロが参加する、ということに、ええええーーーー!となっていた自分だったので、ミケランジェロが私の目の前で歌を歌っている、ということがまず信じられませんでした。。。

オーラとカリスマが半端ないっす。。。やっぱりスーパースター。


しかし、さすが、MOR旋風をフロランと巻き起こした張本人。
カリスマ度とオーラが半端なかったです。会場もやはりミケ目当てに来ている方がかなり多かった気がします。

ミケランジェロのモザールは、まさに、己の情熱、欲望のまま生きる反逆児。チャーミングで、退廃的で、周りが放っておかない。太く短く、まさに音楽にその身を捧げ、生き抜いたモザールそのものでした。このミュージカルのテーマである革新性だったり、反逆精神をロックに演じきった彼にはまさにブラボーの一言しかありません!また、そういったかっこよさと対照的に、ときどき見せるナイーブな一面や童心そのもののようなピュアなハートも見え隠れしていて、そのギャップが個人的にかなりツボりました。目の周りのキンキラメイクとかも彼じゃないときっと似合わないだろうなあ(笑)。

ただ、最初の登場シーンがあまりにもキャピキャピティーンエイジャーで登場するので、そこは、ううん、、、と思わないことも。。。そして、これはまあ仕方がないのですが、四十路ということもあって(爆)、遠目からちょっとシワが見えたり(爆)、やっぱり走りこむ演出のときは、ちょっとお疲れ?な感じのときも。ですが、カーテンコールでは、さすが、そのカリスマ性を遺憾なく発揮し、韓国ファンを虜にしていました^^

そういえば、東京で以前行われたフレンチミュージカルガラコンでリシャールが四苦八苦しながら歌っていた"Place je passe"。ミケランジェロが歌うのを見て、本来はこういう歌よね、やっぱり、、、と妙に納得しました(笑)。やはりモザール役というのはだれでもできる役ではないなあと実感。

オープニングはこんな感じ。おフランス感が満載!


<Laurent Bàn (Antonio Salieri)>
サリエリは2幕しか出てこないにもかかわらず、彼の存在感というのはやはり圧倒的。今回は、オリジナルのフロランは、アーサー王に主演中のため、ローランがサリエリ役でしたが、フロランのサリエリはダークサイド部分がクローズアップされているのに対して、ローランのサリエリはどちらかというと、苦悩している、という感じがより強く出ていて、 人間らしさが加わっていたように思います。歌い方も、フロランよりもオペラティックな感じで朗々と歌い上げる感じでした。MORのオリジナルファンの方からすると、ミケランジェロとフロランをセットで、というところもあったと思うのですが、個人的には、この2人の組み合わせというのもなかなか良かったと思います。

舞台はかなり大きく感じました。


<Solal (Leopold)>
個人的にかなりツボりました!CDよりちょっとハスキーというかクラッキングヴォイスだった気がしますが、それがまた良かった!ダンディーで渋かっこいいモザール父ちゃんに私、かなりときめいてしまいましたw。レオポルトは割合下手側に登場することが多く、私ちょうど下手よりの席に座っていたので、これ、かなり美味しかったです。背景に炎が出てきてレオポルトが登場するシーンがあるのですが、こわーいお父さんを熱演されていました。

舞台ではそんなこわーい、ソラルさんですが、オフではかなーりひょうきんなおじさんでした(笑)。サイン会でも会場に流れるモザールの曲に合わせて踊ったり、いろいろなアクションをしたりして、終始会場にいるファンを沸かせていました。チャーミング^^

サイン会の様子。みなさん丁寧に応じてました。そして、この長蛇の列。韓国MOR人気を物語る。


<Rafaëlle Cohen(Aloysia Weber)>
アロイジア役は、オリジナルのメリッサではなく、仏版ダンス・オブ・ヴァンパイアでサラ役を演じていたラファエルちゃんでした。ダンス〜でのサラ役を私はパリまで観に行ったのですが、そのときの歌うま&かわいさにかなりツボったので、今回のアロイジア役も楽しみにしていました。

が、、、結論から言うと、彼女の歌唱力はまったく問題ないのですが、役とちょっと合ってなかったかな、、、と。やっぱりオリジナルのメリッサのかわいい系の声のイメージがこの役は強いので、ラファエルちゃんのちょっと野性味がある声(だからこそ、冒険心溢れるサラ役にはぴったりだったんだけど。。。)が私の中でマッチせず、うーーーん、、、と思ってしまいました。あと、衣装やヘアも似合ってないとまでは言わないのですが、メリッサほどしっくり来ない感じが。。。配役ミスとは言いたくはないけれど、、、彼女自身は非常に歌唱力があるので、また別の役で彼女を見たいなあと思います。

ただ、オフの彼女は、本当に心優しいグッドガール。サイン会でもファン一人一人にすごく丁寧に応じていました。そして、笑顔がかわいい、っていうか、、、かわいすぎる。それだけでも胸キュンでした(おじさんアゲイン。)。日本にもいつか来てほしいなあ。


ラファエルちゃん。めっちゃかわいかった!そして、とっても丁寧。笑顔かわいすぎ。キュン死でした笑。

<Maeva Méline (Nannerl)>
いやあ、かわいかったなあ、、、。そして衣装がすごくお似合いだった!彼女はオリジナルからの出演ということですが、7年経った今も全然変わらない。。。母になったとは思えないです。歌も非常に安定してました。

<Diane Dassigny (Constance Weber)>
彼女もかわいかったです!そして、私、ときたま、マエヴァとディアンを混乱しておりました(結構違うんだけど、声もどちらもかわいい系でときどき混乱する。)。姉のアロイジアに嫉妬するシーン等、コミカルな演技が結構ある役ですが、それをすごくキュートに演じていました。同じく、彼女も歌がすごく安定していました。

ディアンが写ってる写真があまりなかった。。。


<Merwan Rim(Aubergiste & le clown)>
実は、今回の遠征、一番気になってたのは、、、メルワンだったかもしれません(なかなかマニアックな私。)。。。ロワソレイユの演技を見たときから、なんとなくビジュアルと声がかっこよく、気になっていました。

メルワン怪我してたのに、がんばってたのが泣けた。そして、ほんっといい人だった。

MORでは、比較的出番は少ないのですが、存在感はかなりあったと思います。演技もすごく良かった。特に道化師として登場するシーンでモザールを引きずりまわしながら、人間の人生の悲喜こもごもをシニカルに歌うComédie-tragédieは、メイクや衣装もそうですが、かなりインパクトがありました。

メルワンはツアー中膝を痛めて手術が必要とのことで、私が公演を見た週の次の週にフランスに帰国するということだったのですが、そんな大変な状況を一切感じさせず、飲み屋のセットのカウンターから飛び降りたり(ほんとあれ、大丈夫だったんだろうか??)、モザールと一緒にスキップしたり、プロなんだなあと見ながら感動してしまいました。そして、メルワンの演技を見ることができたのは本当にラッキーでした。

メルワンの後任は、1789でロベスピエールを演じていた、セバスチアン・アジウスが務めることになっているそうです。これはこれで楽しみだなあ。

オフのメルワンはほんっとに優しい人でした。FBの投稿とかみていても、なんだかとても優しそうな人だなと思っていたのですが、ご本人は想像をはるかに上回る親切心に溢れた方でした。今回、実はちゃんと出待ちを私はしなかったのですが、、、サイン会の去り際にメルワンにだけは声を掛けようと思い、メルワン!ファンです、会えてうれしいです!と準備してない感満載の初級フラ語で話しかけたら、「フラ語上手だね〜。」と言ってくれました(これだけで、ソウルに来た甲斐が私はあったよ(泣))。そして、快く写真を撮らせてくれました。本当にいい人だったなあ。また会いたいです、メルワン。ぜひ日本に来て〜(メルワンはどうやら十戒のときにすでに日本に来たことがあるらしいのですが。)。

<Roxane Le Texier & Charlotte Bizjak (ウェーバー家の妹たち)>
ロクサーヌは、1789のアントワネット役をしていたので、4年ぶりの再見でしたが、いやあかわいかったなあ。歌うシーンは実はほとんどないのですが、コメディエンヌっぷりを発揮していました。シャーロットちゃんは、私がいけなかったときのノートルダムでリスを演じていた方だったので、私は初見でしたが、彼女もとってもキュートガールでした。今度はこの2人がもっと歌う舞台を見たいなあ。

まさか、1789のアントワネット役のロクサーヌをアジアで観られるとは、なんだか感動でした。そしてかわいかった!


<俳優さんたち>
まとめてしまった。。。MORは、歌を歌わない俳優さん(comédien/ne)が何人か登場するのですが、アチア・コーエン組のミュージカルでは割とお笑い要員であることが多く、この演目でもわりと盛り上げ役が多かった気がします。

その中でもやはり存在感があったのは、モザールのお母さんとウェーバー家母だったと思います。モザールのお母さん役の人は、そういえばお笑い要素はほとんどなかったですが、気品があって、モザールを支える母役にぴったりでした。ウェーバー家は対して最初から最後までコメディエンヌ。そのチャーミングさで舞台を盛り上げていました。

1789やアーサー王等では、なんとなくですが、このお笑い要員が、たまに、ストーリーの妨げになるというか、敢えてここお笑い入れる必要がある?と思うところもあったのですが、、、今回のMORではそれほど気にならず、むしろ舞台にテンポが生まれて個人的に結構よかったなと思いました。

また、1789やミスタンゲットにも登場していた俳優さんも何人か参加されていたので、その方たちを見ることができたのも結構うれしかったです。

ヌノのモザール。彼はカツラを被って演じてました。みんなが思い描くモーツァルトに近いかも。


セット、ライティング

本国のものとはもちろん違うものもあると思うのだけれど(韓国版のときに使ったセットも混じっていると聞いた。)、全体として、全然見劣りしない感じがしました。とりあえず、なんでも華やか。
1789やアーサー王(映像で確認できる限りだけど)と比べると、それほどではないとはいえ、やはりりプロジェクターを使った演出も所々あって、エンターテメントとして、観ていて楽しかったです。

今回1階席→2階席と見ていて、気づいたのですが、2階席からみるとライティングが本当にすごくきれい。これはフレンチ・ミューの真骨頂なのではないかと思うのだけれど、いつ見ても本当に美しいです。特に今回好きだったのは、Je dors sur les roses。真っ赤なバラのライティングの中でモザールが、情熱的に熱唱する・・・。本当に素敵でした!

最後のシーンのモザール昇天シーンもライトがすごくきれいで、昇天していくモザールが、真っ白な光の中に入っていくという最後の演出が本当に天国へと向かうかのような感じになっていて、良かったです。

背景にいらっしゃる音楽隊の方は韓国の方でした。クラシックの要素がいろいろなところにちりばめられているのはやはりMORの見所の一つ。


衣装・ヘアメイク

モザールの大きな特徴といえば、やはりオリジナリティーに溢れたアーティスティックな衣装、ヘアメイクなのではないでしょうか。私も、今回実際舞台をみる、ということで楽しみにしていた点の一つでした。

実際、オリジナルにかなり忠実にやっているのではないかという印象を受けました。モザールの衣装だけで言っても、豹柄のコート、スパンコールキラキラの真っ赤なコート、等、時代性とかそういったことはどっかに行っていて(笑)、モザールの革新性だったり、ある種のデカダンスをそのまま表現しているような衣装が実際観てみると本当に斬新で楽しい!!!ダンサーの衣装も、本当に独自の路線をいっていました(笑)。キッチュでポップ。若干原宿ファッションを彷彿させる(笑)。

テイストは好き嫌いが結構分かれそうな感じはしたけれど(正直自分もこれってtoo muchなんじゃ?!と思わないものもなくはなかった(苦笑))、やっぱり見ていて楽しかったですし、フランスらしい華やかさがある気がしました。

特に自分は、女の子たちのドレスが独創的でありつつ、美しくて魅入ってしまいました。そういえば、アロイジアのあのどうなってるのかよくわからないヘア(!)も実際に見ることができたのはいい思い出(結構重そうに見えた。)です。Bim bam boumのミラーボールのような衣装も、実際観てみると、本当に現実とは思えない(!)美しさがあって、ミュージカルだからできる演出に、思わずため息。。。

モードが好きな人には本当にたまらない舞台だと思います。


ロビーはこんな感じでモザール写真を撮れるところがいっぱいありました笑。

ダンス

自分がダンスができるわけでもないので、こんなことを言うのは僭越ですが、1789と比べると、あまり独創的な感じがする振り付けという気はしなかった気がします。割合、単純な振りが多かったような。あと、1階席で見ると、ダンスが割と舞台の中で背景のようになってしまっているシーンが結構あり、そういう意味では、ダンスよりも歌やお芝居(これが、モザールは予想以上に楽しかった。)に割と目が行っていた気がします。

ただ、これも2階席でみると、フォーメーションの移動が非常に美しかったり、ユニゾンの部分は非常に美しかったので(やはりフレンチミューだ!と思った。)、ダンスを堪能したい方は、2階席でみることをお勧めします。

でも、やはり Le bien qui fait malは良かった!サリエリがモザールの音楽に堕ちていくところが、ダンスでとても上手く表現されてて、ボンデージ風の危険な香りがプンプンする衣装や際どい振り付け等、かっこよくてゾクゾクしました!

あと、ダンスで印象的だったのは、Je dors sur les roses。女性ソロダンサーがモザールの後ろにぴったりくっついて踊るのですが、ダンサーさんの女の子が超美人!だったことに目を奪われたのですが(おじさん、、、。)、モザールの情熱そのままを表現したかのようなエモーショナルなダンスは本当に見応えがありました。

ローランとミケランジェロと写真を撮ろうの幕(笑)。


観客

観客というのをタイトルにするのも変ですが。。。
韓国のファンはやはり熱狂的でした!そしてミケランジェロの人気はすごかった。ミケランジェロが観客の前を通るとキャー!!!と歓声が上がりました。ただ、劇中は割とみんな静かで、Tatoue moiとかノリのいい曲で拍手が出てくるかと思いきや意外と、みんな微動だにせず、舞台を見ていました笑。自分はやっぱり衝動を抑えられず(笑)こっそりノリノリになっていました。

以上、韓国版MOR観劇感想でした。



0 件のコメント:

コメントを投稿