シアターオーブでまた彼らの顔を見れるのが本当にうれしかった! |
まずは良かった点から。
やはり、一番良かったことはこんなに早く日本でフレンチ・ミュージカルのガラコンが実現したこと。本当にオーブ様々です。。。これは、ほんとに想像だにしていませんでした。
韓国ならまだしも、日本はフレンチミューの知名度がウィーンミューなんかと比べれば全然低いし、確かに客入りとかを考えると実現しなくても仕方ないようなあと思っていたところに、ガラコンのニュースが飛び込んできたのは本当にうれしかったです。
しかも、オリジナルのフランス語でたくさんの曲をライブで聴けたのはやはり至福の時間でした。ここからは、リシャールファン的視点になってしまいますが、特に、Notre Dame de Parisのナンバーについて言うと、昨年の韓国のガラコンでフランス語版は聴いてはいたものの、実はリシャールは偉大なるブリューノ・ペルティエさんの影に隠れてしまい、彼のグランゴワール曲を観ることができませんでした(これは仕方ないことですが。)。今回それを堪能できたのは非常にうれしかったです。
そして、心配だった客入りも予想以上で、3日間とも3階席も含めてかなり人が入っていました。そして、観客もすごく盛り上がっていたし、歌手の人たちもすごく楽しそうに歌っていたのが印象的でした。。。これこそ、ライブ音楽の醍醐味。
フレンチミューファン歴自体はそれほどではない私ですが、、、それでも、日本でフレンチミューでこんなにたくさんの人が盛り上がっている、というのは感慨深いものがありました。。。
ここまでが良かった点。ですが、、、やはりその一方でうーんと思うところもなくはなかったので、これからの期待、という点も含めて(既に次回を期待している自分。苦笑。)そのあたりについて、書いていきたいと思います。
今回の舞台セット。ウィーンコンと比べると、、、やっぱり地味苦笑。 衣装も歌手自前なので、そういう意味での派手さはやっぱりなかったかな。 でも、セットに階段があったり、絶妙な高さ感を出していたのは良かった気がします。 |
まず、一番首を傾げたのがやはり選曲でしょうか。
全体として、あらゆるオーディエンスを網羅しようとした結果、コンサート全体としてのビジョンにちょっと統一感が欠けていたという印象でした。
フレンチミュージカルのコアファンにとっては物足りず(フランスが舞台のミュージカルからのナンバーが半数を占めていたので、フレンチミュージカルからのマスト曲と思われる曲が外れてしまっている)、かといって、フレンチミュージカルに馴染みが薄いお客さんには、フレンチミュージカルに関する説明が不足しており、後半のレミゼ、オペラ座でとりあえず満足してもらおうという意図が見え隠れしていた、という印象を個人的には持ちました。
以下前回の記事の再掲になりますが今回のガラコンのセットリスト。
Acte 1
1. Ouverture - Le temps des cathédrales (Notre Dame de Paris) / Richard Charest
2. Belle (Notre Dame de Paris) / Robert Marien, Matt Laurent & Cyril Niccolai
3. Bohémienne (Notre Dame de Paris) / Nadia Bel
4. Les Rois du monde (Roméo et Juliette) / Cyril Niccolai, Matt Laurent & Richard Charest
5. Aimer (Roméo et Juliette) / Cyril Niccolai & Sophie Tremblay
6. Place je passe (Mozart, l'opéra rock) / Richard Charest
7. Les femmes (Don Juan) / Robert Marien, Nadia Bel & Sophie Tremblay
8. Le monde est stone (Starmania) / Nadia Bel & Sophie Tremblay
9. Contre ceux d'en haut (Le roi soleil) / Cyril Niccolai
10. Tant qu'on rêve encore(Le roi soleil) / Whole cast
11. Florence (Notre Dame de Paris) / Robert Marien & Richard Charest
12. Vivre (Notre Dame de Paris) / Nadia Bel
13. Danse mon Esmeralda (Notre Dame de Paris) / Matt Laurent
Acte 2
14. The Phantom of the Opera (The Phantom of the Opera) / Robert Marien & Sophie Tremblay
15. Music of the Night (The Phantom of the Opera) / Robert Marien
16. All I ask of you (The Phantom of the Opera) / Sophie Tremblay & Japanese guest(鈴木綜馬(17日)、今井清隆(18日)、山本耕史(19日))
17. All for one (Les Trois Mousquetaires) / Cyril Niccolai, Matt Laurent & Richard Charest
18. Le plus beau et le plus triste paysage du monde (Le Petit Prince) / Matt Laurent
19. Vitalie (Rimbaud Spectacle Musical) / Richard Charest & Matt Laurent
20. La peine maximum (Les Dix Commandements) / Cyril Niccolai & Nadia Bel
21. Hymne à l'amour / 鈴木綜馬(17日)、I am what I am (La Cage aux Folles) / 今井清隆(18日)、L'assasymphonie (Mozart, l'opéra rock) / 山本耕史(19日)
22. On my own (Les Misérables) / Sophie Tremblay
23. Bring him home (Les Misérables)(17日)、"Valjean's Soliloquy" / "What Have I Done?" (Les Misérables)(18日、19日)/ Robert Marien
24. One day more / Whole cast
Bis
Superstar (Jesus Christ Superstar)
Le temps des cathédrales (Notre Dame de Paris)
Les Rois du monde (Roméo et Juliette) (19日のみ)
ではちょっと詳細に。
① いろいろ紹介しよう、という意図からか全体的に選曲に統一感がなかった。
若干繰り返しになってしまいますが、、、一応、数曲ごとにテーマがあって、そのテーマに沿って曲が選ばれていた設定だった気がしますが、その選択方法も無理矢理感が結構あり、聴いていてちぐはぐ感が否めませんでした(いろいろな作品から曲をつぎはぎして、無理やりストーリーを作り出して、劇っぽく話を進める設定は個人的にはあまり必要ないのではと思いました。作品ごとに普通にコンサート、として曲を紹介してったほうが良かった気がした。。。)。
さらに、JCSや三銃士はここに敢えて入れる必要があったのだろうか?と正直思いました。(JCSはシリルが最近舞台に出てたということもあるし、ノリも良いから選ばれたのだと思いますが、三銃士は特にここでねじ込む楽曲ではない気がしました。いい曲ではあったけど。)
② フランスを舞台にしたミュージカルから、ということでレミゼやオペラ座の怪人が披露されたが、これらによって「フレンチミュージカルの楽曲」の良さを堪能するというコンセプトが薄れた気がした。
第二部は、やはり客を呼ぶためか、知名度の高いレミゼやオペラ座の怪人からたくさん選曲されていましたが、これらの曲について、ロベールさんの歌唱力は圧倒されるものがあったものの、特にオペラ座の怪人については、このコンサートで敢えて演奏する必要があったのだろうか、と疑問に思いました。それだったら、もうちょっと、知名度はこれらのミュージカルよりも低いかもしれないけれど、美しいフランス語の楽曲(Starmania のSOS d'un terrien en détresse)とかを演奏しても良かったんじゃ?という気がします。。。この曲は私も全然知らなかったけれど、初めて聴いたときほんとに感動したので。。。
③ 選曲がマイナー曲が多かった気がした。
皆さんが知らない曲を紹介する、という意味合いもあったのかもしれませんが、太陽王や十戒からのナンバーが、そこを選んじゃうか?といった楽曲だったような気がします。
④ 歌手たちの年齢や音域等に相応しい選曲とは言い難いものがあった。
これは、出ている人たちが限られているから仕方ないというのはもちろんあるのですが(今回の来日メンバーはさすがにみんな「すごく若い」とは言えないメンバーたちなので。。。苦笑)、フランス本国で10代や20代前半のピチピチの歌手たちが歌う曲を彼らに歌わせたのは、果たしてどうだったんだろう。。。と思うところもありました。特に、リシャールの、Place je passe。ファンだけど、吹きました笑。あれはあれで、新鮮なリシャールではありましたが、個人的には彼には、今の彼にしか歌えない大人な楽曲を歌って欲しかったです。リシャールに限らず、やっぱり持ち歌でない曲はどの歌手も、なんとなーく微妙でした。。。
個人的に1番残念だったのは、NDPナンバーの中のグランゴワール必須ナンバーであるLune、フロロのJe t'aime! が印象的なVisite de Frollo à EsmeraldaからUn matin tu dansais というメドレー、Les oiseaux qu'on met en cageやMa maison, c'est ta maison等の美しいデュエット曲がカットされたこと。
これは、私がNDPが好きということで贔屓目で見てしまっている部分もあるのですが、それでも、Luneがないことやフロロのソロナンバーをわざわざ日本に来てくれたロベールさんに歌ってもらわないというのは非常にもったいない気がしました。ロミジュリも、AimerとLes Rois du mondeというのはまあ、定番で外れがないという意味ではいいのですが、もっと他の曲が入ってもよかった気がします。
あと、今回、パンフレットに楽曲の説明等はわりと丁寧に書いてありましたが、舞台上では字幕等もなく、MCでも説明は最低限だったので、ミュージカルに馴染みがない&フランス語がよくわからない観客にとっては、ちょっとフランス語の楽曲については、その世界に入り込むは難しかったのでは、という気がします。
今回、第一部はtheatricalな演出を狙ってか、やたら荘厳なナレーションが2、3曲の間に1度入っていましたが、飾り立てた言葉が並んでいる割に、ミュージカルそのものの説明にはあまりなっておらず、、、(すみません。でも、無理矢理つなげた感が否めなかった。。。)もうちょっと普通に説明して欲しかったなあと思ってしまいました。
MCもせっかくフランス語が話せるキャストたちがいるのに、フランス語は最小限で途中から英語になってしまったり(多分、通訳の人がフランス語の通訳ではなく英語の通訳だったからだと思われる。。。)、第2部のMCはほぼすべてマットがトークをしていたので、もっとそれぞれの歌手がそれぞれ演じた役の思い出等を話せたら、よりそれぞれのキャラクターを知ることができて良かったのではないかと思いました。(去年行ったウィーンコンはちゃんとこういう時間があったのでちょっと残念だった。)
ダラダラと不満を書いてしまいましたが、、、これらの不満を差し引いても、やっぱり日本でフレンチミューガラコンが実現したのは、望外の喜びであることには間違いありません。。。オーブの方々にとっても初めての試みということで様々なご苦労があったでしょうし(観客動員数とかのプレッシャーも相当あったのではないでしょうか。)。
さらりと観客も盛り上がってた、と書いてしまいましたが、最終日のアンコールのLes Rois du monde の盛り上がり等は客と歌手が一体感があって、ほんとにすごくよかったです。
以上、とりあえず、全体の感想でした。
次回、曲それぞれの感想を書いて行こうと思います。
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返信削除ウィーン通訳