2015年1月26日月曜日

祝!宝塚上演: 1789 Les Amants de la Bastille バスティーユの恋人たち 〜あらすじ②〜

★カバーしている曲:Hey ha(デムーランの演説) / La guerre pour se plaire(この愛の先に) / La Rue Nous Appartient★

第1幕のあらすじ後半編です。
前半はこちら

マラーの家。印刷機が絶え間なく動いている。そこには革命家たちが集まり、パンフレットの印刷の作業をしていた。そこにロベスピエールがやってくる。ロベスピエールは、聖職者、貴族、平民、の全3つの身分に平等に発言権があり、自由で独立した国民議会を作るべきだ、と声高に他の革命家たちに自身の演説原稿を読んで聞かせる。

「ロベスピエールよ、実にすばらしい!」とデムーランが褒め称える中、ロナンは、皮肉交じりに、「なんて、すばらしい演説なんだ。そんな演説をしている間に国民は飢えで貧窮している。どうせあんたたち議員は、金持ちで堕落しているんだ。」とデムーランに食ってかかる。売り言葉に買い言葉の口論の末、デムーランはうっかり「たかが農民の夢だ。」と口を滑らしてしまう。さらに憤ったロナンは「どうせ、俺は農民だ!農民の息子だ!あんたたちは、自由を声高に叫んでいるが、結局のうのうと暮らしているだけなんだ。こっちは命を懸けて闘ってるんだ!」と吐き捨て、口論は収拾がつかなくなる。

そこに、ダントンが割って入り、「喧嘩はやめるんだ!なぜ、ここで喧嘩をしなければいけない?我々が求める革命はお互いの尊敬の念、そして相手への尊敬の念を持ってこそ始まるんだ。言い争いは止めて仲直りするんだ!」と二人を諭す。歩み寄った二人は固い握手を交わし、和解する。

「さあ、仕事だ、仕事だ!」と印刷作業に入る革命家たち<Hey ha>。


<Hey ha>
(デムーランの演説)
(和訳:エイ・ヤー(註:掛け声なので…。))

"Hey ha 我々は進歩を夢見ていた
Hey ha 我々は革命を夢見ていた
Hey ha さあ、友よ
栄光の日がやって来た
Hey ha
機運の高まりを夢見ていた
Hey ha 我々は革命を夢見ていた
さあ、子どもたちよ
栄光の日は、栄光の日は、夢見るためにある"
***この歌、フランスの国家のLa Marseillaiseの歌詞をなぞっているところがいくつかあります。
さあ、仕事しよう、というのに、なんだこのゆるい感じ、と個人的に思ってしまった私。しかし、上記のように、さあみんな、革命の夢を見よう!という希望にあふれた曲です笑。***

そこに、アルトワ伯の手下のラマーが押し入ってくる。「さあ、パンフレットを見せるんだ!」と詰め寄るラマー。革命家たちは散れ散れにその場を逃げ出す。そこにシャーロットが現れ、ロナンを手招きする。シャーロットが自分の居場所を知っていることに驚くロナン。自分についてくるようロナンに言うシャーロット。

シャーロットはロナンをどこかの街外れに案内する。そこでオランプが二人を待っていたのだった。オランプは、アルトワ伯がロナンの命を狙っており、できるだけ早くパリを脱出するようロナンに忠告する。なぜ自分に構う?と問うロナンにオランプは、ロナンがこんな不幸な状況になってしまったのは自分のせいだから、と答える。惹かれあう二人。だが、オランプは自分のことは忘れてほしいと言い残し去ってしまう。ロナンはオランプを追いかけようとするが、彼女の姿は既にどこにもなかった。

ロナンはシャーロットに、オランプに再び会えるよう手助けしてくれ、と懇願する。すると、シャーロットは、自分が言ったことは内緒にすることを条件にして、オランプが先日亡くなったルイ16世とマリーアントワネットの子息の葬式にアントワネットの付き添いとして彼女も出席するはずだという情報を伝える。

− 教会。悲しい音楽が流れる中、ルイ16世とアントワネットの前には小さな棺が安置されている。悲嘆にくれるアントワネット。アントワネットの慟哭だけが教会に響き渡る。アントワネットはその場に泣き崩れる。

教会の扉が閉まり、一人そこで祈りを捧げるオランプ。そこにロナンがやってくる。お互い敵同士でありつつも、その立場の違いを超えて禁断の愛を確かめ合う二人 <La guerre pour se plaire>。二人は、熱い抱擁と口づけを交わす。

<La guerre pour se plaire>
(この愛の先に)
(和訳:愛し合うための戦い)

"私たちを惹きつけるものは私たちを引き裂き
私たちを惹きつけるものは私たちを惑わせる
私たちを結びつけるものが
私たちを近づける(似通わせる)"

***立場の違いを超えて二人はここでようやく結ばれます。人のお葬式で再会しようという設定自体ええっ???と思った自分ですが、そう、これはフレンチ・ミュージカル笑 愛よ、万歳。***

舞台が切り替わり、アルトワ伯が兄であるルイ16世と会話を交わしている。息子を失ったばかりのルイ16世は心ここにあらずであったが、弟のアルトワ伯は、国民議会が唯一の正当な国民の代表であることを宣言し、このままでは国民全体が王に牙を向き、王座からあなたを引き摺り下ろすだろう、と告げ、国民議会を力で潰すべきだと進言する。ルイ16世は、国民が血を流すのは見たくない、と弱気な発言をするが、アルトワ伯はあなたには、祖先から連綿と続く王家を後世に伝える義務があると諭す。あなたは、フランス国民への愛を失ったのですか?とたたみかけるように聞くアルトワ伯。ルイ16世は、そんなことはない、私は国民を愛している!と憤る。そして、もともと王になどなりたくなかったのだ、とつぶやく。アルトワ伯は、王に第三身分の議員が結集することを禁ずる命令書に署名するよう迫る。

− パレロワイヤル。そこには、来る革命に向かって集合する革命家たちの姿があった<La Rue Nous Appartient>。

<La Rue Nous Appartient>
(和訳:我々の通り(我々が属する通り))
まさに革命前夜、静まりかえった朝に革命家たちは
「新しい世界」を夢見、革命への想いを誓います。
個人的には第1幕ではこの歌のシーンが
一番好きでした。まさに革命の精神を美しく歌っている曲だと思います。

"明日がまた再びやってくる限り
人はまた新たな夢を見ることができる
友よ、拳を掲げよう
街は我々のものだ"

ここで、かっこよく革命家たちが、ユニゾンで歌を歌って、第一幕は終わります。
二幕のパート1はこちらです。

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