2015年12月13日日曜日

フレンチ・ミュージカルも国際化? 英語字幕付きで見られます!

仏ミューが英語字幕付きで見れる!そんな時代がやってきたようです。

Theatre in Paris.com - Experience French theatre plays with English surtitles
(シアター・イン・パリドットコム − 英語字幕でフランスの舞台劇を鑑賞しよう)
http://www.theatreinparis.com




というわけで、フランスの舞台を英語の字幕(surとなってるのは、舞台の「上」に出るから、だとか(解説)。subtitleの間違いかと思ったよ。。。)で見ることができるサービスができたようです。そんなに演目数はないようだけれど、ミュージカルだけでなく、ストレートプレイも観れるみたい。

英語でGuardian紙の記事にもなっているようです。
http://www.theguardian.com/travel/2015/dec/12/paris-theatre-augmented-reality-glasses-translation?CMP=share_btn_tw

例えば、現在パリのLe Comediaで上演中の1920年代のレビューの女王「ミスタンゲット」を描くMistinguett, reine des années folles

こんな感じで英語で舞台内容がわかる↓。

https://www.facebook.com/MistinguettOfficiel/photos/a.618426774878091.1073741828.617086191678816/937459279641504/?type=3&theater

この不思議メガネが一番気になりますが。。。↓のサイトでこの英語字幕サービスを申し込むことができるそうです。実際にこのサービスを利用した方によるとこのメガネは実は必要なかった疑惑(普通に字幕はFB写真のように舞台の上に流れていたらしい。)、、、だったそうですが笑。

→追記:上記の英語記事を読んだところ、 この不思議メガネは右側のレンズに字幕が映るメガネなそうなので、メガネ越しにはなるものの、舞台を見ながら字幕を追えるというメリットがあるそうです。確かに、日本で字幕付きの舞台を見ると字幕と舞台とで行ったり来たりするのが億劫で結局字幕放棄することも珍しくない笑。一時期話題になってたGoogleグラスよりもスクリーンが大きくバッテリーのもちがいいそうです。

http://www.theatreinparis.com/mistinguett.html

このサイトで申し込むと、
  • 字幕が見易い席にご案内(前すぎると却って見えないからね。。。)
  • 英語のプログラムをゲット
  • 観劇前に英語ができるスタッフによる舞台、会場の解説(この会場自体がとっても歴史ある建物で、ミスタンゲットも公演をしたことがある施設だから?)
  • ハイテク眼鏡でそれぞれ個人個人字幕を楽しめるシステムを試せる
といった特典がつくそうです。
したがって、舞台が始まる30分前には劇場に着いてる必要があるようです。

で、、、実際に行った方によると、これ、本当にこんな感じで超至れり尽せりな対応だったそうです。あのアンチ・イングリッシュなフランスで(英語が全然通じないというわけではないとはいえ、やっぱり仏語優位は圧倒的。。。)!しかも、non French speakersの観客もこのサービスのお陰か、結構いたそうな。

私は去年この劇をパリまで観に行ったのですが、、、自分とは大違い笑。
いやー、こんなサービスが導入されるとは夢にも思わなかったなあ。

というのも、、、実際にフランスでミュージカルをご覧になるとわかると思うのですが、観光客も多く観に行くオペラやバレエと違って、フランスにおいてミュージカルというのは、ほぼ完全に地元の人(特に家族や若者向け)向けの超ドメスティックなエンターテイメントなのです。。。したがって、外国人を観客とする発想がそもそもない。。。この点は、観光客の割合も多いブロードウェーやウェストエンドとはだいぶ違うと思います。

外国人を見かけることはほとんどないですし、仏語をわからんのに、なんでおるねん?ぐらいのプレッシャーを自分は感じました(ちょっと自意識過剰だったかもしれませんが。。。)。。。アジア系だとそれだけでかなり浮きまくります。

したがって、フランス語がわからない人にとっては非常に敷居が高いエンタメではないかなあと個人的には思っていました。エフェクトとかもちろん言葉がわからなくても面白いと思えるところはたくさんあるけれど、それでもやっぱり物語の詳細がわからないのは観ている側としては結構歯がゆい。自分も1789のときは、結局物語の全貌がわかったのは、DVDを真面目に解読してからでした。そして、えー!そうだったの??と驚くことたくさん。。。

そんな中でこんなサービス提供の開始のアナウンス。え?仏ミューもついに国際化、そして観光産業の一つとしての位置付けになったのかなあ?とちょっとびっくり。

でも、フランスのミュージカルって英語圏のものにはない良さがあると自分は思っているので、その良さを本格的にフランス側が世界にアピールしようと思って腰を上げてくれたというのなら結構うれしい気がします(そうそう、宝石は眠らせてはいかんよ!)。

そして、このサービス、フランス語がわからない or 聞き取りは難しい、でも英語がわかるというお客さんにとってはとってもうれしいサービスなのではないのでしょうか。舞台は、映画などの映像媒体と違って台本があるとはいえタイミングとかも微妙に毎回違ったり、調整がいろいろ大変そうですが、非仏語話者にとっては、大きな助けになりそうです。字幕はフランス語という言葉の響きの美しさ(これは仏ミューの醍醐味の大きな要素の一つだと個人的には思っている。)を残しながら、フランス語が十分に聞き取れない人にも理解できる手助けをしてくれるという意味でも本当に画期的なサービスだと思います。

ミスタンゲットはセリフが多く、結構早口だったので、仏語中級の自分にとっては、理解するのはかなーり厳しい舞台だったので、このサービス当時利用できたらいろいろわかったろうになあと思います。。。

もちろん、原語をちゃんと理解できるようになるのが一番ではあるけれど、そこまでたどり着くのは至難の技。そして、より多くの人にフレンチミューの世界の門戸が広がるというのは、すばらしいことだと思います。

今後サービスが広がることに期待。


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