2013年9月30日月曜日

Apprendre le français par SNS ~SNSと語学学習~

自分を含めて、外国語(特に英語以外)を勉強する上で少なからずぶつかる壁が、実際にネイティブの人たちと話す機会がほとんどなかったり、実際に使われている文章(たとえばメールとか。)を見る機会がほとんどないということがあると思う。

語学の教科書で使われることばというのは、やっぱり「教科書的」で、実際に使われる言葉とはちょっと違う、というのは自分に限らずよく思うことなんじゃないだろうか。

自分の場合、当初、仕事に活かそうという目的で始めたときには「読む」ことが中心で、「話す」、「書く」という要素は全く必要なかった。

が、NDPでフランス語圏(ケベック)のキャストに、メッセージを贈りたいというような機会が出てきて、突然、「発信」という想定外のことをする必要が生じてしまった(苦笑)。

仕事だったり、私生活でネイティブの人と何らかの接点がある人は、それなりに生のことばに触れる機会があると思うのだが、自分の場合、知り合いにフランス人もいないし、金銭的にちょっと語学学校に行くということは断念したので、はて、どうしようと思った。

ペンパルを作るということも考えたけれど、何やらよくわからない人とやりとりするのもなあ、とちょっと二の足を踏んでいた。

英語を勉強していた時は、かなり王道の映画やドラマを見る、ということをよくやっていた。そこで、スラングやら罵る言葉やらをいろいろ覚えていったような気がする。

なので、今回もそれをやればいい、と思ったのだが、実は、フランス映画/ドラマというのが、個人的に、あんまり好きでなく(と言えるほどの本数は見てない気もするけど。。。)、、、どうも、積極的に見てみようという気にならなかった。

若干わがままな発想なのかもしれないけれど、何か、自分の興味に引きつけつつ、自分自身にrelateできるような話で、かつ生きたフランス語を学ぶ方法ってないだろうか、、、と考えたところ、ふと思ったのが、

SNSって意外と語学学習に意外と役立つんじゃないか?!

ということ。

自分の場合、フランスのミュージカルが好きだったので、FBやTwitterでよく自分が好きな歌手たちの情報を拾っていた。それを解読すると、必然的に舞台関係のことば(sur la scène(ステージで)とか、répétition(リハーサル)とか、représentation(上演)etc...)は何度も繰り返されるので覚えていける。そして、舞台の情報は自分が知りたい情報なので、もちろん理解しようと意欲が湧く(笑)。

そして、あるとき、彼らの使うフレーズをそのまま真似して使えば自然なフランス語になるのではないか、と思った。

たとえば…

歌手の人たちというのは、かなりの確率で、ファンに感謝していることが多い。そこで出てくる感謝のフレーズをストックしておいて、自分なりにアレンジして使えば「実際に使われる」フレーズを持ってくることができる。

さらに、特にFBの場合、歌手たちのスレにファンのコメントがズラっと並んでいる。ここにいる人たちは、ほぼ自分と同じような立場の人たちなので、彼らが発する発言というのは、まさに自分が言いたかったことそのものであったりする。

ファンの発言は、だいたい、すごい!かっこいい!すてき!等の歌手を褒める、というパターンが多いが(これは、自分も何度か参考にさせてもらった。)、時として、歌手がミュージカルから降板する、というようなときには、Tu vas énormément nous manquer(すごくさみしくなるよ。)とか、Je suis déçue et triste(がっかりだし、悲しい。)とか、ちょっと違う表現を学ぶこともできたりする。


FBやTwitterの場合、自分の写真を載せている人も多いので、どんな年齢、あるいは性別の人がどんな言葉を使うのか(例えば、どういう年代の人が歌手の人に対して、vousを使うのか、tuを使うのかとか、女性と男性とで使う頻度が違う言葉があるのかとか。)ということも観察できる。

そして、たぶん、これは、どんな言語でもそうだと思うが、FBやTwitterの言葉というのはtextでありながら、話し言葉により近いことが多い。というわけで、自分のようにリアルなやりとりに飢えている(笑)人間には会話調なリアルなことばを見るのにとても重宝するリソースだと思う。

この若干ストーカーめいた(苦笑)言葉の追っかけを続けていて、劇的に力がついた、ということはないけれど、なんとなく、フランス語のナチュラルなリズムをつかむことができるようになった気はする。

あと、注意深くその人のテクストを読むようになったからか、一人一人が使うフランス語から、その人の人となりとかが徐々に透けてみえるような気がしてきた。

それから、フランス語は、感情表現の言葉がやっぱり豊かだなと思うことが多い。
特に感謝の気持ちを表現する言葉はジンとくる(これは、ことばそのものというより、言葉の音声によるところも多い気がするけど。)。

自分の中で気に入ったのが、R&Jに出ていたDamien Sargueが使っていた

Ca fait chaud au coeur!

ということば。

英語だったら、It warms my heart!という訳になると思うけど、英語でももちろん、心があたたかくなる、というプラスの意味は伝わるけれど、フランス語のサ・フェ・ショ・オ・クールという表現のほうが、本当にあたたかい気持ちが伝わってくるような気がした。

これは、+のバージョンだけれど、時として、人が亡くなったり、という悲しいこともFBには載っていたりする。そんなときの遺族への励ましのことばというのも、フランス語だとすごく心に響くというか、遺族の方たちに寄り添ったメッセージという気がする。

そんな悲しいときのことばを拾うのは自分でもどうかと思うけれど、、、例えば、

Je pense très fort à vous.

tres fortというのは、こういう場面に限らず、何かの想いを強調するときによく見かける表現。英語の直訳はとvery strong(ly)だけれど、この文章の場合は、I'm thinking about you a lotとかの方が自然だろうか??日本語だと、あなたたちのことを強く想っています。っていうのが直訳だと思うけど、ちょっとしっくりこない。。。でも、このtres fortということば、感情がダイレクトに感じられて好きな表現。

というわけで、FBやTwitterを見ているだけでも、人生のうれしいこと、哀しいこと、等いろいろなできごとを共有しながら(「心」を感じながら)、言葉を実態をもって学ぶことができる気がする。(これって、すごく意義深いし、大事なことだと思う。)

そして、最終的に、いろいろ印象的だったフランス語フレーズを拝借して、ファンである人たちにメッセージを送ったときに、どうやらその思いが通じたようだ。。。というときは、やはり結構うれしかった。

こんなことをしているため、以前はそんなに見ていなかったFBやTwitterをマメにチェックするようになってしまった。。。







2013年9月22日日曜日

Mon histore (4)

Aventure Merveilleuse - Notre Dame de Paris ① (mini live)
~すばらしき冒険-ノートルダム・ド・パリ ① (ミニライブ)~

すばらしき冒険、なんて安っぽい&稚拙なタイトルで気が引けるが、、、チキンな自分の場合、気分的にそんな感じだったので、敢えてこのダサいタイトルにしてみる。

とりあえずチケットは取ったものの、Notre Dame de Paris (NDP)は、英語公演ということで、個人的に実は、盛り上がりに少々欠けていた。というより、実は、公演に行くことさえ当初は迷っていた。
やはり原語にしか表現できないことばやリズムは存在するので、翻訳版ではそれが死んでしまう(とまではいかなくてもすべてを表現することはできない)のがやはり個人的には、あまり好みでなかった。

しかし、下記の映像をみて、ちょっと考え直すことにする。



プロモのミニ・ライブのときっぽい映像。カジモド役のMatt Laurentとグランゴワール役のRichard CharestがNDPの曲をメドレーしている映像。これは、フランス語バージョンだけれど、このグランゴワール役のRichardの声が個人的にツボで、この人が歌うならちょっと見たいかも、と思い、NDP鑑賞を決断する(ミュージカルはそれなりの値段がするので、一応、見に行く、と決めるのは、自分の場合それなりの決意がいる(苦笑))。

そして、いつものように一応、英語公演だけど、オリジナル版の楽曲をi tunesでダウンロードし、とりあえず一通り聞いてみる。

そして、今だから言える、そのときの感想。

何だか、ちょっとクラシック。。。言い方を変えるとちょっと古臭い??←今から考えると本当に申し訳ないが、正直な第一印象は実はこうだった(爆)。

そして、一応、映像もYoutube上でチェック。
思ったこと→何かみんな地味…。特にダンサーの衣装…。鐘のパフォーマンスだけちょっとすごそう^^
→これも、実際の公演を見たら、逆にこのroughな感じがぴったりだとわかったのだけれど、映像で見るとやたら薄汚く(ごめんなさい!)見え、フランスのミュージカルって衣装が華麗なんじゃなかったっけ??と思ってしまった。。。
鐘のパフォーマンスがすばらしい、というのだけは、実際にそうだったけど。

このマイナス評価はひとえに、ピカピカ、キラメキいっぱいの1789を見た後にこれらのリサーチをしてしまったからに他ならない。

今となって思うのは、確かに、きらびやかさという点では、最新技術を駆使してお金もいっぱいかけている(であろうと思われる)1789がやはり際立っているとは思うけど、NDPは、初演の1990年代後半の空気感というか、「楽しい」だけのエンターテイメントとしてだけで終わらせないで、至る所にオーディエンスへの「考えるポイント」や「問いかけ」を行っている点ですごく優れていると思う。というわけで、自分はどちらの作品も違った理由で好きなんだと思う。

話はNDPに戻って…。年が明けた2013年1月に、オーブで無料のミニライブが行われることを知る。これだけ酷評しておきながら、無料ということばに弱い私は、わざわざ有休を取得し、オーブに駆けつけてしまう(苦笑。ちょうど仕事が忙しくない時期だったし。)。

しかし、今から考えると、この会、本当に貴重だった。。。フロロ役のRobert Marienさんの歌声を数メートル先で聞く機会を得たのだから…。


フランス版のバルジャン役をやっていたRobertさん。声が素敵なのは言うまでもないけれど、歌っている最中常に目がキラキラしていて(泣いていたわけではないと思うけど。)すてきだった。



そして、質問に対する受け答えがなんというか、いつもダンディで知的。
宣伝のために出演したテレビ番組でエスメラルダの魅力を尋ねられると、"She looks so natural that she looks unnatural" (不自然なほど自然。)という格言みたいなことを言っていて、本当に仙人(笑)みたい。年の功なのかな。

そして、自分が一番見たかったRichardはこのライブに参加せず(彼だけ一人台湾でプロモーションを行っていた。。。)、そこはがっかりだったが、フェビュス役のYvanがカテドラルの時代を歌うというかなりレアな機会を得る。


これも今となっては超貴重だけど、当時はあんまりそのことがピンとこないまま終わってしまった。

そして、忘れてはいけないのがMattの"Dance My Esmeralda"。


でも、これもエスメラルダの亡骸を抱きしめながら歌うからこそ映える歌で、単に歌うだけだと、感動が半減してしまう歌だと思う。

というわけで、この時点では、音楽とダンスとアクロバットのスペクタクルというのがイマイチわかっておらず、曲もそれぞれは感動的なんだけれど、心をつき動かされるということはなかった…。

やはり、ミュージカルは総合芸術で、いろいろ合わさって初めて、すごいものになるんだ、ということを実感。






Mon histoire (3)

Le Chemin de Paris  - 1789 Les Amants de la Bastille  ~パリへの道 - 1789鑑賞~

熱に浮かされていた、と言えばそうなのかもしれない。
普段の自分だったら「どうした自分?」ととりあえず思いとどまっていたと思う。
でも、思い立ったが吉日。行ってしまえと思った。

調べていた10月末時点では、まだプレミアが始まったばかり(2012/09/29に初日)で、youtubeの映像自体それほど出回っておらず、CDも日本ではちょうど在庫切れという状況だったので、実は、ミュージカルの話の筋はかなり謎のままの出発だった。(フランス語初心者の自分では情報収集もかなり限界があった。)

※2013年11月現在、iTunesで2013年に追加された新曲も含めた再演記念盤のアルバムが購入できます。28曲フルに入っています。(ただし、新曲以外の歌は、降板した歌手の人たちの音源も含めてそのまま使用されている模様。。。)。https://itunes.apple.com/jp/artist/1789-les-amants-de-la-bastille/id503845320?trackPage=1#trackPageずっとネット上で購入できなかったので、感慨深い…。

※DVDもAmazon.fr経由で買えます(まだ日本サイトでは買えない模様。。。2013年12月現在)。
http://www.amazon.fr/1789-amants-Bastille-Louis-Delort/dp/B00ED1ZYM6/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1386469487&sr=8-1&keywords=1789+les+amants+de+la+bastille


ただ、どうやら、フランス革命中の農民(一般ピープルw)と貴族の女性の恋愛物っぽい、ということだけはわかっていた。

そして、Wikiを読んでいたら(今見たら、該当部分が削除されていたけど…。)、どうやら主役がプレミア直前に降板が決まり、ひと悶着あった模様で、若干心配ではあったけれど、パリで観劇というだけで自分はわくわくしていたのでそれほどそのことについては、気にならなかった。

フランス語が理解できないことを見越して、日本で、2回分の公演のチケットを購入する。1回目は全体を見渡せる真ん中あたりの席で。2回目は、前から3番目の舞台が間近に見える席で。これが、結局かなりよい選択だったと後から思った。
           
最終的な配役は以下のとおり。主演はThe VoiceのファイナリストだったLouis Delortに変更になり(大分若返ったw)、Mathieuは、officier(将校)に役代わりした。。。歌う曲もソロ曲は1曲とかなり脇役に格下げ。。。プロモ時と本物の舞台のときとでは衣装もかなり変更されているようだった。

Mathieu Carnot (マチュー・カルノー。Comte de Payrol役)、
Roxane Le Texier (ロクサーヌ・ル・テキシエ。マリー・アントワネット役。彼女だけベルギー人。)、
Sebastien Agius(セバスチャン・アジウス。ロベスピエール役、そういえば、彼も当初はバイイとしてクレジットされてました。)、
Camille Lou(カミーユ・ルゥ。Olympe(オランプ)役。マリー・アントワネットの子供の家庭教師)、
Louis Delort(ルイ・デロール。Ronan(ロナン)役。農民、革命家。)、
David Ban (ダヴィド・バン。ダントン役。劇とは関係ないけど、ローラン・バンの弟さん。)、
Nathalia (ナタリア。Solene(ソレーヌ)役。Ronanの姉or妹。いろいろあって、娼婦になっている。)、
Rod Janois (ロッド・ジャノワ。カミーユ・デムーラン役。彼は作曲も手がけてます。)。

実は、プロデューサーのAlbertさん、Mozart L'Opera Rockの日本公演のとき、来日していたらしい。FBに写真が載っており、えー!と私なりました。しかも@シアターオーブ。お会いしたかったです。。。


で、当日、ドキドキしながら初パリでのミュージカル鑑賞をする。

 

 会場のPalais des Sports 。写真奥のドーム。



 
幕が開く前は、プロジェクターでこのようにちょっと古い感じの映像が映し出されていて、すでに18世紀の世界観ができあがっている。

チャイムが鳴って、まず、音楽と共に物語の背景が結構長い間幕に映し出される。
そして、開幕。

目の前には、Youtubeで見たMathieuやLouisが、本当にいる!!!この現実感のなさは、何なのだろう…。としばし、感動に浸る。。。(映像は2回目の舞台間近の席から撮ったもの。)

※撮影ですが、この劇場(というかこの作品)に関しては、放任(黙認)でした(少なくとも私が見たときは注意されている人は見かけませんでした。)。。。周りの観客もごくごく普通にデジカメやビデオカメラを取り出し撮影していました(もちろん、フラッシュは禁止。→DVD撮影のときに、プロデューサーの方も注意事項としておっしゃってました。)。実際、youtubeには劇場で撮影した映像がわんさか出回っています…。そして、これは私がSNS等をずっと追っかけてきての想像ですが、、、こういう大型のミュージカルでは情報を敢えて「オープン」にして口コミを広める、ということを「戦略」として使っているような気がします。。。観客「巻き込み」大作戦。ですが、劇場によってルールは違うと思いますし、どこでも撮影可というわけではないと思いますので、そのあたりご理解いただけると幸いです。






そして、舞台は予想通り圧巻。華麗なプロジェクターの演出(大がかりなセットはもちろん出てくるけど、光でこれだけのことができるんだ…、としばし唖然(いい意味で。)。)、一糸乱れぬ群舞、若くて才能ある歌手たちの歌、鮮やかな衣装やヘアメイク、素晴らしいとしか言いようがないショーだった。

※※注:下記映像、エンディングのネタバレあり!※※


しかし、1回目は、予想通り、フランス語がわからなすぎて、いつの間にか、え??もう終わり?!みたいな感じで終わってしまい、かなり感動(というか悲痛。。。)の終わり方のはずなのに、あっけに取られたまま終わってしまった(苦笑)。

2回目は、話の筋も大まかな流れはわかっているので、セリフをがんばって聞き取ろう(といっても結局初級者にはハードルが高すぎて、ほぼ追えていなかったけれど。)という若干の心の余裕も生まれ、ミュージカルをちゃんと楽しむことができた。また、席が舞台から間近ということもあり、ダンサーやシンガーの息遣いまで感じられて、迫力満点だった(ただ、席が舞台に近すぎて、プロジェクターの演出等は、実はこの席ではあまりよく見えないことがわかった。)。

うっかりパンフも買ってしまい、クリスマスセールでディスカウントになっていた1789のCDも無事Getし(ついでに日本で買えなかったR&JのCDも買った。)、大満足して、日本に帰国。

1789のパンフ。
パンフ文化は日本特有のものかと思っていましたが、
別にそういうわけではないんですね(笑)
このパンフかなりしっかりしていて読みごたえもあります。


※この時のパリ旅行のことについては、http://4travel.jp/traveler/nijntjenijntje/に旅行記としてまとめてあります。ご興味があればご覧ください。ミュージカルのこともちょっと触れています。

満足して日本に帰ったものの、内容(特にセリフやジョーク)が、実は、大まかにしかわからず、それが実はかなり残念&悔しかった。というわけで、この遠征をきっかけにもっとちゃんとフランス語を勉強して、理解しよう。。。とフランス語勉強への思いを新たにした。

また、1789に出演していたシンガー達の情報発信(FBやTwitter)はもちろんフランス語なので、そういうのを理解するという上でもフランス語の上達の必要性を感じるようになった。

語学の上達の秘訣は「必要性」や「目的意識」とやはりこれも大学の授業で習った気がするけれど、卒業から大分経った今、まさにそれを感じることになった。確かに、好きこそものの上手なれということもあるけれど(自分の場合、英語はそうだった。)それでも、単に「好き」というだけではなくて、「必要性」や「目標」という要素ほど人を突き動かすものはやはりないと思う。

さらに、自分の場合、一応、仕事にもマイナスにはならない、というボーナスもついていたので(一応、こっちで食べさせていただいているので、表向きの一番の理由はこっち。。。)、これもある意味目的意識の一つになっていると思う。

実は、1789に旅立つ前に 日本でNotre Dame de Paris(NDP)の公演が年明け(2013年)に行われることを知り、とりあえず、席だけ年内に確保。NDPは、フレンチミュージカルの歴史において外すことのできない演目だということは知っていたので、英語公演かよ、、、とブツブツ言いつつもやはりこれは見なければ、と思い、結局行くことにする。

ただ、1789があまりにすごすぎて、正直(again)期待値はそれほど高くはなかった(苦笑)。

(4)につづく… 

ちなみに、今年(2013年)も11月から1789は再演がありますが、メンバーも数名チェンジして、新曲とかも加わるようです。前列真ん中にいる方は舞台の総指揮を取っているGiuliano Peparini(ジュリアーノ・ペッパリーニ)さん。名前からもわかるようにイタリアの方ですが、この方、R&J(2013年)のイタリア版でも総指揮を取っているようです。R&Jのイタリア版を見ていたら、彼が挨拶しているのが映っていて、世界は狭いな。。。と思いました。


Mon histoire (2)


Rencontre avec R&J  ~R&Jとの出会い~

そして、時は飛んで、10月。
5月にプロモも兼ねたR&Jの来日イベントもあったけど、何分Westsideのトラウマが強すぎて、、、応募する気にならず、とりあえず、"Aimer"と"Les rois du monde"と"Le Chant de l'Alouette"ぐらい予習して(かなりやる気なかった(苦笑))、友人と渋谷のシアターオーブに向かう。

映像で見て、「すごい!」と感動したロミオ役のDamien Sargueが不参加というのも結構大きかった(しかも、この後、DamienはR&Jには戻らない、とのことで、もう彼のロミオは見れないらしいorz...)。

そして、幕開け。

作詞・作曲を担当したGérard Presgurvicさんのダンディすぎるナレーションと美しい「死」の舞が終わったと思ったら、 赤と青の印象的なlightingが。Lightingでこんなにもかっこよく、観客の期待値を上げられるものなんだと舌を巻いた。


R&Jの大好きなオープニング。この始まりだけでテンションが上がる。 

そのあと、"Verone"で、ノリノリの音楽で観客を引き込み…。と細かく書くときりがないが、とにかく、驚いたのは、

・ 光の使い方(前述のとおり)、

・ ダンス 
フランスのミュージカルは、歌手とダンサーの分業制を取っているため、ダンサーはその道に専心している方たちということで、ダンスのクオリティーが高いことが多いそう。

・  
メロディーの美しさはもちろん、フランス語独特のちょっと皮肉っぽいところや清純派ではないラブ・ストーリー、哲学っぽいところ等が歌詞にふんだんに盛り込まれていた。
歌手の人たちも常にミュージカルで活躍、というより、普段は、歌手や女優で活躍している人たちなので、Broadwayなどの舞台俳優さんたちとはちょっと雰囲気が違う気がする。。。
あと、On Dit dans La Rue などミュージカルというより普通のポップ?みたいな曲もあったりする。

・ ダンスと歌が同時並行で盛り上がっているので、ときどきどこを見ていいか悩む。
これは、上記の分業にも関わることだと思うけど、歌手が素敵に歌を歌いあげている横で、これまたクオリティーの高いダンスが披露されていて、全部の行動が追いきれない。。。これは人によっては、注意が散漫になってしまってまとまりがないと見えてしまうかも。私個人としては、見どころがいっぱいあって、楽しいと思うのですが。

・ 本当にセリフが少ない。
これもよくフレンチミュージカルの特徴と言われるけれど、セリフがほとんどなく歌で物語がつながっていく。これも、個人の好き嫌いがわかれる要素な気がする。フレンチミュージカルは、セリフに曲が付いているというより(BroadwayやWest Endのミュージカルはどちらかというとこういう印象が強い。)、曲は曲として成立しているので、セリフをしゃべってたと思ったら突如歌を歌いだした、みたいな感じがあんまりない気がする。でも、その分、登場人物の繊細な心の動きや詳細な説明みたいなもののウェイトはかなり低くなっているような気もしなくもない(そういう意味でShowの要素が強いかな。)。

あと、これは余談になってしまうけど

・ 意外とつっこみどころが多い
例えば、マキューシオがティボルトに刺されたにもかかわらず、熱唱しつつかなり生きながらえながら死んでいくところとか。(ティボルトはあっさり死んじゃうのにね。)。でも、こういうちょっとしたつっこみどころも自分としては、かなりツボで好き(というとよく不思議がられる笑。)。

そして、ところどころ、NHKの語学講座で勉強したフレーズが、聞き取れたこともうれしかったことの一つ。(ただ、書き出してから、どう考えても、R&Jのときには知らなかったフレーズもあるので、後々ラジオ講座を復習するうちに、これR&Jに出てきたじゃん?!というようなことになったものも混じってしまっていると思う。)。

"Ne me regardez pas comme ça." (「そんな風に俺をみないでくれ。」"C'est Pas Ma Faute ")
→まったく同じフレーズがテキストに出ていたが、脈略もなく例文としてテキストに登場していたので、未だになぜあの例文だったのか謎。。。これを日常で使うことってかなり稀というか、どんなシチュエーションよ?!と思わず考えてしまった苦笑。

"Ne compter plus sur mon pardon! "(「私の赦しをこれ以上あてにするな。」Princeの冒頭のセリフ。)→compter surという表現を2日くらい前に聞いたばかりだった記憶。英語のDon't count onと同じ使い方をするんだ、とちょっと驚き。

"J'adore femme!"(「女が大好き。」ベンヴォーリオの自己紹介のセリフ)
→超フランス語っぽいセリフ。。。短くてわかりやすいこともあるが、ベンヴォーリオ役のStephane Nevilleの女大好きなのさ!みたいな言い方が妙に記憶に残ってしまった。

"Comment lui dire" (「彼にどう言おう(伝えよう)。」)
→歌のタイトルでもあるけど、リフレインされていて、dire à 人が頭に刷り込まれた笑。


"J'ai peur" (「私は怖い(恐れている)。」)
→これも曲のタイトルだけれど、こちらも何度もリフレインされていてpeurのちょっと難しい発音が頭に焼きついた。。。

終わった時、本当に圧倒された。映像で見たものと同じものとは思えない迫力があった。
でも、1回目の観劇は、字幕を追いながらということもあり、 いろいろ見落としたり、イマイチ曲が理解できずに終了してしまったため、良かったけどなんか消化不良。。。みたいな状況だった。

というわけで、1週間後ぐらいに、仕事帰りにいてもたってもいられず(笑)、1人で再び鑑賞に行ってしまう(人生初の舞台リピート。)。席がこのときは初回より前だったので、さらに舞台の迫力が増す。そして、このときは時間が夜だったこともあり、さらに光の印象が強く感じられた。そして、どこがダンスや歌の見せ場かどうかも既にわかっているので、前回見落としてしまった点もしっかり見ることができた。


この回には、ジュリエットのお父さん役の人のマイクトラブルが起き、意図せず、お父さん役のアカペラを聞くチャンスを得る(めっぽううまかった。。。)。こういった意味でも、舞台はやっぱりナマ物で、何度見ても同じものに出会うことがなく、見るたびに新たな発見をすることができるという楽しみに気づいてしまう。(歌手たちのコンディションも大きい。マキューシオ役のJohn Eyzenのコンディションが1回目と違い過ぎて、びびってしまった。お疲れなのか手抜き感がありありと見て取れた(苦笑))。

そして、もうこれでやめようと思ったのに、千秋楽が近付いてきて、もうしばらくこの舞台が見れないのかと思うと、すごくさびしい気分になり、またうっかり最終日2日前の公演を見に行ってしまう。このときはジュリエットが代役の人で、また新鮮な驚きを持って舞台を見ることができた。


財布にはもちろん大打撃ではあったけど、3回みたことで、「音楽」、「ダンス」、「物語」、「演出」と
さまざまな視点で見る面白さをこの公演を通して、知ることができた(そして、見れば見るほど、考え抜かれ、作りこまれた演出に感嘆させられた。)。

ただし、このときは、出待ちをしよう、というほどの発想は自分にはなく、オフィシャルに行われていた終演後のお見送りのみ参加(下記写真はそのときのもの。)。それでも、間近に舞台で輝いていたシンガーさんたちがいる、というのは本当に感激だった(しかも、フランス人の方々のMerciを聞けたのもちょっと感動(おのぼりさん過ぎ(苦笑。でも普段周りにフランスの方なんていないもので。))。
 



最後に観劇したときの写真。すごく懐かしい。。。    


そして、東京公演の千秋楽が終わり、本格的に、フランス語圏のミュージカルについて、興味を持ち、いろいろリサーチをしてしまう。当然気になるのが、「では、今、フランス本土ではどんなミュージカルをやっているのか?」ということ。

そこで、発見したのが、フランス革命をモチーフにした"1789 Les Amants de la Bastille"が9月からパリで開演という情報だった。しかも、プロデューサーは、"Roi Soleil"や"Mozart l'Opera Rock"でも大成功を収めたAlbert CohenさんとDove Attiaさん。。。

パリで遠征なんてこれまた全く考えていなかったけれど、R&Jの映像を見ても、やっぱり現地のオーディエンスの熱さは、海外公演とは比較にならず、本場でミュージカルを見てみたいという思いが沸々と湧いてきてしまう…。

(3)につづく…
 

はじめまして。

はじめまして。

自己紹介欄にも略歴は載せてありますが、とりあえず、ご挨拶させていただきます。

1年前まではブログを自分が始めようとは夢にも思っていませんでした。
そして、フレンチ・ミュージカルやフランス語がこんなにも自分の生活の一部になるとも思っていませんでした。(そもそも、性格的に、リピート、出待ち、追っかけなんて、すごいなーぐらいに遠巻きに見ていたタイプでした(苦笑))。

でも、フレンチ・ミュージカル(特にノートルダム・ド・パリ)をきっかけにして、いろいろなことを感じ、いろいろな人に会い、今まで非常に狭かった自分の世界が少しだけ広がった気がしました。

基本的にアナログ人間な自分は、FBをたまに更新するぐらいで(しかも、誰かに公開するというより、どちらかというと日々の出来事の備忘録という位置づけでした。)あまり、発信するということは視野にはなかったのですが、自分ひとりでいろいろ考えるのもおもしろいけれど、日々思うことを発信、そして、運が良ければほかの方と共有することができればもっとおもしろいのではないかと思うようになりました。

ふと、思い立ってブログを始めてしまったので、方向性があまり定まっておらず恐縮ですが、このブログでは主に、フレンチミュージカルのこと、フランス語についてを中心に自分が日々感じたことを書き綴っていければと思っています。(でも、趣味の写真等、ほかのこともちょいちょいUPするかもしれません。。。)

※お断り※

フランス語について…
自身フランス語の勉強はしてはいますが、いかんせん、初級者です。。。
しかも、勉強と言っても、フォーマルなものではなく、独学のため、フランス語について、不正確/不適切な部分もあるかと思います。お気づきの点がありましたらご指摘いただけると幸いです。

フレンチ・ミュージカルについて…
「ファン」を名乗ってはいますが、実質ファン歴は2012年10月に見たRomeo et Julietteからなので、本日(2013年9月22日)現在で、1年経ってないぐらいです。=その道のエキスパートとは程遠いです。映像も見たりはしているものの、長年のファンの方たちからすれば、全然ひよっこです。その点、ご了承ください。。。

ブログ初心者で、まだまだ右も左もわからない状態のため、至らぬ点もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いします。

2013年9月21日土曜日

Mon histoire (1)

とりあえず、このブログを始めることになったいきさつ+αを…

Là où tout commence ~すべてはここからはじまった~

ことの始まり。
始まりの始まり、というか、フランス語を始めたそもそもの理由は、仕事でフランス語の単語をカタカナにする必要があり、今まではフランス語ができる人に毎回聞いていたものの、それが面倒になってきたので、いっそ自分で覚えてしまえばいいと思ったからだった(単なるイラチ。)。

あと、フランス語→英語になった文章を日本語に訳すというようなこともしていたので、ときどき出現するフランス人が作った意味不明な英語を理解するのに、文法がわかったら結構理解の助けになるのでは、と思ったことがきっかけだった(最近ではこの至極まじめな動機がすでに薄れつつある…。)。

大学で二外をすっ飛ばした自分は、フランス語のイロハもわからないので、とりあえず、NHKの語学講座のテキストを買った(ありがち。)。

これが2011年10月のこと。しかも、昔から、フランス語には妙な偏見があり、「あの鼻持ちならない言語」、ぐらいにしか思っていなかった(爆)。(むしろ、ドイツ語のほうが自分は好きで、ドイツ語を一時期趣味でちょっと勉強していたくらい。)

そんな覇気のない感じで始めたにもかかわらず、意外にも始めてみると、結構楽しい。
というのも、英語の難しい単語とフランス語の単語とでは、結構似たような単語が多く(これはフランス語由来の単語が英語にいっぱいあるから当然のことではある。。。)、文法がわからなくても、とりあえず、わかる単語がちらほらあるので、意外と難しい文章でも、何となく理解できる部分があったりする。自分が知っているボキャブラリーを新たな言語に活かせるというのはとてもラッキーだった。

大学時代、語学学習について、みたいな授業を取っていたことがあり、そのとき、初級者のフラストレーションの一つが、学ぼうとする言語で理解&表現できることが自分の母語での知的レベルには見合わないことが多く、自分が表現したいことがうまく表現できなかったり、理解できなかったりすることだということを聞いた。(早い話、自分がわかるのは3歳児レベルの言葉なんだけど、実際に知りたいのは新聞記事の内容だったりして、イライラするみたいなこと。)。

だから、どんなに小さな部分でも、自分の知りたいこと(=知的レベルに見合った内容のもの)が少しでも「わかった!」という気分になると、何とも言えない充実感があった。

こんな気分を味わったのは、英語を勉強し始めた中学生以来のことだった。中学生のとき、それまで、すべてが単なる音の連なりであった英語がある日意味をもった「ことば」になったとき、何ともいえない感動を覚えたことをふと10年以上ぶりに思い出した。(ある意味「ヘレン・ケラー」体験笑。)

新しい言語を学ぶと、単にその言葉を学ぶだけではなくて、その言葉の持つ精神世界というか、世界観みたいなものに触れることができるといつも自分は思っているけど、久々にそのことを実感を持って感じることができた。大仰に言えば、フランス語を学ぶことで、フランス語でしか見えない世界が、自分の前に現れるみたいな感じ(この感覚はいつも言葉で表すのが難しい。)。

といっても、フランス語を仕事でバリバリ使おう!とかそういった感じではなかったので、フランス語への取り組みもこの時点では、そこまで真剣ではなかった(汗)。。。珍しく6ヶ月間ちゃんと番組を聴いてはいたものの、êtreやavoirの活用すら最後の段階でも実はまともにできていなかった(爆)。

そして、2012年の1月の元旦。

新聞を広げると、新たにできるシアターオーブのこけら落とし公演として、ずっと見てみたかった憧れのWestside Storyが上演されるという告知が載っていた。高校のとき、ブラスをやっていて、WSのメドレーをやって以来、音楽も映画版も大好きだったあのミュージカル。その舞台が見れる!と思うと心が躍った。

そして、何の気なしに隣を見ると、Roméo et Julietteの告知が。そもそも、R&Jがミュージカルだったってことも知らなかったし(爆)、しかも、フランスから、と書かれていて、「え?ミュージカルってWest EndとBroadwayでしょ?」と浅はかな自分は思っていたので、謎だらけだった。でも、フランス語を始めてちょっと経っていたし、いい機会だからこちらも見てみようと何の気なしに思ってみた。

とりあえず、何もわからないので、いつものようにネットで検索をしてみる。
そして、"Aimer(エメ)"の映像を発見する。

R&Jといえば、まず思い浮かぶ"Aimer"。メロディーラインが美しく、歌詞がわからなくてもすごい引き込まれた。これは、一見の価値がある、と確信する(単純)。

公演自体は10月だったのでまだまだ先だったが、FBでR&Jのアカウントを拾ったり、出演者について調べたり、映像を見たりして、とりあえず情報集めだけはしていた。

そして、話は戻って、Westside Storyの公演を千秋楽の日に観劇する。
感想は、予想に反して、「がっくり」。
これは、自分でも本当に意外だった。

多分、自分が映画版が大好きすぎたのと、ベルナルド役のジョージ・チャキリスのイメージがあまりに強すぎたからだと思う。
映画版は当然、NYの街のロケやそれを模した巨大なセットの中でやるわけで、かなりのリアリティーがあるのに対して、舞台は空間の制限があるので、当然、セットはデフォルメされる(というか、そのデフォルメがむしろ舞台の醍醐味。。。)。そこがどうにもしっくりいかず、俳優さんたちの歌は絶品だったにもかかわらず、物語に入り込むことができなかった。

ここで、がっかりしてしまったため、R&Jへの期待も実は、このときちょっと萎んだ。(しかし、この期待の薄さが結局のちのち功を奏したような気もする。)。

(2)につづく…