2013年9月22日日曜日

Mon histoire (2)


Rencontre avec R&J  ~R&Jとの出会い~

そして、時は飛んで、10月。
5月にプロモも兼ねたR&Jの来日イベントもあったけど、何分Westsideのトラウマが強すぎて、、、応募する気にならず、とりあえず、"Aimer"と"Les rois du monde"と"Le Chant de l'Alouette"ぐらい予習して(かなりやる気なかった(苦笑))、友人と渋谷のシアターオーブに向かう。

映像で見て、「すごい!」と感動したロミオ役のDamien Sargueが不参加というのも結構大きかった(しかも、この後、DamienはR&Jには戻らない、とのことで、もう彼のロミオは見れないらしいorz...)。

そして、幕開け。

作詞・作曲を担当したGérard Presgurvicさんのダンディすぎるナレーションと美しい「死」の舞が終わったと思ったら、 赤と青の印象的なlightingが。Lightingでこんなにもかっこよく、観客の期待値を上げられるものなんだと舌を巻いた。


R&Jの大好きなオープニング。この始まりだけでテンションが上がる。 

そのあと、"Verone"で、ノリノリの音楽で観客を引き込み…。と細かく書くときりがないが、とにかく、驚いたのは、

・ 光の使い方(前述のとおり)、

・ ダンス 
フランスのミュージカルは、歌手とダンサーの分業制を取っているため、ダンサーはその道に専心している方たちということで、ダンスのクオリティーが高いことが多いそう。

・  
メロディーの美しさはもちろん、フランス語独特のちょっと皮肉っぽいところや清純派ではないラブ・ストーリー、哲学っぽいところ等が歌詞にふんだんに盛り込まれていた。
歌手の人たちも常にミュージカルで活躍、というより、普段は、歌手や女優で活躍している人たちなので、Broadwayなどの舞台俳優さんたちとはちょっと雰囲気が違う気がする。。。
あと、On Dit dans La Rue などミュージカルというより普通のポップ?みたいな曲もあったりする。

・ ダンスと歌が同時並行で盛り上がっているので、ときどきどこを見ていいか悩む。
これは、上記の分業にも関わることだと思うけど、歌手が素敵に歌を歌いあげている横で、これまたクオリティーの高いダンスが披露されていて、全部の行動が追いきれない。。。これは人によっては、注意が散漫になってしまってまとまりがないと見えてしまうかも。私個人としては、見どころがいっぱいあって、楽しいと思うのですが。

・ 本当にセリフが少ない。
これもよくフレンチミュージカルの特徴と言われるけれど、セリフがほとんどなく歌で物語がつながっていく。これも、個人の好き嫌いがわかれる要素な気がする。フレンチミュージカルは、セリフに曲が付いているというより(BroadwayやWest Endのミュージカルはどちらかというとこういう印象が強い。)、曲は曲として成立しているので、セリフをしゃべってたと思ったら突如歌を歌いだした、みたいな感じがあんまりない気がする。でも、その分、登場人物の繊細な心の動きや詳細な説明みたいなもののウェイトはかなり低くなっているような気もしなくもない(そういう意味でShowの要素が強いかな。)。

あと、これは余談になってしまうけど

・ 意外とつっこみどころが多い
例えば、マキューシオがティボルトに刺されたにもかかわらず、熱唱しつつかなり生きながらえながら死んでいくところとか。(ティボルトはあっさり死んじゃうのにね。)。でも、こういうちょっとしたつっこみどころも自分としては、かなりツボで好き(というとよく不思議がられる笑。)。

そして、ところどころ、NHKの語学講座で勉強したフレーズが、聞き取れたこともうれしかったことの一つ。(ただ、書き出してから、どう考えても、R&Jのときには知らなかったフレーズもあるので、後々ラジオ講座を復習するうちに、これR&Jに出てきたじゃん?!というようなことになったものも混じってしまっていると思う。)。

"Ne me regardez pas comme ça." (「そんな風に俺をみないでくれ。」"C'est Pas Ma Faute ")
→まったく同じフレーズがテキストに出ていたが、脈略もなく例文としてテキストに登場していたので、未だになぜあの例文だったのか謎。。。これを日常で使うことってかなり稀というか、どんなシチュエーションよ?!と思わず考えてしまった苦笑。

"Ne compter plus sur mon pardon! "(「私の赦しをこれ以上あてにするな。」Princeの冒頭のセリフ。)→compter surという表現を2日くらい前に聞いたばかりだった記憶。英語のDon't count onと同じ使い方をするんだ、とちょっと驚き。

"J'adore femme!"(「女が大好き。」ベンヴォーリオの自己紹介のセリフ)
→超フランス語っぽいセリフ。。。短くてわかりやすいこともあるが、ベンヴォーリオ役のStephane Nevilleの女大好きなのさ!みたいな言い方が妙に記憶に残ってしまった。

"Comment lui dire" (「彼にどう言おう(伝えよう)。」)
→歌のタイトルでもあるけど、リフレインされていて、dire à 人が頭に刷り込まれた笑。


"J'ai peur" (「私は怖い(恐れている)。」)
→これも曲のタイトルだけれど、こちらも何度もリフレインされていてpeurのちょっと難しい発音が頭に焼きついた。。。

終わった時、本当に圧倒された。映像で見たものと同じものとは思えない迫力があった。
でも、1回目の観劇は、字幕を追いながらということもあり、 いろいろ見落としたり、イマイチ曲が理解できずに終了してしまったため、良かったけどなんか消化不良。。。みたいな状況だった。

というわけで、1週間後ぐらいに、仕事帰りにいてもたってもいられず(笑)、1人で再び鑑賞に行ってしまう(人生初の舞台リピート。)。席がこのときは初回より前だったので、さらに舞台の迫力が増す。そして、このときは時間が夜だったこともあり、さらに光の印象が強く感じられた。そして、どこがダンスや歌の見せ場かどうかも既にわかっているので、前回見落としてしまった点もしっかり見ることができた。


この回には、ジュリエットのお父さん役の人のマイクトラブルが起き、意図せず、お父さん役のアカペラを聞くチャンスを得る(めっぽううまかった。。。)。こういった意味でも、舞台はやっぱりナマ物で、何度見ても同じものに出会うことがなく、見るたびに新たな発見をすることができるという楽しみに気づいてしまう。(歌手たちのコンディションも大きい。マキューシオ役のJohn Eyzenのコンディションが1回目と違い過ぎて、びびってしまった。お疲れなのか手抜き感がありありと見て取れた(苦笑))。

そして、もうこれでやめようと思ったのに、千秋楽が近付いてきて、もうしばらくこの舞台が見れないのかと思うと、すごくさびしい気分になり、またうっかり最終日2日前の公演を見に行ってしまう。このときはジュリエットが代役の人で、また新鮮な驚きを持って舞台を見ることができた。


財布にはもちろん大打撃ではあったけど、3回みたことで、「音楽」、「ダンス」、「物語」、「演出」と
さまざまな視点で見る面白さをこの公演を通して、知ることができた(そして、見れば見るほど、考え抜かれ、作りこまれた演出に感嘆させられた。)。

ただし、このときは、出待ちをしよう、というほどの発想は自分にはなく、オフィシャルに行われていた終演後のお見送りのみ参加(下記写真はそのときのもの。)。それでも、間近に舞台で輝いていたシンガーさんたちがいる、というのは本当に感激だった(しかも、フランス人の方々のMerciを聞けたのもちょっと感動(おのぼりさん過ぎ(苦笑。でも普段周りにフランスの方なんていないもので。))。
 



最後に観劇したときの写真。すごく懐かしい。。。    


そして、東京公演の千秋楽が終わり、本格的に、フランス語圏のミュージカルについて、興味を持ち、いろいろリサーチをしてしまう。当然気になるのが、「では、今、フランス本土ではどんなミュージカルをやっているのか?」ということ。

そこで、発見したのが、フランス革命をモチーフにした"1789 Les Amants de la Bastille"が9月からパリで開演という情報だった。しかも、プロデューサーは、"Roi Soleil"や"Mozart l'Opera Rock"でも大成功を収めたAlbert CohenさんとDove Attiaさん。。。

パリで遠征なんてこれまた全く考えていなかったけれど、R&Jの映像を見ても、やっぱり現地のオーディエンスの熱さは、海外公演とは比較にならず、本場でミュージカルを見てみたいという思いが沸々と湧いてきてしまう…。

(3)につづく…
 

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