2014年1月17日金曜日

NDP シンガポール公演 インタビュー映像(演出家: Gilles Maheuさん②&プロデューサー:Nicholas Talar さん)

Gilles Maheu (Director) Interview Part 2

ジル・マウさんのインタビュー第2弾。こちらは、舞台を知っている人にとっては、既知情報がほとんどだけど(ジルさんが、見たことない人に向けて、NDPをアピールしている映像なので。)ジルさんの口から改めて聞くのはけっこうおもしろいかなと思いました。


http://www.youtube.com/watch?v=U9dgjF8CQZA&list=UUmBXtTz7K-Mqekm4HlUN5Gw&feature=c4-overview

ジルさん、ほんとにNDP好きなんだなっていうのがわかる映像な気がします。
ただ、ジルさん、英語がときどきちょっとわかりづらいところがあり、私の解釈をちょっと反映している部分もあります…。


「愛を知らない人なんているでしょうか?」と微笑むジルさん。
大好きです^^そして、後ろに、Offなロベールさんがチラリ笑。
 
こんにちは。私は、ジル・マウです。ノートルダムドパリのミュージカルの演出をしています。
 
私は、この作品を1998年にパリのパレデコングレで演出、創作しました。というわけで、今年(2013年)は15周年の記念の年にあたります。私はこのショーが大好きです。なぜなら、15年経った今でも歌(とアクロバット)の融合、(歌自体が(?)で、難しいのですが、)アクロバットがあり、そして歌があるというスタイルのパフォーマンスは、ショーをよりパフォーマンス性が高いものにし、また社会的内容をアクチュアルな(現実の問題に深く関連付けられた)ものにしています。

→ちょっと日本語がごちゃっとしていますが、、、多分、ジルさんは、歌、アクロバット、ダンス、というのが総合芸術としてうまく融合しているところにこの舞台の素晴らしさがあると言いたいのではないかという気がします。何度見ても確かに飽きないんだよなあ。あと、私が大好きな(笑)、この物語の社会性についてもちょっと言及してらっしゃいます。
 
(ミュージカルの)ノートルダムドパリは800ページにわたるヴィクトル・ユーゴーの小説「ノートルダムドパリ」を基にしていますが、作詞家のリュック・プラモンドンは主要人物はそのままにしつつ「ラブストーリー」を作り上げました。それが、このストーリーの大枠(resume)です。司教、モンスター(→とジルさんが言ってるので。。。)で障害がある醜い人であるカジモド、王子(→ジルさんはprinceと言っているけど、実際には衛兵のはず…。)であるフェビュスの3人がジプシーの少女であるエスメラルダに恋をするラブストーリーです。

→なんかこういってしまうと単純なラブトライアングル話に聞こえなくもないけど、、、まあイントロダクションなので仕方がないか。。。でも、本当にNDPを一言で表すならば「愛」の物語だろうなー。


物語の核となる三角関係ならぬ四角関係。
このトライアングル、じゃないスクエアが
悲劇を招きます。悲しいけれど、美しい愛の物語。
(って感じで日本では宣伝されてた気が、笑。)
 

そして最後には"Fatalité(ファタリテ)"、悲劇的な運命、死(?)で終わります。これはラブストーリー、とても感動的なラブストーリーです。決して小難しい話ではありませんよ。恋をしたことがあれば、愛と言うものが何であるかを知っている人には、そして、愛を知らない人なんているでしょうか、愛は2人の人間の芸術の物語(story of the art )なのです。みなさん、ラブストーリーは好きでしょ?

→最後のいたずらっぽい笑みを浮かべるジルさんにきゅんときちゃいました笑。本当に、この物語はいくつもの「愛」の形が一つの物語に凝縮されているよくできた物語だと思います。

Nicholas Talar (Producer) Interview

次は、プロデューサーのニコラ・タラーさんのインタビュー。彼のインタビュー、初めて見ました。
これも、劇を実際に見たことがある人には既知の情報だけど、NDPが未だに15年経た今でも同じ反応が返ってくる、というのは、やはり、その魅力が色褪せない証拠なのかなと言う気がします。

http://www.youtube.com/watch?v=DxjL7SH6gKw&list=UUmBXtTz7K-Mqekm4HlUN5Gw

日本の公演のときも確かいらっしゃってたニコラさん。
プロデューサーという仕事柄か、冷静に分析する感じが何となく素敵。

こんにちは。ニコラ・タラーです。ミュージカル・スペクタキュラー「ノートルダムドパリ」のプロデューサーです。

ノートルダムドパリのことを、「ミュージカル」と私たちは呼びません。「ミュージカル・スペクタキュラー」と呼んでいます。なぜならみなさんが普段劇場でご覧になるミュージカルとはちょっと違っているからです。

 
 
ノートルダムドパリはすべて歌です。セリフは一切ありません。7人の歌手、7つの役があります。彼らはずっと劇の最後まで歌い続けます。曲はリシャール・コシアンテによって作曲されていて、これらはみな胸を打つ力を持った曲ばかりです。歌手の人たちにとっては大変なんです。ですから、ノートルダムドパリのキャスティングも大変です。


15年間同じショーをやってきましたが、未だに世界中の観客から同じリアクションが返ってくるんです。中国、韓国、フランス、ベルギー、カナダ、アメリカ、みな同じ反応なんです。まず、物語に感動し、そして、音楽に感動し(メロディーがとても印象的ですからね、そして、観客は、歌詞の意味について考えます(話題にします。)。単に物語が語られるのではなく、さらにその背景となる物語、これが観客の方々にとってはとても感動的なものなのです。そして、アクロバットやダンスについても反応を示してくれます。15年経ってさまざまな変化がありますが(?ここが聞き取れない…。)観客からの反応は今でも同じなのです。


→ニコラさんが言う「behind the story(裏にある物語)」っていうのは、すごく言い得て妙だと思いました。NDPって、見てる間だけじゃなくて、見終わった後も、物語や歌を思い出しながら、これってどういう意味なんだろう?って常にその背景を考えている自分がいました。さながら、スルメ(笑)。あとから、さらに味わい深くなる。。。

例えば、異教徒であるエスメラルダが教会で祈るシーンがあるのはなぜなんだろう(エスメラルダがアヴェ・マリアの歌を歌うとき)、とか、衛兵役のアクロバットの人たちの衣装がなんで現代のSWAT隊員みたいな格好なのか、とか、Danse mon Esmeraldaの最後の歌詞、"Mourir pour toi n'est pas mourir(君のために死ぬことは死ではないのだ)"という一節、この「愛」って、本当に幸せと言えるんだろうか? とか。しかも、見てる人によっていかようにも解釈できる余地を残した構成が本当にすばらしいと思う。まさにイマジネーションを掻き立てられる!

そして、歌い続けられる歌手って探すの本当に大変そう^^;

Matt & Alessandra Interview

ついでにマットとアレッサンドラのスポットインタビュー。
http://www.youtube.com/watch?v=9WvKNaaew0k&list=UUmBXtTz7K-Mqekm4HlUN5Gw


よくこの二人、ペアでプロモしてる気が。
ナイススマイル。
この二人親子ぐらいの年の差があるはずなのですが、
あんまりそういう風に見えないのが不思議。

A(アレッサンドラ): これは、2人の「友達」のとっても純粋で正直な愛についての物語です。
→ちゃんと「友達」と言っているのがツボ。

M(マット): 最後のシーンでカジモドが死んだばかりのエスメラルダに向かって愛を叫びます。その瞬間はとても感動的だと思います。初めて恋に落ちたときの喜びの瞬間から、その最後の瞬間まで、ジェットコースターのように物語が展開するんです。

A: そう、感情のジャーニーなんです。全ての人生におけるあらゆる感情を見つけることができます。

M: 私が現在演じているカジモドは(15年前)最初に演じていた頃のカジモドとは大分違っています。私は700回以上ノートルダムドパリの公演に出演していますが、時を経て、いろいろ変化してきました。演出家のマウは、ほぼ毎日、変更を加えています(笑)。日々のコンディションでも変わってきますしね。そういったとても小さなディテールこそが、日々私を役に取り組みたいという気持ちにさせてくれます。ですからわたしにとっては、いつも(役作りは)「進行中」なんです。

→さすがに15年経って何も変わらないってことはないとは思っていたけど、結構昔とは違うのかな?曲順とかは変わったのは知っているけど、演出としてどう変わったのかってのはちょっと気になる。細かなディテールの違いこそが…というくだり、マットいいこというなあ。

A: 私自身、この役にすごく自分は近いと思います。

M: みんな君の後を追いかけているもんね(笑)
 
 
そうそう、追いかけたくなるのわかります 笑。
 
A: ある意味でね。

M: エスメラルダは美しいからみんな彼女のことを追いかけて、恋に落ちてしまう…(ニヤリ)

A: あはは。そんなに追いかけられたりはしてないけど(笑)。この役はすごく難しい役だと思いました。地に足に着いた役柄なので。私自身はその正反対でいつも自分の世界でフワフワと生きています。

→途中までマットにからかわれていることに気づいてないアレッサンドラ。かわいい笑。でも、彼女自身述べているように、本当にエスメラルダは彼女自身の一部なんじゃないかって舞台を見ながら思っていた。そして、アレッサンドラがエスメラルダを地に足に着いた人と表現していたのもちょっと意外だった。確かにVivreを歌う頃のエスメラルダは、もう自分の行く道がまっすぐ見えている、みたいな感じがするから、そういう意味でいっているのかな。

 以上、短いインタビュー3本でした。

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