劇場以外でも、テロ後すぐJe suis en terrasse(私はテラスにいます)というスローガンと共にテラスで食事をする写真がアップされるのをよく見かけた。こういう文化的な「日常」を守る静かなる(いや、むしろうるさい?(笑))抵抗こそ実はすごく大きな意味を持つのではないのかと思った。
さきほどあげた記事の中の映像インタビューで、"Ma place est dans la salle"のキャンペーンのアイディアというのは、"de rassurer le public et dédramatiser la situation(観客を安心させ、現状を深刻なものとはとらえないこと(drameは悲劇という意味もあるので、悲劇的に考えない、あるいは、もう以前の日常は取り戻せないと悲観視する必要はない、という意味だと思う。)と述べられていて、パリの「日常」の日を絶やしてはならないという思いがここからも伝わってくる。
で、、、実際に行った方によると、これ、本当にこんな感じで超至れり尽せりな対応だったそうです。あのアンチ・イングリッシュなフランスで(英語が全然通じないというわけではないとはいえ、やっぱり仏語優位は圧倒的。。。)!しかも、non French speakersの観客もこのサービスのお陰か、結構いたそうな。
そして、このサービス、フランス語がわからない or 聞き取りは難しい、でも英語がわかるというお客さんにとってはとってもうれしいサービスなのではないのでしょうか。舞台は、映画などの映像媒体と違って台本があるとはいえタイミングとかも微妙に毎回違ったり、調整がいろいろ大変そうですが、非仏語話者にとっては、大きな助けになりそうです。字幕はフランス語という言葉の響きの美しさ(これは仏ミューの醍醐味の大きな要素の一つだと個人的には思っている。)を残しながら、フランス語が十分に聞き取れない人にも理解できる手助けをしてくれるという意味でも本当に画期的なサービスだと思います。
日本の公演ではMozart l'Opera Rock、Roi Soleil、Starmania、Le petit Prince等からのナンバーもあったので、これらも披露されるのかな?日本では私の大好きなスターマニアの"SOS d'un terrien en détresse"がスキップされたのですが(自分からすると、フレンチミューガラコンでこれをすっ飛ばしたっていうのは驚愕だった。。。)、2013年のガラコンのときは、ブリューノさんが披露していたので、今回はひょっとしたら 披露されるかも。→メンバー的にきっとリシャールが歌う気がする(いつか見てみたい曲の取り合わせの一つ。。。)。
場所も先日ブリューノ(・ペルティエ)さんがソロコンをやったあの Kyung Hee University (慶熙大学校)のようでちとうらやましい。
そして、パリというかフランスはというと…今宝塚で絶賛公演中の1789 バスティーユの恋人たちのプロデューサーの一人であるDove Attiaさん(今回はいつもの相方のAlbert Cohenさんは別のミュージカルを公演中ということでアチアさんソロプロジェクトです。)がプロデュースする「アーサー王の伝説(La Légende Du Roi Arthur(ラ・レジョンドゥ・デュ・ロワ・アルチュール))」(FBページ→こちら)が絶賛プロモ中、、、という言い方も変なのですが、大型のフレンチ・ミュージカルはだいたい公演が始まる1年前くらいからプロモを開始し、公演の半年ぐらい前にCDを発売し、いざプレミア、のときはみんなで楽しく合唱する(笑)!のが習わしなので、今ちょうどプロモまっさかりの時期なのです。
今さら感が満載ですが、、、メインシンガーの配役は、以下のとおりです。
le Roi Arthur(アーサー王) : Florent Mothe
la Fée Morgane(モーガン・ル・フェイ) : Zaho
la Reine Guenièvre (グィネヴィア) : Camille Lou
Méléagant(マリアガンス) : Fabien Incardona
Lancelot(ランスロット) : Charlie Boisseau
1789でアントワネットを演じていたロクサーヌ・ル・テキシエの姿も。今回も引き続き王妃つながりでアンヌ・ドートリッシュ役に応募している模様。この役にはLe Roi SoleilでIsabelle役で出演していたVictoria Petrosilloも選考に残っているようです(ずいぶんと違うテイストだね笑。)。これまた1789でロベスピエールを演じていたセバスチャン・アジウスは、バッキンガム公ジョージ・ヴィリアーズ公で選考に残っているようです。他にもリシュリュー役、コンスタンス役が映像には出てきていました。
Cyril Niccolai, Joy Esther Official, Stéphane Neville, John Eyzen Officiel, Tom Ross, Gwladys Fraioli, Sebastien El Chato, Moniek Boersma, Jean Frederic Charter, Stéphane Métro, Brigitte Venditti。
去年パリに見に行ったLe Bal des Vampiresに出演していたモニークさん以外は、2012年の日本公演のときと同じメンバー。モニークさん歌とっても上手かったので、またお目にかかれたらちょっとうれしいなあ。と思いつつ、メンバーを見ていると、モニークさん、たぶん、ジュリエットママ役っぽいんですけど・・・。え?いいのか、これ。確かにジュリエットママは、美魔女な感じだけど、彼女は美魔女っていうほどの年齢の方ではないので、ジョイと並んだら姉妹にしか見えんのでは???と自分は思いました笑。
さて、第2弾は、Mistinguett, Reine des années folles(以下、Mistinguett。)のレポです。
(HP(フランス語)はこちら。オフィシャルfacebookページ(フランス語)はこちら。youtubeページはこちら。写真やバックステージ映像なども見れます。)
実は、今回の元々のパリ行きの目的は、このミュージカルを観に行くことでした。プロデューサーが前回の観劇旅行で観た1789 Les amants de la Batilleと同じアルベール・コーエンさん(今回はいつもデュオで製作を行っているドーヴ・アチアさんとは、離れて彼がソロでプロデュースを行っています。)だったこと、そして、時代がタイトルにもある通り、des années folles(黄金の20年代、平たく言うと華麗なるギャツビーの世界ですね。。。)ということで、内容的に大人向けになりそうと思ったのと、ファッションが結構好きな自分としては、衣装がすごく見てみたいというのが主な理由でした。
タイトルにもなっているミスタンゲット(Mistinguett)は実在したレヴューの女王と呼ばれた伝説の女性(Wiki(日本語))で、今回使用されている劇場であるカジノ・ドゥ・パリ(Casino de Paris)で公演を行っていたそうです。かなりご高齢になってからもずっと踊り続けていたという生粋の踊り子。
実際このミュージカルも、ミスタンゲットの一代記というよりも、Casino de Parisの劇場を中心にした、ミスタンゲットと彼女を取り巻く人々との人情劇といった要素の強い劇でした。というわけで、ある意味、Casino de Parisはこのミュージカルの主人公の一人(一つ)でもあるとも言えると思います。
客席案内係の人が、まず、黒いスーツでビシッと決めた、ちょい悪なおじさんたちでした笑。Casino de Parisは座席に席番号がないので、この劇場をよく知っていない人でない限り、自力で席を見つけるのは結構大変=おじさまたちに席を教えていただかないと、席にたどり着けません。このおじさまたち、テキパキと観客を席に連れて行きます。
2年前のPalais des Sportsのときもそうですが、このような客席案内係の人にはチップが必須というわけではないようですが、たいていの人はチップを渡しているようです 。でも、観察していると渡してない人もいたので、私も特にチップは渡しませんでしたが、だから愛想が悪くなるとか、そういったことは特になかったです。
ただ、これは外国人の自分に限ったことではなく、恐らく、ミュージック・ホールやレヴュー全盛期を知らないフランスの若者たち(Casino de Parisも当初は、レヴュー専用の劇場だったようですが、レヴューの人気に翳りが出てきたため、レヴューをやる劇場としての役割は今はなくなり、現在は、もっぱらコンサートや今回のようなミュージカルの会場として使用されているようです。(Casino de Parisの歴史(フランス語)→こちら)。というわけで、若者たちにとっても、ミスタンゲットやミュージックホールの煌びやかなレヴューというのは、未知の世界なのだと思います(フランス語学校の先生をやっている女の子にミスタンゲットについて話してみましたが、誰それ?って感じでした。あと、日本に帰ってから現地の人の観劇感想録をちょろちょろ読んでいたのですが、やはり休憩中にスマホでミスタンゲットってどんな人なのか調べた(笑)、と書いている人がいました。 )。
ミュージカルで使用されていた楽曲ですが、ミスタンゲットが当時歌っていた曲("Mon homme"、"C'est vrai"、"Ça c'est Paris"、"Je cherche un millionnaire")も含まれていましたが、オリジナルの曲も結構たくさんありました(登場人物に架空の人物が混じっているということもあるのだと思うのですが。)。
オリジナルがある曲は"C'est vrai"や"Ça c'est Paris"はわりとオリジナルに近いアレンジだった気がしますが、"Mon homme"は、オリジナルのシャンソンらしさを残しつつもちょっと現代風のアレンジ、"Je cherche un millionnaire"もかなりjazzyな仕上がりになっていました。
文庫本はリシャール同様すごく喜んでくれて、現代のランボーだと自分が勝手に思っている(爆)、ケベコワ映画監督のグザヴィエ・ドランの今年のカンヌでの審査委員賞受賞時のスピーチの引用("Tout est possible à qui rêve, ose, travaille et n'abandonne jamais")を書いておいたら(アルノーさんが、以前、このスピーチをFB上で絶賛していたこともありますが、自分もこのスピーチにすごく感動したので、今回引用してみました。)そのことをすごく喜んでくれて、この話でちょっと盛り上がりました。予想以上に喜んでいただけたみたいで、これはすごくうれしかったです。
書いてもらった歌詞がこちら。 "C'est Charleville, C'est mon soupir C'est avec elle que je m'ennuie Je veux l'oublier et partir Etre poète... mais à Paris." シャルルヴィルに飽き飽きしたランボーがこんな街を出て、パリに行って 俺は詩人になりたいのに、と溜め息をつく、という内容の詞 だそうです。 字が汚くてごめんねー。とおっしゃってましたが、 ヨーロピアンの中では全然汚いの範疇に入らない気がする笑。
最後の方になって、そういえば、質問準備してくれていたんだよね?と聞かれて、もぞもぞとi pod touchを取り出して、質問のメモを見てもらうと(実は、1年ほど前に、リシャールにプチインタビューをしていたときに、アルノーさんにもいくつか質問を送っていたのですが、結局そのままになっていました。でも、アルノーさんはそのことも覚えてくれていて、「そういえば、僕その質問答えていなかったよね?」と言及してくれて、ちょっと驚きました。)、メールで送ってくれたら、答えるよ、とおっしゃって下さったので、また後ほどリストを送ることになりました。というか、私があまりにフランス語が下手過ぎて、「書いた方が(話すより)きっといいよね?」と言われました。→リシャールと同じ展開(爆)。ちゃんと時間をとって書くから、とおっしゃって下さいましたが、なんだかすごくお忙しそうなので、運が良ければ、、、と思っています。
旅行客としては、街並みもきれいだし、ムーズ川の湖畔は、冬なので若干寒々としていましたが、夏などに歩き回ったらかなり心地良さそうな感じでした。たぶん、Marché de Noël などがやっている時期は夜もかなり美しい街だと思います。ですが、ここで生まれ育ったとしたら、、、多分ランボーでなくとも退屈だったろうなあ=パリに出たいと思うだろうなあとは思いました。ただ、あまりに静かでこじんまりとした街だったので、こんな地味な街(という表現が正しいかはわかりませんが。。。)からあんなextrêmeなぶっ飛んだ考え方をする詩人が現れるというのが、個人的に意外というか、ちょっとしたギャップのように思えました。
個人的に一番印象に残ったのは、La maison des Ailleursかなあと思います。ここが、現代アートの展示場になっていることは事前に知っていたのですが、実際行ってみると、おー、という感じでした。部屋によって赤だったり、緑だったり、テーマカラーのようなものがあって、部屋の内部にはランボーの詩作の音読がこだまし、壁にはプロジェクターで作品の文が写されていました。一応、部屋一つがランボーの人生のある時期に関する説明になっていて、その説明のすごく小さなプラカードが置いてありました。