2014年12月15日月曜日

En quête des traces de Rimbaud vol.2 - Rencontre avec Arnaud 〜アルノーさんとの出会い〜 

前回のシャルルヴィル探訪からのつづき。

ランボーの足跡を求めて、シャルルヴィルに向かった次の日。
ついに、リシャール(・シャーレ)とRimbaud Spectacle Musicalを一緒に製作した、作詞家のアルノー(・ケラン(Arnaud Kerane))さんにお会いすることができました。

リシャールに10月のフレンチ・ミュージカル・ガラコンのときに書いてもらった
"Vitalie"の歌詞と一緒に写真を撮らせてもらいました笑。
素敵な笑顔^^
■ アルノーさんとrencontre

アルノーさんにお会いする予定だった日は結局、アルノーさんに会うまでアパルトマンで準備をずっとしていたため、観光は夜景を撮ったぐらい笑になってしまいました。もったいないといえばもったいない使い方でしたが、(しかも、準備して頭にいれていたことは、結局あまり役に立たなかった。。。)まあ仕方ないかなあと今になっては思います。

お話を伺ったカフェ。クリスマスの飾りがついていてきれいだった。
マレ地区のカフェで待ち合わせをしたのですが、いやはや緊張しました。待ち合わせ時間ほぼぴったりに着いて、周りをきょろきょろしていると、youtubeで何度も見た(笑)アルノーさんが目の前に。アルノーさんも、FB上で私の写真を見てくれていたからか、私にすぐ気づいてくれました。リシャールのときと同様、Ca va?とまず聞かれました。会えてうれしいよ、と言ってもらいちょっとほっとしました。youtubeよりも、ハスキーな感じの声で、かっこよかったです。。。

話始めの定番としてまずプレゼントを渡しました。いろいろ何にしようか迷ったのですが、結局、クリスマス仕様の雪だるまの落雁と、ランボーの文庫本(1年前リシャールにソウルガラコンのときにプレゼントしたものと同じもの)という至ってシンプルなプレゼントにしました。

文庫本はリシャール同様すごく喜んでくれて、現代のランボーだと自分が勝手に思っている(爆)、ケベコワ映画監督のグザヴィエ・ドランの今年のカンヌでの審査委員賞受賞時のスピーチの引用("Tout est possible à qui rêve, ose, travaille et n'abandonne jamais")を書いておいたら(アルノーさんが、以前、このスピーチをFB上で絶賛していたこともありますが、自分もこのスピーチにすごく感動したので、今回引用してみました。)そのことをすごく喜んでくれて、この話でちょっと盛り上がりました。予想以上に喜んでいただけたみたいで、これはすごくうれしかったです。



その後、リシャールに"Vitalie"の歌詞を書いてもらった「ヴィタリー」の本をお見せしました(冒頭の写真。)。アルノーさんはFBで既にこの本のことを知って下さっていたので、サインページを見るとアルノーさん笑顔に^^「リシャールは、兄弟みたいなんだよ」、とアルノーさん言っていたのですが、まさに同じフレーズを日本で会ったとき、リシャールも言っていて、二人本当に兄弟みたい、と心の中で自分は爆笑していました。FBに載せたらちょっと面白いかもね、ということで、リシャールが書いてくれたページとアルノーさん、という写真を撮りました笑。

せっかくなので、アルノーさんにも何か書いてもらうことにしました(というかそのために本を持参した笑。)。何がいいかなあ、とちょっと考えていたアルノーさんですが、結局、今回私が、シャルルヴィル巡りをしたこともあって、Charleville mon soupir(シャルルヴィル、僕の溜め息)の歌詞を書いてもらうことになりました。そしてリシャールのときと同様、この瞬間もぱちり笑。でも、こうして、日本、ケベッックのリシャール、パリのアルノーさん、とこの本を通じて一つになった気がして、ちょっと感動的でした。

Paris-Québec-Tokyoがこの本でつながりました。
何だかこれは胸にジンときました。
書いてもらった歌詞がこちら。
"C'est Charleville, 
C'est mon soupir
C'est avec elle que je m'ennuie
Je veux l'oublier et partir
Etre poète... mais à Paris."
シャルルヴィルに飽き飽きしたランボーがこんな街を出て、パリに行って
俺は詩人になりたいのに、と溜め息をつく、という内容の詞
だそうです。
字が汚くてごめんねー。とおっしゃってましたが、
ヨーロピアンの中では全然汚いの範疇に入らない気がする笑。
"Charleville mon soupir"
書いてもらった部分はこの歌のサビの部分です。

その後は、私のパリでのあれこれ等の雑談もしていたのですが(というか大半がそうだった爆。自分が、曖昧なお願いをしていたことが大きいのですが。)、その他のおもしろかったことについてまとめると、

・シャルルヴィル巡りの話
小さくて静かな街だと思った、と印象を言うと、どうしてランボーがこの街を脱出したくなったか、わかったでしょ?と言われました(素敵な街だけど、田舎町で退屈(笑))。あと、前述のランボーの家で歌を歌った話等のエピソードもお聞きしました。

・ランボーについて、
ランボーは天才だけど、同時にすごく傲慢で我が侭、そして、他人に自分がして欲しいことをさせるためにすごく悪賢い一面もあったと思う、とアルノーさんおっしゃってました。そして、ランボーの人生は、お母さんとの関係、ヴェルレーヌとの恋愛(当時としてはすごい話だよね、と)等々、すごくhumaineな話がいっぱいあるよね、と力説してくれました。この辺もリシャールが言ってたこととすごくよく似ている^^

・フランスのミュージカルについて
2年前に1789を見にパリに行って、セットや衣装、光等はすごくよかったけど、お話はめちゃくちゃだった、という話をアルノーさんにしたら、アルノーさん、フランスにはたくさんミュージカルはあるけれど、話が面白くないのが多いんだよね、とおっしゃっていました(リシャールと僕が、ランボーを題材に選んだのは、話がとっても面白かったからなんだともおっしゃっていました。)。また、ミュージカルはお金もたくさんかかるので、興行的に成功しないものもたくさんあり、作るのが大変なんだよね、という苦労話もしていました。この辺りも、リシャールと言っていたこととよく似ていました。



実は、アルノーさん自身について、どんな方だかあまり知らなかったので(爆)、どういったお仕事をしていらっしゃるのかも聞いてみました。彼は、作詞家で(本は1冊書いたことあるけれど、でもその他はみんな歌詞を書いてるんだよ、とおっしゃっていました。)、ミュージカル(ランボー以外にもフランスの作詞家についてのミュージカルも今、作っているそうです。)や他の歌手の方へ詞を提供しているそうです。

アジアの国にとても興味があって、日本もぜひ見てみたいんだ、とおっしゃていました。あと、話の成り行きで、ケベックについて話していたのですが、モントリオールを絶賛していました。やっぱりいつか絶対行こう、と心に誓った私笑。



最後の方になって、そういえば、質問準備してくれていたんだよね?と聞かれて、もぞもぞとi pod touchを取り出して、質問のメモを見てもらうと(実は、1年ほど前に、リシャールにプチインタビューをしていたときに、アルノーさんにもいくつか質問を送っていたのですが、結局そのままになっていました。でも、アルノーさんはそのことも覚えてくれていて、「そういえば、僕その質問答えていなかったよね?」と言及してくれて、ちょっと驚きました。)、メールで送ってくれたら、答えるよ、とおっしゃって下さったので、また後ほどリストを送ることになりました。というか、私があまりにフランス語が下手過ぎて、「書いた方が(話すより)きっといいよね?」と言われました。→リシャールと同じ展開(爆)。ちゃんと時間をとって書くから、とおっしゃって下さいましたが、なんだかすごくお忙しそうなので、運が良ければ、、、と思っています。



1時間ほどお話させていただいたのですが、自分が話下手ということもあり、ほとんどアルノーさんが、話を展開してくれていて、私はそのレールに乗っかってるだけでした。。。(社交性低し。。。)でも、すごく親切&細やかな配慮がある方で、「ガサツでエゴイスト(爆)」という私のパリジャン感が覆りました笑。本当にアルノーさんには感謝です。



途中で英語を話し始めてしまったり(汗)、、、あまりにひどいフランス語すぎて、(メッセの文章はよく書けてるよ、とアルノーさんにおっしゃってくださいましたが、あれは、私の力ではなくGoogle翻訳と、ひたすら検索して書いてる文章なのです、と告白するしかありませんでした苦笑。)自分で絶句&自分の至らなさを反省しましたが、それでも、今年の初めには妄想でしかなかった「アルノーさんに会ってフランス語でランボーについて話す。」という夢が叶ったのはすごくうれしかったです。今回、観光はほとんどせず、終わってしまいましたが、本当に唯一無二の思い出を作ることができました。そういう意味で本当に貴重な旅だったなあと思います。

いつか日本で会えたらうれしいなあー、とまた勝手に妄想笑。でも、きっとアルノーさん日本にいらっしゃったら、日本を気に入ってくれる気がします。またこの夢もいつか叶うといいなあ。

以上、今回のランボー関連のレポでした。

En quête des traces de Rimbaud vol.1 - Petit voyage à Charleville 〜ランボー探訪〜

実は、今回のパリ旅行の目的は2つあって、1つはもちろんフレンチ・ミュージカル観劇でした。が、実は、もう1つ大きなテーマがあり、それが、ランボーの生まれ故郷であるシャルルヴィルを巡ること、そして、ランボーのミュージカルをリシャール(・シャーレ)と共同制作したアルノー・ケラン(Arnaud Kerane)さんにパリでお会いして、ランボーのミュージカルについてお話を伺うということでした。

というわけで、今回は、シャルルヴィルでのランボーゆかりの地巡りのレポをしていきたいと思います。

Mont Olympeの前で。この橋でアルノーさんとリシャールは、
youtubeの映像を撮影していたみたいです。
なんだかその場所に自分がいることが不思議でした。
http://youtu.be/cPoz10q_At4
私が、ランボーのミュージカルについて
知るきっかけになったyoutube映像。
時期も多分同じぐらいだったのか、まさにこの風景が
自分の前に広がっていました。

■ そもそものことのなりゆき

今回のパリ行きのそもそもの目的はもちろん、フレンチ・ミュージカル鑑賞(当初は、ミスタンゲットとVampire。)でした。、ちょうど10月のフレンチ・ミュージカル・ガラコンが近づいている頃で、「ランボー」の曲はやるんだろうか、と考えていたら、そういえばランボーの生まれ故郷のシャルルヴィルってパリから行けるんじゃ?、と突然(爆)思い立ちました。で、調べてみたら、2時間くらいだったので、日帰りで行けるなと思い、これも旅程に加えることにしました。個人的に人でごった返す都会はあまり好きではないので、田舎に行けて(爆)ちょうどいいなと言う気持ちもありました。

初TGVに乗りました。快適。
で、そうだ、パリに行くんだったら、アルノーさんってパリジャンだったじゃない、とまた突然思い出し、もしかしたら、会ってもらえないだろうか、と夢物語みたいなことをふと思いつきました。

リシャールにもいつもダメもとでお願いをしているので、とりあえず、アルノーさんにもダメもとで、ランボーについてお伺いできる機会を設けてもらえないでしょうかと聞いてみました。我ながら、大胆、、、(っていうか普段絶対こんなことしない。。。)と思ったのですが、驚いたことにアルノーさんは、忙しいけれど、パリのカフェでちょっと話をするくらいなら喜んで、と快諾していただきました。。。

Charleville-Mézièresの駅。
大きくはないけれど、クラシックで素敵な駅でした。
確か、この最初の約束をしたのがちょうどガラコンの直前で、ガラコンのときに、リシャールに、アルノーさんにパリに会いに行くんだ、と言ったら、「アルノーはね、mon frère(兄弟)なんだよ。」ととってもうれしそうに話してくれました。

Musée Rimbaudの前にあるオブジェ。椅子一つ一つにランボーの
言葉が刻まれています。
で、その後、日にちを改めて設定してもらって、さて、手はずは整った、、、ということになったのですが、、、フランス語が(汗)(結局、これは、今後の課題にもなってしまったのですが。)。あー、そしてランボーの本をいろいろ読み終わってなかったり、なんと言うか準備不足のまま(そう、やるだけやってツメが甘いのです、私。)パリに旅立ちました。会う約束をしていた日はちょうどシャルルヴィルに行った次の日だったので、シャルルヴィルはいろいろ情報収集も兼ねて歩き回りました。

気温はかなり低かったですが、まだ秋の名残が所々見られました。
■ シャルルヴィル探訪

シャルルヴィルは、一言で言うと、いたって普通の田舎町、でした。言い方が正しいかどうかわかりませんが、可もなく不可もない、本当に小さな静かな街。9:30に街に着いて、17:00くらいにシャルルヴィルを出る予定になっていましたが、15:00くらいで街の見所はほぼ全て回っていました笑。

街のメインストリート。旅行者としてはかわいらしい小さな街
と言う感じで散策しているのは結構楽しかったです。
旅行客としては、街並みもきれいだし、ムーズ川の湖畔は、冬なので若干寒々としていましたが、夏などに歩き回ったらかなり心地良さそうな感じでした。たぶん、Marché de Noël などがやっている時期は夜もかなり美しい街だと思います。ですが、ここで生まれ育ったとしたら、、、多分ランボーでなくとも退屈だったろうなあ=パリに出たいと思うだろうなあとは思いました。ただ、あまりに静かでこじんまりとした街だったので、こんな地味な街(という表現が正しいかはわかりませんが。。。)からあんなextrêmeなぶっ飛んだ考え方をする詩人が現れるというのが、個人的に意外というか、ちょっとしたギャップのように思えました。

ムーズ川湖畔。本当に人がいなくて静寂でした。
でも、都会の喧騒から離れてとても落ち着く場所でした。

街の中のランボーという本屋さんのショーウィンドーに飾ってあった絵。
シャルルヴィルにはランボーやランボーの作品にちなんだ
名前のお店がいっぱいありました。
そういえば、ヴィタリーに関する本に、アルデンヌ地方の人は、気象環境が厳しかったり、場所柄、国境付近の街なので、よくドイツ軍の侵入を受けたり、生活が厳しかったので、フィジカルでもメンタルでもタフというようなことが書いてあったのですが、街の人を見ていると確かに、パリの人とは違いました笑。パリの人は小洒落ているけれど、シャルルヴィルの人と比べるとそういえば、軟弱に見える(笑)。逆に、シャルルヴィルの人たちは、あまり洗練されている印象はないけれど(ちょっと、グラスゴーの労働者階級の人たちの雰囲気と似ている。)無骨なタフさを感じる人たちが多かったです。あと、やっぱり、ちょっと保守的な感じ(私の記憶では、白人でない人はほとんど見かけなかったと思います。なので、自分が浮きまくりだった。)がしました。

本屋「ランボー」

さて、シャルルヴィルでは、ほとんどアルノーさんとリシャールがyoutubeの映像で巡っているところをそのまま回っていただけなのですが、ランボーのお墓、デュカル広場、カフェ(バー)・ドゥ・リュニヴェール、アルデンヌ博物館(ミュゼ・ランボーが改修中のため、遺品が一部こちらに展示されていました。)、ムーズ川、ミュゼ・ランボーの建物となっている水車小屋@改修中、ランボーが通っていたコレージュ跡、教会、ランボーが少年時代を過ごした家(今は、ラ・メゾン・デザユールというランボーの人生や作品に関するインスタレーション等の展示が行われている記念館になっている。)を巡りました。

水車小屋。
2014年12月現在改修中ですが、普段はMusée Rimbaudとして
彼の遺品等が展示されている場所です。

デュカル広場

ムーズ川

バー・ドゥ・リュニヴェール
ランボーが通っていたコレージュ跡
実は、これらの場所は、リシャールとアルノーさんが製作したミュージカル「ランボー・ミュージカル」の楽曲の1つである”Charleville mon soupir(シャルルヴィル、僕の溜め息)”の歌詞にも出てきます。
個人的に一番印象に残ったのは、La maison des Ailleursかなあと思います。ここが、現代アートの展示場になっていることは事前に知っていたのですが、実際行ってみると、おー、という感じでした。部屋によって赤だったり、緑だったり、テーマカラーのようなものがあって、部屋の内部にはランボーの詩作の音読がこだまし、壁にはプロジェクターで作品の文が写されていました。一応、部屋一つがランボーの人生のある時期に関する説明になっていて、その説明のすごく小さなプラカードが置いてありました。

プロジェクターでいろいろなものが映し出されていました。
蜷川さんの「皆既食」のランボーの台詞に確か、「いろいろな色を見てみたい。」(とってもうろ覚え。。。)みたいな台詞があった気がするのですが、まさにこの展示はその彼の色彩のvividさが表現されているように思いました。という意味で、ある意味、ランボーの頭の中を探検しているような気分になりました。=ある意味、人を不安にさせるというか、安定からの脱却、みたいな感覚を味わうことができました。(そういう意味でちょっとしたお化け屋敷(爆)的要素もなきにしもあらず。)。

La maison des Ailleurs。ランボーの頭の中?みたいな
不思議な空間でした。

部屋によっては水車小屋が見えました。

建物自体は、もちろん、ランボーが住んでいた当時のままなので、古くてきれいな洋館なのですが、そこに現代アート、というギャップがまた新鮮でした。係員の人に片言のフランス語+英語で聞いたところ、現代アートを入れている理由はやはり、ランボーはmoderneな詩人だったから、そのスピリットを現しているいるということらしいです。

ランボーが少年時代を過ごしたという部屋。
ここでランボーは詩作を始めたそうです。
ちなみに、アルノーさんともこの展示の話をしたのですが、この展示は光とか音とかいろいろな演出があって、まさに「舞台」みたいだねとリシャールと話していた、らしいです。確かに。そして、彼らはここでランボーの歌を実際歌っていたらしい(笑)。フランスって自由笑。でも、私が行ったときもお客さんは私以外に一人だけのようだったし(すっごい熱くランボーについて係の人に語ってました笑。)、確かに何しててもあんまり怒られなさそうな気はします。

 La maison des Ailleursの入口

ランボーが先生であるイザンバールに宛てた手紙の一部が
記念館の壁に書かれていました。
この手紙、私も結構好きなのですが、アルノーさんも、この写真を
見せたら、この手紙の言葉暗唱してるよ、と笑って答えてくれました。
あと印象に残ったのは、やはりお墓とランボーの遺品でしょうか。お墓は、最初ぼけっとしていて気づかなかったのですが、ランボーと妹のヴィタリーのお墓が2つ立って並んでいる下に、ランボーの母のヴィタリーとランボーの祖父のお墓が固まって配置されていました(ランボーは他にも兄や妹がいるのですが、彼らのお墓はどこにあるのだろう、っていうか、ランボーとヴィタリーだけなんで特別扱いなんだろうと素朴に思いました苦笑。やっぱり母ヴィタリーにとっては特別な子ということだったんでしょうか。)。

ランボーのお墓(向かって右側)。
息子アルチュールと母ヴィタリーがすぐ近くで眠っているというのも何だか感慨深いですが、それと同時に、息子の墓は立派なものであるのに対し、母の墓はいたってシンプル、かつ目立たないように配置されているところに、ヴィタリーの愛というか、溺愛(というと言い過ぎかもしれませんが。。。)を感じました。

ランボーの母ヴィタリーと祖父のお墓。
墓石に刻まれている言葉はどのお墓も一緒でいたってシンプル。名前、年齢、亡くなった日、「彼(女)のために祈って下さい。」の一言。そのシンプルさにちょっと拍子抜けしましたが、お祈りしました。少年時代も家出をしたり、詩作を放棄した後もアフリカなどの土地を転々としたランボーが最後に眠るのは、大嫌いだと言っていたシャルルヴィルというのも、なんだか皮肉なようで、感慨深い気がしました。(でも、故郷って、誰にとってもそういうambivalentな場所であるとは思うので、それほど驚くべきことでもないとは思うのですが、なんだか、ランボーでもそうなのね、と妙に納得してしまいました。)。

最後に戻ってくるのはやっぱり故郷。
お墓の前にいたときは、もっと感慨深いかなと思ったのですが、意外とそれほどでもなく(爆)、でも、今年の頭に、いろいろ調べ始めてからほぼ1年くらい経っていたので、なんだか不思議な気持ちでした。ちなみに墓地もひっそりとしていて、自分以外誰もいませんでした。

墓地の入口
墓地の中。静かでした。

ランボー宛の手紙を書けるポストも。
そして、ランボーの遺品たち。ミュゼ・ランボーのオリジナルの展示の規模がよくわからないので、アルデンヌ博物館に移設して展示してあった品々がどれくらいの割合のものなのかわかりませんが、メジャーなものは全て集結しているような印象を受けました。ランボーのスーツケースは思ったよりも大きくて、スカーフなどはエスニック色が強い感じのものでした。

ランボーのスーツケースや時計、スカーフなど。
ランボーの写真や手紙。ただ手紙はみんなレプリカだったような。
アルノーさんが以前一緒に写っていた等身大のランボー写真

ランボーの本。ボロボロでした。

ランボーの胸像。アルノーさんとも話したのですが、
ランボーって今の基準から言ってもかなりの
美少年だったと思います。

有名な絵。ただこの絵のランボーはかなりもっさりしている笑。

教会も、特別に大きな教会というわけではなかったのですが、Vitalieの曲の中にjusqu’à l’égliseという歌詞があって、ここでヴィタリーは、アルチュールのことを思ってお祈りしたんだろうかと思うとちょっと感慨深かったです。


教会。ヴィタリーもここで祈ったのだろうか。
教会の中。ここも誰もおらず一人でお祈りしました。
そんなこんなで、ランボーの過ごした街を探訪し、その空気感を知ることができたのは、とても良かったです。でも、、、確かにランボーがこの街を脱出したくなってしまった理由もわかる笑。
引き続き、今度はアルノーさんとのトーク・レポ(こちら)を書いていきたいと思います。

2014年12月14日日曜日

パリ観劇録2014 vol.1 - Le Bal des vampires フランス版 ダンス・オブ・ヴァンパイア

さて、最近パリに2年ぶりの観劇遠征+αに行ってきました。いろいろあって準備不足のままでしたが、やはり現地で見る生のフレンチ・ミュージカルは良かったです。


今回の遠征では、"Le Bal des vampires"、"Mistinguett, Reine des Années Folles"のフレンチ・ミュージカル(ヴァンパイアの方は、ウィーン発なので、純粋なフレンチ・ミュージカルではありませんが。。。)&英語ですが、ブロードウェーの"An American in Paris"を見てきました。

というわけでとりあえず、最初にLe Bal des vampires(フランス版のダンス・オブ・ヴァンパイア)の観劇レポをしていきたいと思います。(→公式HPはこちら(フランス語)。youtubeページはこちら。Facebookページはこちら(フランス語)。写真やプロモ映像が見れます。)。

もともと、このミュージカルは、見る予定がなかったのですが(オリジナルはウィーンのミュージカルだし、ヴァンパイアという時点で、きっとティーン&子ども向けミュージカルであろうと予想されたため。)、せっかくパリに行くし、演出が原作映画の「吸血鬼」の監督であるロマン・ポランスキー(自分の中では「戦場のピアニスト」のイメージが強いけど。)だと聞いたので、やっぱり見ようと思って見に行くことにしました。

そして、これ見に行って本当によかったです。。。確かに話の内容は、ああそうか、という感じですが(爆)、それ以外の要素が本当によくできたミュージカルで、まさに質の高いエンターテイメント。大人でも十分楽しめるミュージカルでした。

↓スポット映像↓
これ、何度もパリでコマーシャルをテレビで見ました笑。

会場になっていたモガドールの劇場。入口からVampire感が満載(笑)。
前回2年前、1789 Les Amants de la Bastilleを見にパリに初遠征したときは、会場がPalais des sportsだったため、いわゆる「劇場」という感じの場所ではありませんでした。。。が、今回行った場所は本当に「劇場」。入る前からテンションが上がりました。劇場も写真のとおりヴァンパイア仕様で、劇場の柱には、劇中の写真も飾られていて、面白かったです。

会場となっているモガドールは今回のLe Bal des vampiresのプロダクションも手掛けている大手プロダクションStage Entertainment(フランスオリジナルではなくマンマミーア、ライオンキング、美女と野獣等、ブロードウェーやウェストエンド等の外国から輸入したミュージカルをよく上演している。)の劇場ということで、隣には Stage Entertainmentの事務所っぽい建物もありました。

ここは、昔ノートルダム・ド・パリが再演されたときに使われていた劇場でもある(リシャールもフェビュス役で出ていたはず。)ので、そういう意味でもちょっと楽しみな劇場でした。

そして、中へ。
ロビーはこんな感じ。
自分は開始30分前くらいに到着しましたが、既に人で混雑していました。とりあえず、劇場の写真を撮り、パンフ(programme)を購入。15ユーロくらいでした。前回も驚いたんですが、パンフにやたらと力が入っている。。。値段もそれなりにしますが、しっかりした冊子だし、内容も充実。Le Bal des vampiresは、写真メインのものと配役やプロダクション関連のことがメインに書かれた2冊組でした。。。

そして、客席に向かいました。こちらから聞かなくても、案内係の人がこちらのドア、こちらの通路を行け等、指示してくれます。自分は、既にネットで席を選んでチケットを購入しているのでだいたいの位置は把握していましたが、一応、チケット(っていうかPDFを紙に印刷しただけ笑。)を見せて、場所を教えてもらいました。ただ、意外と早口(まあ、外人が見るっていう発想がそもそもそんなにないってこともあるんですが。)なので、全部はきちんと聞き取れませんでした。。。

中に入ると既にそこはVampireの世界。紫色の光で客席が照らされており、幕にはVampireマークが。おー、とまたテンションが上がります。今回の席は前から4列目くらいの左から2番目の席。値段は42ユーロぐらいでした(日本だったら確実にS席とかで1万円くらいする席な気がします。)。確かに真ん前から見る感じではなくなるので視界が若干歪んだり、幕に写される3D映像が見にくくなるというデメリットはありますが、自分はそれほど気になりませんでした。むしろ、出演者が左側に来るとかなり間近に見れるので、個人的には、コスパがかなりいい席だと思っていました笑。

ドアの向こうは別世界。
今回、ウィーンのオリジナル版の映像等は敢えて見なかったので、劇としてはかなりまっさらな状況で臨みました(昨年、東京で行われたウィーンミューガラコンで数曲このミュージカルからのナンバーがあったので、それを見たくらい。日本版も見ていません苦笑。)。ただ、フランス語の台詞が追えないことは目に見えていたので、話の筋だけはWiki(英語)で確認しておきました。

客層は、この日が土曜の昼ということもあってか、親子連れやカップルが大半でした。自分の隣の席の観客も後ろの観客も親子連れでしたが、隣のお母さん、子ども3人にご飯を劇場で食べさせていて、なんだかちょっと大変そうでした笑。後ろの親子は、どうやら子どもの方は既にこのミュージカルを観劇していたらしく、ママに「この間はあそこで見てたのー、すごくよかったー。」とほのぼのとした会話をしていました。

この公演、火曜から日曜(土曜は2公演)までやっているので、誰かが代役でもおかしくないなと思ったのですが、この日はChagal役が代役の方でした。

伝統ある劇場ってやっぱりいいと思った瞬間。
開演前に、携帯、劇中撮影禁止、等々(確かそんな感じ。)の注意事項のアナウンスが流れたのですが、クロロック伯爵役のステファヌ・メトロさんの声でした笑。2012年に見たロミジュリぶりなので、何だかとっても懐かしい。

"Cette nuit restera éternelle"より。
メトロさん@クロロック伯爵。
高貴なスノッブな感じの伯爵、お似合いでした。
そういえば、 突如、サビで、"forever"や"total eclipse de mon cœur"と聞こえて、
「え?英語?!」と混乱したのですが、聞き間違いでした笑。
正しくは、" faux rêveurs" と" tu fais s'éclipser mon cœur"のようです。
でも、youtubeのコメントでも、これ変じゃない?と言っている人がいたくらい 
なので、フランス人にとっても意外とわかりにくいのかも?!

さて、定刻から15分ほど過ぎて開演しました。オケも生演奏で華々しく幕が開く、ではなく、幕に3DでVampiresたちが住む城を駆け巡るような映像が流れ、非常に臨場感がありました。こういったところが、やはり最新のテクノロジーを使った最近のミュージカルだなあと思いました。

そして、最初に出てきたのはAlfred。"Professeur! Professeur!" と叫びながら雪山の中、Professeur Abronsiusを探します。2年ぶりのフランス語の舞台。なんだかうれしかったです。登場人物の名前ですが、名前はそのままですが、読み方はやはりフランス語読みでした。伯爵の息子Herbertは、なので、エルベールでした。

Alfred役のDaniele Carta Mantigliaくんもそうですが、このミュージカルの出演者たち、アンサンブルも含めてすごく歌が上手かったです。2年前の1789もみんな歌うまいと思ったのですが、どちらかというとミュージカルというより普通に歌を歌う歌手としてうまいという感じでした。が、今回の歌手たちは、ミュージカル歌手として歌が上手いという感じで、合唱のハーモニーとかも素晴らしかったです。

加えて、歌がすばらしかったのは、やはり、原曲の音楽のすばらしも大きかったと思います。特に個人的には、Alfredが歌うバラード"Pour Sarah"やSarahとのデュエットの"Le Grand Air"とかかなり好きでした。

https://youtu.be/cSffW0-vjSk 
ダニエルくんの"Pour Sarah"。Sarahへの一途な想いが伝わってきて、なかなか良かったです。君のためなら、なんだってがんばるよ、みたいな感じがほんと純情すぎて、かわいい。 

https://youtu.be/AvvpgjHhVOE
ラ ファエルちゃんの"Le grand Air"。これもなかなかよかった。 声が伸びやかで、外の世界に私は出て行きたいのというテーマや曲の壮大さがよく出ていました。タイトル、オリジナルのドイツ語のタイトル(Draußen Ist Freiheit)が半分カットされちゃってますが。 


客席はこんな感じでした。
ダンサーと歌手がぱっきり分かれているのがフレンチミューの特徴とよく言われていますが、このミュージカルは、比較的歌って踊って、というタイプのミュージカルでした。

もちろん、ダンスが見せ場の部分で歌なしで激しいダンスのシーンもあり、振り付けもすごく良かったです。Vampireらしく、ゴッシーな感じが全面に出たダンスもありましたが、リフトを多用したアクロバティックなダンスもあり、見応え十分でした。ダンサーたちもダンスにキレがあって、すばらしかったです。SarahとAlfredの分身ダンサーが登場するのですが、そういえば、Alfred役のダンサーはやたら美形でした笑。

"Longue est la nuit"
このシーン、全体を通して一番の見せ場のシーンだったと思います。
ゴッシーなダンスの魅力全開(笑)
いくつもの棺からガバガバっとVampireたちが出てきて、
一同に会してダンスをするのですが、迫力ありました!

セットもかなりすごかったです。AlfredとProfesseur Abronsiusが泊まるChagalの宿のセットは2階建てで、かなり大掛かりなものでしたが、回転したり、いろいろ凝っていました。伯爵のお城、舞踏会の大広間のセットもすごかったです。

"De l'ail!"(ニンニク)より。見づらいですが、背景に映っている大きな建物が
途中で回転するなどの演出があります。


衣装やメイクも、ゴシックさを出すためにもちろん汚れ加工/メイクを皆さんしているわけですが、それにもかかわらず、美しさがあるというか、この辺はさすがフランスだなあと思いました。特にSarahの舞踏会の赤いガウンは美しかったです。

"La Salle de Bal" 
舞踏会。華麗でした。衣装、メイクどれも個性的で、
準備とか大変そうだなあと見ながら思っていました笑。

Sarahの入浴シーンですが、お色気要素はちゃんと盛り込まれていました笑。が、観客には子どもたちもたくさんいるからか、思ったほどあからさまではありませんでした。が、一瞬ヌード?と遠目には見えるようなドッキリな瞬間もありました(もちろん肌色のボディースーツをSarah役の人は着てます笑。)。

また、劇場の四方のドアから扮装したVampireたちが出てきて歌ったり(子どもたち大喜び。)、出演者たちが客席を走る演出も結構たくさんありました。

そういえば、Vampireたちが人間にガブリと噛み付くシーンですが、血糊がテープ?なのか固定されている感じでした。噛み付くところもそんなにガブリという感じではなくお上品だった気がします。

メトロさん@クロロック伯爵が、ガブリとサラにかぶりつくシーンはこちら。

終演後はこのように元の劇場に戻ります。
こうして見るとさらに劇場の素晴らしさがよくわかります。
終演後の客席の様子。

というわけで、Le Bal des vampires に大満足してモガドールを後にしました。
台詞は割とはっきり目で舞台仕様な話し方だったので、わかるところもまあまあありましたが、やはり、修行が足らず、わからないところも結構あった、、、という感じでした汗。また、がんばろう。。。

台詞と歌の割合は、かなり歌の方が多かったように感じました。というわけで、フランス語があまりわからなくてもいろいろなエフェクト等もあるので、十分楽しめる演目だと思います。


 "La crypte"
台詞シーン。これぐらいの速さでした。
Alfredのひ弱ぶりがコミカルです。

近くにはトリニティ教会も。
全体としては、やはりすごくお金が掛かった大がかりなミュージカルだな、と思いました。普通こういう風に言うとあまりいい意味にはならない=お金は掛かっているけど、中身はね、、、といった意味になりがちですが、このミュージカルは、お金や最新技術を本当に有効に使っていると思います。ちゃんとお金を掛けて、エンターテイメントとして最高のものを目指しているという意味で、本当にVampireプロダクションチームにはBravo!を贈りたいです。

さて、パンフですが、気合入ってました(フランスって割りとパンフ力入れてる気がします。。。)。2冊組み。まずVol 1。Vampireの歯形マークの表紙が印象的。こちらは主に舞台写真がメインのものでした。舞台監督のポランスキーへのインタビューも収録されてました。Vol2は、。配役がびっしり書いてありました笑。プロダクション関係のこともこちらに書いてありました。代役も主役級だと、トリプルキャストとかです。これだけ見ていても、すごい大きなプロダクションの舞台なのだなということがわかります。

Alfred (Daniele Carta Mantiglia) & Sarah (Rafaëlle Cohen)のお二人は、どちらも美男美女で歌も上手かったです。Sarah役のラファエルちゃんは、過保護な親から離れて外の世界を見てみたいというちょっと冒険心を持った少女の気持ちをよく表現していたと思います。そして、Alfredに見せる、乙女な眼差しがとってもキュートでした。Alfred役のDanieleくんは、イタリア人で、ノートル・ダム・ド・パリでエスメラルダ役で来日したアレッサンドラとロミジュリで共演していたみたいです。いろいろつながりがあるのねー。バンパイアたちに杭を打つのに躊躇したり、ちょっとひ弱な青年笑を上手く演じていました。

以上、Le Bal des vampires レポでした。

次は、Mistinguettについて書きたいのですが、こちら、Le Bal des vampires とはあらゆる面で、真逆で違った意味で楽しめました。しかし、こっちは、あらすじとか詳しいものはどこにもないので、あまり詳しいことが書けない予感(汗)。→(Mistinguettについてはこちら。)

À suivre...