2014年8月31日日曜日

1789 Les Amants de la Bastille ~1789 バスティーユの恋人たち 登場人物紹介~

さて、ストーリーに入る前にやはり登場人物の紹介をしていこうと思います。
フレンチミュージカルの場合、基本的には、歌手、ダンサーという構成ですが、このミュージカルには俳優(comedien / comedienne)=歌を歌わない人も登場します。

まずは歌手から。役と役者名を載せています。説明書きは、ミュージカルのパンフやWikiを参考にしています。登場人物は架空の人物と実在の人物が半々くらいです。

Ronan Mazurier (ロナン・マズリエ)(Louis Delort)

農民、後に若き革命家となる。父を兵士に殺され、その復讐を心に誓い、パリに上京する。そこで、デムーラン、ダントン、ロベスピエールらの革命家たちと出会い、自身も「新しい考え」に目覚めていき、革命へと身を投じる。その中で、マリー・アントワネットの子どもの家庭教師をしていたオランプと恋に落ちる。

Olympe du Puget(オランプ)(Camille Lou)
※du Pugetと付いているのは、プジェ家のオランプということだと思います。

マリー・アントワネットの子どもの家庭教師(でも、マリー・アントワネットの侍女のような役も担っているように舞台では見えました。)。父は、バスティーユ監獄の看守(パンフには、lieutenantと載っているので、軍人の可能性もありますが、舞台を見た感じでは、看守か所長のように見えました。)。主君であるマリー・アントワネットに献身的に尽くす。パレ・ロワイヤルで偶然出会ったロナンと恋に落ちるが、自らと正反対の世界に生きるロナンとの愛に苦悩する。



Camille Desmoulins(カミーユ・デムーラン。Wikiはこちら)(Rod Janois)

実在のフランス革命で重要な役割を果たしたダントン派のジャーナリスト。1789年7月にPalais Royal の一角にあるCafe du Foyのテーブルの上に乗り、民衆に向かって「武器を取れ!(Aux armes!)」と民衆に決起を促したことでも有名(→ミュージカル中にこの場面を再現したシーンが出てきます。)。ミュージカルでは、ロナンをほかの革命家に紹介する、という役回りになっています。また、ジャーナリストという役回りからか、ミュージカル全体を通して、何となく語り部っぽい役割を与えられているような役のような気もします。ミュージカルには出てきませんが、彼は、ロベスピエールの恐怖政治に対抗すべくダントンと共にキャンペーンを展開するも最終的には処刑される、という悲しい運命を辿った人です。

Aux armes!と民衆に決起を促すデムーラン。
Marie-Antoinette(マリー・アントワネット)(Roxane Le Texier)

説明するまでもないですが、ルイ16世の王妃。ミュージカルでは、彼女とフェルゼンとの逢引きをオランプが手助けしたことが発端で、ロナンとオランプが出会ったというストーリーになっています。民衆の怒りなど無頓着で豪奢な生活を送るシーンが冒頭に出てきますが、その一方で息子であるルイ=ジョゼフ・ド・フランスの死を嘆く母としての姿も描かれます。そして、彼女の凋落、神に自身の人生への後悔や懺悔の念を吐露する最期も描かれます。なので、そういう意味では、単に贅沢三昧の王妃といっただけでなく、ちょっと救いようがある感じに描いている、と言えるかもしれません。

フェルゼンと密会中。アントワネットはもっと素敵な衣装を着ているのですが、ちょっとその写真が手元にありませんでした。。。
Maximilien Robespierre(マクシミリアン・ロベスピエール)(Sebastien Agius)

こちらは、世界史等でもお馴染みの有名なフランス革命の指導者の一人(Wikiはこちら)。ミュージカルはバスティーユ監獄の襲撃でフィナーレを迎えるので、彼のその後の恐怖政治は描かれません。というわけで、ミュージカル中では結構いい人、というかハートが熱い革命家という感じで描かれています。そんなわけで、その後の歴史を知っていると、若干違和感があるというか、ちょっと変な感じに思えます。

情熱的なロベスピエール。衣装も真っ赤。
Solène(ソレンヌ)(Nathalia→Caroline Rose)

ロナンの妹(姉の可能性もあり。)。父の死後、兄に捨てられ、パリのパレロワイヤル付近で娼婦として生計を立てている。他の女性を率いてヴェルサイユへと向かう。彼女の衣装は実はドレスの片側の袖が男性の服(将校の制服のように見える)のようになっていたり、自立した意志の強い女性として描かれています。



Lazare, comte de Peyrol (ラザール(ペロール伯爵))(Matthieu Carnot)

将校。ミュージカルの中では旧体制側の代表として、王や王家に忠実な人間として描かれています。というわけで、若干サディスティックな感じ?笑。ロナンにとっては、父を殺した敵に当たる人物。劇中も囚われの身となったロナンがラザールと激しく言い争う歌が登場します。要するに、劇中の中での悪役No1(笑)の役どころですね。

完全にいっちゃってます笑。
Georges-Jacques Danton(ジョルジュ=ジャック・ダントン)(David Ban)

こちらも世界史でお馴染みの革命指導者の一人(Wikiはこちら)。ですが、ミュージカルでは、部類の女好き、で実におおらかな人物として描かれています笑。こう言ってしまうと実にちゃらい感じですが、その一方で革命家の間で意見の対立が起きたときに、「喧嘩はやめろよ!」と言う器の大きさも併せ持った人物として描かれています。

この写真は最後の場面なので、真面目モードのダントン笑。

Auguste Ramard(オーギュスト・ラマー)(Yamin Dib→ Willy Rovelli)

ルイ16世の弟であるアルトワ伯爵の血も涙もない手下。フェルゼンと王妃との逢引きの場に出くわし(オランプの計らいで2人の逢引きであることはばれずに済んだ)、それをネタに、あわよくば、とオランプを自分のものにしようと彼女に執拗に言い寄る。彼女と恋仲にあるロナンに激しい嫉妬を抱き、彼を亡き者にしようとする…。彼は、劇中1曲だけ歌を歌いますが、基本的にはセリフというか、劇中のコミカルな場面を盛り上げる役です。オランプへの偏愛も、基本的にはコミカルに描かれていて笑えます。女装したり、とにかく面白い人です。

嫌がるオランプを無理やり誘おうとする笑。
Charlotte(シャーロット)(子役の子達)

「l'enfant du Palais Royal(パレ・ロワイヤルの子ども)」。王家側、革命家側どちらの情報にも精通している少女。ロナンとオランプに情報を提供し、彼らの秘密の恋を応援する。ちょっと小生意気な感じがかわいい役どころです。

真ん中がシャーロット
ここから歌は歌わない俳優(comedien / comedienne)たち。脇キャラも含みます。俳優陣たちは、いくつかの小さな役も兼任で演じていました。
   
Louis XVI(ルイ16世)(Philippe Escande) 
ミュージカルでは、ルイ16世は、完全に子どもっぽい何もわかってないおバカな王様として描かれています。。。というわけで完全にお笑い要員(爆)です。 

Comte d'Artois(アルトワ伯爵)(Cyril Romoli)
ルイ16世の弟。優柔不断&政治に無関心な兄であるルイ16世に何かと進言する。ミュージカル内では、陰で兄を操ろうとする結構腹黒い役回りです笑。手下であるラマーとの軽妙なやりとりも見どころの一つです。

Gabrielle de Polignac(ポリニャック伯爵夫人)(Tatiana Matre)
マリー・アントワネットの取り巻き。

Père d'Olympe(オランプの父)(Philippe Escande)
自分がついた嘘が元で、牢獄に閉じ込められたロナンを救い出すため、オランプは牢獄の鍵を持つ父をたぶらかし(笑)、ロナンを救い出そうとします。

Tournemain / Loisel (トゥルヌマン、ロワゼル)(Michael Feigenbaum→Valentin Vossenat/ Olivier Mathieu)
ラマールのおバカな手下たち(笑)。コミカルな演技で笑わせてくれるのですが、彼らはセリフというより超絶なボディーパーカッション等を披露して、笑いをとっていました。

Jacques Necker(ジャック・ネッケル→Wiki こちら)(Guillaume Delvingt)
財務長官。ルイ16世に罷免される。この事件が、デムーランの演説にもつながっていく。
 
Père de Ronan et Solène(ロナンとソレンヌの父)(Guillaume Delvingt)
冒頭、ロナンの目の前でラザールに殺されます。

Axel de Fersen(アクセル・ドゥ・フェルゼン)
アントワネットの恋人。2人の逢引きが出会うはずのなかったロナンとオランプを引き合わせ、禁断の恋へと向かわせます(→こう書くと本当にベタ。。。)

dauphin du roi (ルイ=ジョゼフ・ド・フランス)(シャーロットを演じた女の子が男装(笑))
ルイ16世とマリー・アントワネットの間に生まれた長男。7歳半で夭折する。ロナンとオランプは彼の葬式で再会する(→なんかフレンチ的展開(笑)。)。
 
Honoré-Gabriel Riqueti de Mirabeau(ミラボー) (Guillaume Delvingt)

というわけで、王家、革命家、双方の人物が出てきて、絶妙に絡み合う物語になっています。
そして、あとは、華麗なるダンスを踊るダンサーたちが、登場します。 

あらすじ①はこちらです。

2014年8月30日土曜日

1789 Les Amants de la Bastille 〜1789 バスティーユの恋人たち〜 祝 宝塚上演!

おー、ついに1789を日本語で紹介する日がやってきた!

宝塚の月組で2015年4月24日から上演決定〜!(東京は2015年6月19日から。)
http://kageki.hankyu.co.jp/news/detail/9caf7db52df7c0f1e16008f6694ca457.html

タイトルはとっても無難に、そのままバスティーユの恋人たちとなっていた笑。
何はともあれ楽しみです。

私フランスにこのミュージカルを見に行くとき、タイトルがフランス語で読めず「イチナナハチキュウ」と日本語読みしていたのですが(いや、今でもそうなんだけど苦笑)フランス語ではミルセットゥソン・キャトルヴァンヌフ、とやったら長い感じになります。(直訳だと1700、89という意味。)。そして副題は、レザマン・ドゥ・ラ・バスティーユ。2つ合わせると実は、超言いにくい。。。

という愚痴はおいておいて、フランス人にとってはおなじみの革命の年がタイトルになっているわけです。そして、副題がダイレクトに示している通り、革命を通じて出会ってしまった男女の身分違いの悲恋物語です(といっても出会い自体は結構コミカルな感じなのですが。。。)。と書くと、超ベタなラブストーリーに聞こえるかと思いますが、、、実際、、、期待をいろいろな意味で裏切りません(爆)。まさに王道のラブストーリーです。

登場人物についてはこちらにまとめました。

実際見に行ったときのカーテンコールのときの写真。
撮影は、可かどうかは確認は取っていませんが、とりあえず
この会場については放任でした苦笑。。。

もちろん、二人のラブストーリーが物語の主軸なわけですが、最初は、ごく普通のpaysan(農民)に過ぎなかった若者が、父を体制側の将校に殺され、運命が暗転し、パリに出て、デムーラン、ダントン、ロベスピエールといった革命家たちと出会い、その中で自身も革命に身を投じ、成長していく姿も見所の一つです。

また、革命の中の女性たちも見所の一つです。とりわけ、主人公の少年の妹(もしくは姉)は父を失った後、娼婦をして生計を立てているという設定ですが(下記、Je veux le mondeを参照。こういうところが非常にフランスっぽいですよね。)、彼女たちは実に「強い」です。娼婦も、職業としては、忌み嫌われるというか、もちろん大きな声で言えるような仕事ではなかったと思うのですが、その自立した生き方、強い意志、生きてやるんだ、という気概が全面的に出ていて、興味深かったです。

そして、革命に目覚める者があれば、断頭台の露と消える者もいる、というのが革命モノの 黄金ルール笑。このミュージカルにも、民衆の不平不満など気にも掛けない豪華絢爛+浮世離れした宮廷の場面→マリーアントワネットのさよならシーンという一連の体制側の没落の様子も描かれます。特にマリーアントワネットがすべてを失い、旅立つシーンは、平家物語ではないですが、「盛者必衰の理をあらわす…」みたいな世界観が出ていて、これはこれで、ちょっと切ないものがありました。

実は、自分は、どちらかというと、この舞台は、ストーリーに惹かれたというよりは、演出や歌やダンスだったりに感嘆した記憶が多いのですが(苦笑)、フランス発の革命ミュージカル=本家が作った本家のストーリーということなわけで、フランス視点でフランス革命を考えるという意味では、結構おもしろい舞台かなあと思います。

また、主要な登場人物として登場するカミーユ・デムーランは、ダントン、ロベスピエールらと比べて日本ではあまり知られてない人物だと思うので、そういう人が出てくるのもフランス発っぽいかなと思ったりします。

フランスっぽい、という視点でいうと、ちょっとセクシー&デカダンスな詞が多いところも挙げられるでしょうか。フランスに見に行ったとき、見物客は、大半が若い子、家族連れだったのですが、詞や演出がちょっと大人向けだったので、個人的にびっくりしました。というか、やっぱりこういうのがフランスのカルチャーなのかなと思いました笑。あと、ダントン(あの世界史の教科書に出てくる人ですね。)が、すごい女好きという設定になっているところも、驚きでした。

というわけで、個人的に、こういう詞がどんな風に和訳されるのか結構気になったりします。。。

さて、せっかく日本上演が決まったので、長らく放置していた(足掛け2年放置してるね笑。)ので、あらすじやら人物紹介ができたらと思っています。(目指せ、上演までに終了(苦笑))。下記、歌詞についてちょっと書いていますが、私の誤った理解等もあるかもしれないので、あくまでご参考程度に考えていただけると幸いです。。。

まず、ミュージカルなので、メインとなるシングルカットされた曲たちから紹介を始めることにします。シングルカットをされているので、もちろんプロモ映像もあるのですが、舞台版の方が個人的に好みなので、そっちを載せておきます。

Ca ira mon amour 
(サイラ・モナムール)



ミュージカルが始まる前から流れていた1st singleの曲。
映像だけではあまりわからないと思いますが、この曲、詞が非常にアダルティーで、ドキリとしてしまうまさにおフランス度満載な曲です(笑)。ちなみに、黄色い服を着ているこの人が、カミーユ・デムーラン(by Rod Janois(ロッド・ジャノワ))。曲中、彼が羽ペンを走らせるシーンがあるのは、彼が、ジャーナリストだったから、だと思います。

Je veux le monde
(ジュ・ヴ・ル・モンド)


「私は世界が欲しいの」、という誠にあっぱれなタイトルの曲です。曲調や女性たちの雰囲気でもわかるかと思いますが、もう我慢ならないわ!!!とプッツン+さあ襲撃するわよ、みたいに息巻いている&ちょっとフェミニストな感じの歌です。

歌っているのは、主人公のロナンの妹(姉ではないはず。。。)のソレーヌ。彼女は、冒頭で父を失い、その後、パリに出てきてパレロワイヤル周辺で娼婦をして生計を立てているという設定です。実はこの曲の他に、La nuit m'appelle (ラ・ニュイ・マペル(夜が私を呼ぶの))というよりストレートに彼女の娼婦としての生活が語られている歌があるのですが、この歌も、娼婦という生き方をマイナスに捉えていない点が、フランスっぽいなあと思いました。

Pour la peine
(プーラ・ペン)


見てわかる通り、カーテンコール曲です。タイトルは、辞書で引くと骨折り、とか出てきちゃうのですが(笑)、革命で犠牲を払った人たちへの努力へのオマージュ曲です。詞もなかなか静かな祈りと希望を感じる素敵な曲です。

Sur ma peau 
(スール・マ・ポー)



タイトルは英語にするとOn my skin。この肌に、決意(約束)を刻みつけるんだ(→もちろんタトゥーとかそういう意味ではなく、比喩的にだとは思いますが。)、というサビが登場します。この曲は舞台1幕の最初の方と舞台2幕のかなり最後の方にrepriseとして登場する曲なのですが、若き革命家が父を殺された時&バスティーユ襲撃を前に、その決意(父の死に対する復讐あるいは、新しい時代を切り開いていくのだという意志)をビシっと語る曲です。

さて、ここからは私的、おススメ曲。

Je mise tout
(ジュ・ミス・トゥ)

はい。マリーアントワネット登場曲です^^このシーンは、やっぱり、この豪華かつアーティスティックな衣装や演出が見所ですが、この歌、ご想像の通り(笑)、もう退屈すぎちゃって、デカダンス〜みたいな、ザ・ステレオタイプなマリーアントワネットの曲です笑。でも、これくらいいっちゃってる感が個人的にはシーンとしては見ていて楽しかったです。タイトルのJe mise toutのmise(miser)は、賭けるという意味なので、おそらく、毎日がつまらないから何でも賭けちゃうの、という貴族のアンニュイ感が出ていることば、な気がします。

Nous ne sommes 
(ヌ・ヌ・ソンム)


こちらも、後ろで箱の上に載っているsoldatsの独創的な衣装&ヘアメイクかつ、どうやってるのかよくわからない斜め45度の静止ポーズ(笑。腹筋が最強なんでしょうか。)が印象的ですが、歌は、「絶対服従!」みたいなガチガチのソルジャー魂を歌っている歌、のはずです。歌っているマチュー・カルノーのいっちゃってる顔が個人的にツボです笑。
最後に派手な発砲シーンがあって、圧巻なのですが、これ、日本でもやるんだろうか??

A quoi tu danses 
(ア・クワ・チュ・ダンス)


さて、このシーン、恐らくミュージカルの中で最もポップ(ロック?)なシーンかつ詞がちょっと浮いているシーン(爆)だと思うのですが笑、ロベスピエールが超ロックに歌って踊るのが非常に新鮮です笑。時代物にこんな現代的な曲が合わせられるんだ、、、という驚きが自分の中ではありました。

詞は、私の理解が間違っていなければ(実はちょっと自信ない。。。)、革命前夜の時期なので、何もかもに閉塞感が溢れている中、踊っていると頭や体がシェイクされて、トランス状態になり、もはや何を踊っているのかすらわからなくなるということのはず、、、。ちょっとヤケクソ感が漂う歌なのかなと思っています笑→踊ってないとえってらんねーよ、みたいな笑。私の勝手なイメージでは若干幕末の「えーじゃないか」の踊りのテンションに近いものがあるのでは、と思います。あ、でも、革命家たちは、革命をあきらめてるわけではないですが。

このシーンの後半で全員でタップダンスのようなものを踊るのですが(なぜか、このシーンは「ハカ(マオリの伝統的な舞)」と呼ばれていました。まあ、確かにハカの要素はあるような気はしますが、ちょっと笑ってしまった。)、近くで見たときは結構圧巻でした。そして、ミュージカルをやっていた頃はファンによるこの踊りのコンテスト等も行われていました笑。

※以下、最後のフィナーレ部分ネタバレです。見たくない方は飛ばして下さい。※

Fixe
(フィクス)


別の記事でも、この歌のことについては書いたことがあるのですが、個人的には一番好きなシーンです。そして、一番、フランス革命っぽいシーンだと思います。バスティーユ襲撃→主人公の少年の悲劇的な死→駆け寄る少女→Fixeで観客に畳み掛ける、という展開が何度見ても感動的です(いや、やるせなさが半端ない、といった方が正確かもしれません。)。Fixeの歌詞も、こんな未来溢れる才能ある若者がなぜ死ななければならなかったのか、問いかける、といったような古い体制(アンシャンレジーム)への批判が含まれた歌詞になっているような気がします。と、同時に、人間の命、尊厳、といったことも想起させるような歌詞になっているように思います。

途中で、歌手やダンサーたちみんなが、人権宣言を読みながら会場の方々から出てきて舞台に上がって、最後みんなで大合唱で終わるのですが、この演出も個人的にすごく好きでした。私がパリで見たときはロベスピエールが私の真横を通ったw。というわけで、この演出がもし日本でも引き継がれたら、スター様が真横を通る、なんてこともあるのかもしれません。。。

他にも好きな曲や場面はいっぱいありますが、とりあえず、今回はこれだけ。
あらすじ①はこちらです。

2014年6月26日木曜日

Gala Concert de la Comédie Musicale Française en octobre! @ thatre Orb〜10月にフレンチミュー・ガラコン@シアターオーブ〜

今日、仕事から帰ろうと思い、メールチェックをしてびっくり。ミュー友達の方から、10月にフレンチガラコンがあって、われらがケベコワ、マット(Matt Laurent)、リシャール(Richard Charest)、ロベールさん(Robert Marien)ほか(ほかが誰と交渉中なのかは謎ですが。。。)がやってくるという話をキャッチ!なぬ!!!

なぜか、偶然にも「やっぱり今年、モントリオールとケベックシティー行ってみようかなあ〜」と思い、情報収集を始めていたところだった。とりあえず、こっちは保留 (笑)。

今年は、フレンチミュー氷河期だろうな〜(@日本)と思っていた自分にとっては青天の霹靂。でも、それゆえ、このサプライズは、すっごくすっごくうれしかった。

しかも10/17(金)、18(土)、19(日)の3 days。めっちゃフレンチミューソングを堪能できるではないか!(→すでに3回行こうとしている自分(苦笑))。

オーブHP→http://theatre-orb.com/lineup/14_fmc/


予定演目を見るとNDP、ロミジュリはもちろん、Mozart l'Opera RockやRoi Soleilなどからのラインナップもあるようで、ちょっと楽しみ。

ロミジュリとかやるんだったら、ダミアン(・サルグ)とか呼んでくれないかなー(最近、人気者だから難しいか。)。ローラン(・バン)ももし出れたらきっと日本のファンにもアピールになると思うし、オペラ座とか吹き替えもしてたからぴったりだと思うが、どうだろう??

ジョン(・アイゼン)もRJ公演でかなり人気があったからひょっとしたらありなのかなあとかちょっと考えてみたり。→妄想広がる笑。Mozartのロックな楽曲とか絶対似合うと思うなあ。シリルもファンミをやったりしていたし、可能性はあるかなあ。

女子が一人もいないので、きっと今、女性シンガーに出演交渉してるのかなあとか予想する。でも、RJのジョイ(・エステル)とかはドラマで忙しそうだし、韓国ガラコン(×2)に出てたナディアとかありなのかなあとかちょっと予想。日本の公演には来たことないけど、フランス語でエスメラルダの楽曲歌えるし。あ、でもよく考えたら、RJのジュリエットの2ndをやっていたカンディス(・パリス)は、以前、韓国公演(英語版だけど)でエスメラルダの1stだったので、こっちのほうが可能性が高いかな。そういえば、カンディスのエスメラルダ見たいなーと思っていたので、これが実現したらちょっとうれしい。

theatricalな演出もあるということなので、去年のウィーン・ミューコンのように、ひょっとすると衣装着用もあるのかなとか思ったり。リシャールがあのブルーコートを着てフランス語でカテドラルを歌ったら私はきっと号泣する 笑。

あと、このガラコンでひょっとしたらリシャール、Rimbaudの楽曲歌ってくれるんじゃ?!という気がしてきた。2013年の韓国ガラコンのときと設定がよく似ているし、あのときよりも公演が全然具体的な感じになっているし、可能性としてけっこうありな気がする。

ヴィタリーetc.がまた聞けたら私はこの上なくうれしいよー。

この公演で、リシャールがもしランボーの楽曲を歌って、日本の観客の皆さんにそのすばらしさが伝わったら、きっと、日本公演への道がまた近づいてくるんじゃ??とリシャール・ファンとしては妄想が広がる。。。あー、でもぜひそういう機会になって欲しいなあ。

あの愉快な二人にまた会える!
そして、超classeなロベールさんも!
これで少なくとも秋まで楽しく過ごせそうだ。→単純な人。
そして、リシャールにランボーの進捗を聞かないと…。→完全にガラコン裏テーマ笑。
そういえば、リシャール誕生日10/14なので、何かお祝いができるといいなあ。


2014年6月8日日曜日

New Musical: Mistinguett, reine des années folles ~新作フレンチ・ミュージカル ミスタンゲット~

今年の9/18~来年の1/4までCasino de Parisで公演予定(そのあとフランスのツアー)のフレンチミュージカルMistinguettの話。

2014年は、大型のフレンチミュージカルがあまりなさそう、とかぼやいていた気がしますが、そういえば、実はこのミュージカルが今年上演でした(汗)。。。

Mistinguettは、Wiki情報によると、「ミスタンゲット(Mistinguett, 1873年4月5日 - 1956年1月6日)はフランスのシャンソン歌手、女優。本名はジャンヌ・ブルジョワ (Jeanne Bourgeois)。“ミス”という愛称で親しまれ、華麗な舞台と脚線美で「レヴューの女王」、「ミュージックホールの女王」と称賛された。」とのことなので、彼女の波乱万丈な一代記のようなミュージカルなのでしょうか。

プロデューサーは1789 Les Amants de la BastilleやRoi Soleil、Mozart l'Opera Rockでもプロデューサーを務めていたAlbert Cohenさん、ということで、華麗なフレンチミュージカルに期待。いつもは、Dove Attiaさんとタッグを組んでのプロデュースですが、今回はアルベールさんのソロプロジェクトの模様。

チケットも↓で発売中です(フランス語ですが)。20ユーロ~104ユーロまで席によって結構値段の幅があります。一番高い席は、パレデスポーで1789を見たときよりややお高め。やっぱり歴史ある建造物だからなのかもしれません。
http://www.ticketnet.fr/fr/manifestation/mistinguett-reine-des-annees-folles-billet/idmanif/307447

Albertさんのinterviewも載っていました(French)。なかなか興味深いです。
http://www.regardencoulisse.com/albert-cohen-fou-des-annees-folles/


このインタビューによると、パリが芸術、文化の都、中心地であった黄金の20年代(les années folles)を当時、その時代の象徴ともいえるミスタンゲットを通して描くことはアルベールさんにとって長年の夢だったそうです(実に10年越しのプロジェクトであったらしい。)。

ミュージカルの会場であるカジノ・ドゥ・パリはまさにミスタンゲットがレビューを行っていた会場そのものだそうで、今までアチア・コーエン組のホームベースとなっていたパレ・デ・スポーを離れたのは、まさに、この「20's glamour」をきちんと表現したかったからだそうです。とにかく20年代の自由奔放な雰囲気をそのまま表現したいとのことで、衣装の量も半端ないそうです笑。

アルベールさんによれば、20年代は最高にクリエイティブで、人々が考えられないようなことに次々と挑戦する「攻め」の時代(こうはアルベールさんは言ってないけど苦笑。)だった、ということで、そこに惹かれてミュージカルを作ることにしたそうです。また、当時はパリは世界に対して大変開かれていた時代で、アメリカのジャズなども入ってきた時代で、今回のミュージカルもエレクトロ・ポップ・ジャズのフュージョンといった感じになるそうです。

このインタビューを読んで、そうか、と思ったのですが、20年代というのは、実は第一次世界大戦のすぐあとの時代で、暗く凄惨な戦争を経たあとの反動のような時代だったわけで、だからこそ、"faire la fête(さあ、パーティー(お祭り)だ!)"といった、狂乱的というか、前衛的というか、そういった要素が全面に出ていた時代になったんだそうです。なんかそう考えるとちょっと興味深い。

劇中曲のメドレーのクリップ




Mon homme - Carmen Maria Vega 


ちなみにMistinguett自身が歌う"Mon homme"はこちら



先日パリでShowcaseがあったようです。そのときの映像。衣装が20's glamour満載できらびやかで粋。

Mon homme - Carmen Maria Vega
http://youtu.be/Lsq3QkFM088

Oser les larmes - Carmen Maria Vega
http://youtu.be/J4U1ASt3b7A

Dôle mambo - Fabian Richard
http://youtu.be/HG78oPd5tNc

Je cherche un millionnaire - Mathilde Ollivier & Cyril Romoli (piano)
http://youtu.be/uhlsLJHj5P8

Valse la chance - Patrice Maktav
http://youtu.be/wJ0S_q4TRDc

Grégory Benchenafi
http://youtu.be/34aS3j-CXpY

1789とはうってかわって 大人向けのフレンチ・シャンソンの王道っぽい曲が多い感じ。現代風にアレンジはされているけれど、客層は明らかに30+くらいを意識しているような気がします。でも最近のCohen & Attia組のミュージカルは若者向けが多かったので、個人的にはこれ、結構興味あるのですが、パリちょっと遠いんだよなあ。

公演のHPはこちら
http://www.mistinguett-lespectacle.fr/

Facebook
https://www.facebook.com/MistinguettOfficiel

CDも発売されています。
iTunes FRですが、曲を視聴することができます。
https://itunes.apple.com/fr/album/mistinguett-reine-des-annees/id877773116

Amazon frですが、コンセプト版のCDも購入できます。
http://www.amazon.fr/Mistinguett-Reine-Ann%C3%A9es-Folles-Carmen/dp/B00JXO8MHC

メインの出演者は下記のようです。Cyril Romoliさんは、1789でコメディアン(俳優)として登場していましたが、今回は歌手として登場するのかな。。。

Cyrilさんのインタビューもありました。
http://www.regardencoulisse.com/retour-aux-sources-pour-cyril-romoli/ 

Scipion Sauveur役のFabian Richardさんのインタビュー。 彼は、どうやら十戒の日本ツアーのメンバーだったようです(JosuéとAaron役。)。
http://www.regardencoulisse.com/fabian-richard-mafieux-heureux/

Carmen Maria Vega (Mistinguett)
Mathilde Ollivier (Marie)
Cyril Romoli (Jacques Charles)
Fabian Richard (Scipion Sauveur, "Pape de la Trinité")
Gregory Benchenafi (Harry Pilcer)
Patrice Maktav (Léon Volterra)

ちょっと楽しみ。

追記:08/31/14。いくつかミュージカルについての映像がUPされていたので以下に載せます。

衣装についてのミニドキュメント
20'sグラマーの衣装をどうやって作っていったか衣装担当のフレデリック・オリヴィエさんが語っています。
http://youtu.be/5KED9uJDZb0?list=PLslYUwNroa4xrG3UM1-X84KKmisxw-2xW

音楽についてのミニドキュメント
http://youtu.be/atEX0iwyUoQ?list=PLslYUwNroa4xrG3UM1-X84KKmisxw-2xW

台本についてのミニドキュメント
http://youtu.be/-sAxm_1f8-Y?list=PLslYUwNroa4xrG3UM1-X84KKmisxw-2xW

ダンスについてのミニドキュメント
http://youtu.be/PmTNErqLlPw?list=PLslYUwNroa4xrG3UM1-X84KKmisxw-2xW


舞台監督(のはず)のフランソワ・ショケさんによるインタビュー。


New Musical: Mistinguett, reine des années folles ~新作フレンチ・ミュージカル ミスタンゲット~

今年の9/18~来年の1/4までCasino de Parisで公演予定(そのあとフランスのツアー)のフレンチミュージカルMistinguettの話。

2014年は、大型のフレンチミュージカルがあまりなさそう、とかぼやいていた気がしますが、そういえば、実はこのミュージカルが今年上演でした(汗)。。。

Mistinguettは、Wiki情報によると、「ミスタンゲット(Mistinguett, 1873年4月5日 - 1956年1月6日)はフランスのシャンソン歌手、女優。本名はジャンヌ・ブルジョワ (Jeanne Bourgeois)。“ミス”という愛称で親しまれ、華麗な舞台と脚線美で「レヴューの女王」、「ミュージックホールの女王」と称賛された。」とのことなので、彼女の波乱万丈な一代記のようなミュージカルなのでしょうか。

プロデューサーは1789 Les Amants de la BastilleやRoi Soleil、Mozart l'Opera Rockでもプロデューサーを務めていたAlbert Cohenさん、ということで、華麗なフレンチミュージカルに期待。いつもは、Dove Attiaさんとタッグを組んでのプロデュースですが、今回はアルベールさんのソロプロジェクトの模様。

チケットも↓で発売中です(フランス語ですが)。20ユーロ~104ユーロまで席によって結構値段の幅があります。一番高い席は、パレデスポーで1789を見たときよりややお高め。やっぱり歴史ある建造物だからなのかもしれません。
http://www.ticketnet.fr/fr/manifestation/mistinguett-reine-des-annees-folles-billet/idmanif/307447

Albertさんのinterviewも載っていました(French)。なかなか興味深いです。
http://www.regardencoulisse.com/albert-cohen-fou-des-annees-folles/


このインタビューによると、パリが芸術、文化の都、中心地であった黄金の20年代(les années folles)を当時、その時代の象徴ともいえるミスタンゲットを通して描くことはアルベールさんにとって長年の夢だったそうです(実に10年越しのプロジェクトであったらしい。)。

ミュージカルの会場であるカジノ・ドゥ・パリはまさにミスタンゲットがレビューを行っていた会場そのものだそうで、今までアチア・コーエン組のホームベースとなっていたパレ・デ・スポーを離れたのは、まさに、この「20's glamour」をきちんと表現したかったからだそうです。とにかく20年代の自由奔放な雰囲気をそのまま表現したいとのことで、衣装の量も半端ないそうです笑。

アルベールさんによれば、20年代は最高にクリエイティブで、人々が考えられないようなことに次々と挑戦する「攻め」の時代(こうはアルベールさんは言ってないけど苦笑。)だった、ということで、そこに惹かれてミュージカルを作ることにしたそうです。また、当時はパリは世界に対して大変開かれていた時代で、アメリカのジャズなども入ってきた時代で、今回のミュージカルもエレクトロ・ポップ・ジャズのフュージョンといった感じになるそうです。

このインタビューを読んで、そうか、と思ったのですが、20年代というのは、実は第一次世界大戦のすぐあとの時代で、暗く凄惨な戦争を経たあとの反動のような時代だったわけで、だからこそ、"faire la fête(さあ、パーティー(お祭り)だ!)"といった、狂乱的というか、前衛的というか、そういった要素が全面に出ていた時代になったんだそうです。なんかそう考えるとちょっと興味深い。

Mon homme - Carmen Maria Vega 


ちなみにMistinguett自身が歌う"Mon homme"はこちら



先日パリでShowcaseがあったようです。そのときの映像。衣装が20's glamour満載できらびやかで粋。

Mon homme - Carmen Maria Vega
http://youtu.be/Lsq3QkFM088

Oser les larmes - Carmen Maria Vega
http://youtu.be/J4U1ASt3b7A

Dôle mambo - Fabian Richard
http://youtu.be/HG78oPd5tNc

Je cherche un millionnaire - Mathilde Ollivier & Cyril Romoli (piano)
http://youtu.be/uhlsLJHj5P8

Valse la chance - Patrice Maktav
http://youtu.be/wJ0S_q4TRDc

Grégory Benchenafi
http://youtu.be/34aS3j-CXpY

1789とはうってかわって 大人向けのフレンチ・シャンソンの王道っぽい曲が多い感じ。現代風にアレンジはされているけれど、客層は明らかに30+くらいを意識しているような気がします。でも最近のCohen & Attia組のミュージカルは若者向けが多かったので、個人的にはこれ、結構興味あるのですが、パリちょっと遠いんだよなあ。

公演のHPはこちら
http://www.mistinguett-lespectacle.fr/

Facebook
https://www.facebook.com/MistinguettOfficiel

CDも発売されています。
iTunes FRですが、曲を視聴することができます。
https://itunes.apple.com/fr/album/mistinguett-reine-des-annees/id877773116

Amazon frですが、コンセプト版のCDも購入できます。
http://www.amazon.fr/Mistinguett-Reine-Ann%C3%A9es-Folles-Carmen/dp/B00JXO8MHC

メインの出演者は下記のようです。Cyril Romoliさんは、1789でコメディアン(俳優)として登場していましたが、今回は歌手として登場するのかな。。。

Cyrilさんのインタビューもありました。
http://www.regardencoulisse.com/retour-aux-sources-pour-cyril-romoli/

Carmen Maria Vega (Mistinguett)
Mathilde Ollivier (Marie)
Cyril Romoli (Jacques Charles)
Fabian Richard (Scipion Sauveur, "Pape de la Trinité")
Gregory Benchenafi (Harry Pilcer)
Patrice Maktav (Léon Volterra)

ちょっと楽しみ。

2014年6月1日日曜日

Xavier Dolan - "Mommy" 25歳でケベックのグザヴィエ・ドランがカンヌで審査員賞を受賞

いつもはほとんど興味を持たないカンヌ映画祭だが、カンヌのニュースをちらちら見ていたら、ケベック出身のグザヴィエ・ドランが監督した"Mommy"がとっても話題、という記事を発見して、ちょっと興味を持つ。

グザヴィエ・ドランについては、10代の頃から映画を制作していて、すごく高い評価を受けている、ということは耳にしていたし、去年、フランス映画祭で確か彼の「Laurence Anyways(わたしはロランス)」が話題になっていたので、何となく認識はしていたものの、何だか色使いが派手だなと思って、自分が好きなジャンルではないだろう、と勝手に判断し、実は映像等はきちんと見たことがなかった。

でも、何となくやっぱり気になって、最新作"Mommy"の映像を見たところ、「おー!」と思わず叫んでしまった笑。インスタグラムみたいな1:1のアスペクトの映像の中に少年の瑞々しさがまさに閉じ込められている!!!美しい。お話としては、ADHDの少年とお母さんとの物語らしい。
→追記:2015/04/30 マミーを鑑賞しました→感想はこちら。
Xavierのマミーに関する面白いインタビュー(音声/英語)→こちら。 マミーの背景を詳しく語ってくれています。


追記:最新のtrailerが公開に。




そして、Laurence Anywaysもちょっと気になってしまい、とりあえず、あらすじを読んでみると(基本ネタバレしてから映画を見るという世にも無作法な人間(苦笑)。)男性として生きてきた恋人がある日、自分は本当は女として生きたいんだ、と告白し、相手の女性は一度は拒絶しつつもそれを受け入れようとするというすごく複雑な愛の物語…。監督のグザヴィエ自身がゲイを公表していることもあって、「愛」といっても、実に様々な「愛」と愛に対するチャレンジが語られているらしい、ということを知る。

下記でリンクを貼付けたインタビューはLaurence Anywaysの頃のインタビューなのだが、グザヴィエは、この設定について(4:40あたり)、2人の主人公がこれまでの2人の愛を、ラベルや言葉を抜きにしてその愛を貫けるかということを観客に考えて欲しかったというようなことを言っている気がする。今まで男と女という「一般的」なごく普通の愛だったのに、突然、相手が、本当の自分の性は違う、でも、君を愛している、と言われるというのは、本当にchallengingだと思う。二人の人間の愛という意味では関係性は変わらないのかもしれないけれど、その周りにあるコンテクストはまさに一変する。実に興味深い話…。

後日、映画を実際に見てみたが、ストーリーも本当に面白かったし、2人のemotionが痛々しいまでに感じられて、まさに宣伝どおり"special"な愛の物語だった。そして、実際、男と女という「ラベル」が2人を最後まで苦しめるストーリーになっていた。。。特に、フレッド役のスザンヌの演技は心打たれるところが数々あって、ホロリとさせられた。

現実にはありえない色使いや映像が随所にあるのも、いつもの自分なら結構気になってしまうのだけれど、この映画ではそういったちょっとオーバー目なtheatricalな演出が逆に2人の痛々しいまでの感情を引き立たせていてすごく良かった。

「男」、「女」というラベルについてどう考えるか、そして、それを取り巻く愛、というのはこの映画のテーマの中心ではあるけれども、 同時に自分はこの映画は「本当の自分になりたい(彼の場合は女になりたい、という願い)」というある意味人間としての根源的な願いを叶えようとした一人の「人間」の奮闘物語という要素も結構ある気がした。女性の姿で職場である学校の廊下を堂々と闊歩するシーンは見ているこちらもスカッとする気がした。

DVDには特典映像として、グザヴィエ自身が編集段階でカットしてしまったシーンの解説DVDが別についているのだが、そこでどういう意図で数々の場面を撮っていたかがわかってなかなかこちらも面白かった(個人的にはカットしたシーンではなく、映画全編の解説をしてもらいたかった!)。

あと、ケベック独特の文化観というのも非常に興味深かった。わかりやすいところでは、随所に英語がスポット的に登場する。フランス語の映画なのだけれど、風景はフランスとは全く違って、近代的(もちろんフランスにも近代的な場所はあるとは思うんだけれど、やっぱり何かが違う。)で、とても新鮮な感覚の映画に自分には映った。

さて、グザヴィエ・ドラン、前述のとおり、ケベック出身ということで、もちろんフランス語が母語なわけだが、英語ももちろんぺらぺらなので、英語の番組には英語で話している。というわけで、英語のインタビューもちらちら見ていると、「あなたはケベック(orカナダ)の映画製作者ですか?」といったような質問をされているのを何度か見た。

たとえば、これ。5:40あたりで、司会者が"Do you identify as a Quebec film maker?"と聞いた後に(グザヴィエはもちろん、"Sure, yeah."と言っている。)では、Canadian film makerでは?と質問すると、苦笑するグザヴィエ。Sure、といったん言った後に、「いや、カナダに住んでるからカナダ人だとは思うけど、"No, well I define myself as a Canadian person, because I live in Canada. But I define myself as a Quebecois film maker  because my films are soaked with the Quebecois attitude and culture language and vocabulary and the history, so yes I define myself as a Quebecois film maker." と答えている。

つまり、自身の映画はケベック文化にものすごく影響を受けているので、自分はカナダ人ではあるけれど、ケベコワ映画製作者だと思う、ということを述べている。この辺りの受け答えから見ても、ケベックという土地が非常に微妙な立場にあるんだなということが伺える(伝統的にもちろん、独立指向が強い地域ではあるけれど、最近、ケベックであった選挙の争点の一つが確か独立指向かどうかみたいな話がになってこの話がまた再燃していたような気がする。)。と同時に、ケベックの人がその独自の文化に大きな誇りを持っていることも伺えるトークな気がする。 



カンヌのMommyのpress conferenceでも同様の質問が。
40:00あたりで、もしパルムドールを取ったら(結局こちらは取れなかったけど。)canadian victoryかそれともquebecois victoryか?というもっと意地悪な感じの質問をされている。
そして、このときも一同、「あー、またきたわねー。」みたいな笑いを浮かべている。
ケベックの人からするとこの手の質問は、もうclicheなのかも笑。

このときグザヴィエは、以下のように答えていて(合ってるといいけど)、
"whatever my political views are or my view points, I feel like my movie is very Quebecois but it would certainly be an international victory. [...] For me it's not about country or province or old dilemmas or wars that my generation don't associate with or relate with any more by the way, it would just be an extraordinary message to the people of my age and to my generation I see it as, I guess as a hope. And the movie is I would like to think it is; filled with hope. [...] trying to prove to people that they should express themselves no matter what their age is or so that would the way of seeing it rather than victory for a country, which would be great because it would be that would be [?] you know it would be part of our own national history and that would be great that is [?] and beautiful [...]"

要するに、映画はどこかの国とか地方とかの所有物ではない。この映画は、僕たちの世代へのちょっと変わったメッセージだと思う。そして、映画は希望であるべきで、年齢にかかわらず表現したいと思うことを表現すべきだ、ということを言っているんだと思う。政治的な配慮をした発言とも取ることができると思うけれど、自分としては、これはグザヴィエ自身の率直な思いなのではないかと思う。

(ちなみに、この質問を行ったちょっと意地悪な記者のMommyに関する記事はこちら(英語)。まあ、記者なのでこういう鋭い質問をするのは仕方ないことなのかも。)。

もう一つ、このインタビューで面白かった話が、グザヴィエの「タイタニック」に関する話。グザヴィエはタイタニックが大好きらしいのだが、インタビューでその理由を熱く語っている。

"True, so true. It's more than a thing, it's an obsession! When I was a kid and saw Titanic [...] it actually taught me "think big". [...] Someone calls her and says "can you tell me, alright you have all my attentions Rose, it's an actual quote, "[...] can you tell me who's the young woman on the drawing is, oh, on the picture is?"and she says: "Oh, the young woman on the picture is me" then the cut, to the chopper shot and the ocean and you're moving toward the boat and.. it's like a rhythm.. bang! you know, and no time to lose.. waste, sorry... it's just the sense of, notion of rhythm and story telling you know, American people are so good at telling stories and European cinemas are so focused often on doing cinema. And Americans are telling stories and do it well. And Titanic does that well."

冒頭のほうは、グザヴィエがフィーバーしているのがなかなか面白い(笑) 。
実際、グザヴィエは、8歳のとき、ディカプリオにファンレターを出していたらしい。
タイタニック5回見ました。とか、ぜひ共演したいです!と自分を売り込んでいるところがかわいい。と同時に、カナダではいっぱい映画が撮影されているんです(これは事実らしい)、とデータの裏付けを書いてあるところがなんかすごい。。。
http://www.lefigaro.fr/cinema/2014/05/27/03002-20140527ARTFIG00148-quand-xavier-dolan-8-ans-ecrivait-a-leonardo-di-caprio.php

そして、Mommyのコンフェレンスのときも、タイタニックについてちょっと触れている。

"I've also watched a lot of movies when I was a kid, maybe not movies the type of movies that you like (but) the type of the movies that kids like and there are many many codes out there that are very interesting, [...] there are a lot of craft to observe and learn from either because it's good or doesn't feel alright, but I think as a kid, I was fascinated with those codes and those rules. I don't know if I'm gonna talk about Titanic, I feel like we should... (laugh) When I saw Titanic, it dawned on me that there was an actual thinking in film making in order to [?] a moment when something should happen and a moment that should not music when... why... the costumes directing and also it was so ambitious that is sort of gave me the courage, maybe not the courage, but faith in crazy and ambitious ideas and I'm not afraid of that ambition that I'm not scared of people will not like it or will hate it or I don't fear that 'cause you mentioned fear; I have fears, I have the fears falling on those red steps, I have the fear stuttering when I shouldn't but I don't have a fear of telling a story and creating it with people that inspired me."

イメージとしては、映画監督というと、好きな映画は、と聞かれるとクラシックな著名な監督(映画に詳しくない自分からすると縁遠い映画笑。)の作品を挙げるイメージがあると思うが、 グザヴィエの場合は、割と最近の作品で、かつ大衆ヒット映画の代表格みたいなタイタニックを好きな映画として挙げているのがすごく新鮮だった。

しかし、その理由は、結構もっともなところがあり、Laurence Anywaysのクリップでもコンフェレンスのときも"think big" だったりambitiousであるべきだということを自分に教えてくれた作品だから、ということが述べられている。また、アメリカ映画はストーリーテリングに非常に優れていて、ヨーロッパ映画は「シネマ」を撮るということにフォーカスしていることが多いという指摘も結構個人的に面白かった。言われてみると確かにそうういうところあるかもという気がした。

Laurence Anywaysも、確かにヨーロッパ的な情緒のあるお話という部分もあるけれど、話の流れや組み立て方というところにすごく注意を払っている映画(そういう意味ではアメリカンな映画)だという気がしたので、そういう意味でもケベックというのはいろいろハイブリッドな感覚を持ち合わせた人たちなんだろうという気がする。

そして、クロージング(授賞式)で結果的にはパルムドールを逃したけれど、審査員賞を受賞したグザヴィエ。
受賞スピーチもまた、「僕たちの世代」についての感動的な話をしている。
男性では珍しく素直に感動の涙を流している点もなんだかすごく人間らしくて好感が持てる。


グザヴィエのスピーチは35:00辺り。フランス語と英語が混じったものになっている。

ここに掲載されている訳にもあるように、
"ce métier pour aimer et être aimé. C’est en quelque sorte la revanche des Amours imaginaires.(この仕事が、愛し、愛される仕事であることを実感しました。これはある意味『胸騒ぎの恋人』のリベンジなのです。)"という表現がすごく印象に残った。自分が振られてしまう役を演じていた映画に掛けている?ところもちょっと面白いんだけれど、愛し、愛されるという表現が、映画は作品そのものだけで存在するのではなく、見る人がいて初めて作品として存在するんだ、ということを改めて思い出させてくれる文章な気がした。

そして、若者へのメッセージ。上記に載せたコンフェレンスの話と被るところもけっこうあるけれど、最後のフランス語の部分が一番端的に彼の言いたいことを表しているように思う。

"En bref, je pense que tout est possible à qui rêve, ose, travaille et n'abandonne jamais. Et puisse ce prix en être la preuve la plus rayonnante" 
(文は、上記のフランス語版の全文スピーチより抜粋。)

英語だと
"In short, I think that anything is possible for those who dream, dare, work and never give up. And this award would be the most radiant proof."
こんな感じになると思うので、まさに、あきらめず、ambitionを持って取り組めば必ず何かを掴めるんだという若者から若者へのエールになっている。個人的にoser (dare)という単語を使っているところがグザヴィエらしいというか、若者らしいなと思った。思い切って~するというプラスの意味もあるけれど、ちょっと反逆的というかそういう意味合いもあるので、そういう意味でもちょっと粋な単語だと思った。

ここで重要なのは、若者と同世代であるグザヴィエが若者に向かってメッセージを発しているところだと思う。年上の世代が「若者よ、大志を抱け。」というのは、それはそれでいいけれど、やっぱり何となく上から目線というか、そういったところがあるけれど、同世代の人間が同世代に向かって夢は大きいほうがいい!と自信を持って言っているというのは、ものすごく大きな意味を持つように思う。

とりあえず同世代(ほぼ)の人間として、大きな拍手を送りたい。

*どうでもいいトリビア。
グザヴィエのお父さん(Manuel Tadros)は2002年のロミジュリ(ケベック版)に大公役として出ていたようで、ベンヴォーリオ役として出ていたMattやMattの奥さんはグザヴィエとも知り合いのようです笑。

彼は、グザヴィエの映画(J'ai tué ma mèreやLaurence Anyways)にも端役で登場しているようですが、なぜかどちらもアパートを見せて回る不動産エージェント役笑。グザヴィエのお父さんとお母さんはグザヴィエが幼い頃に離婚しているようですが、こんなところを見ても今は仲良しな親子のようですね。

2014年5月19日月曜日

Photo: 旧古河庭園のバラ

久々にPhotoをpost。
毎年春バラと秋バラの季節は、花写真好きの自分にはたまらない季節なのですが、今年は、バラ園で有名な旧古河庭園に行ってみました。
さすが、名所とあって、込み具合は半端なく、正直花を愛でるという雰囲気ではなかった(苦笑)ですが、でも見たことのない品種のバラをいっぱい見れたのはよかったです。

「初恋」という品種。かなり大ぶりなバラでしたが、中心部のピンクの入り方が
絶妙でした。


洋館と。この洋館もすごく雰囲気があって好きです。

この庭園のバラはグラデーションがあるバラが多くて新鮮でした。

一番好きだったバラ。色のコントラストが何だか夢の中みたいでした。


サーモンピンク。


黄色とピンクのグラデーション。

妙に迫力があったピンクのバラ。

中がつまったタイプのバラ。こういう品種も可憐でかわいかったです。