Aventure Merveilleuse - Notre
Dame de Paris ② ~すばらしき冒険-ノートルダム・ド・パリ ② 東京公演 ストーリー編~
このシリーズすっかり間が空いてしまった。。。
リシャール関連のことは別の記事ですでに載せたので、ここでは、それ以外のことで、NDPについて感じたことを書きます。
また、同時に印象に残ったのは、このCondamnésたちは、単なる虐げられる人、というだけではなく、メインストリームの人たちとは別のパワーを持った存在として描かれている点。特にLa Cour des miracles はそれが顕著だと思う。あの庭では、メインストリームの人たちの価値観はむしろ通じず、ロマの人たち独自の世界/秩序が築かれている。
また、最後の方のL'attaque de Notre-Dame では、彼らは、ある種のニューウェーブあるいは、脅威として描かれている。(この歌の詞、本当にすごい。)印象に残ったグランゴワールがコーラス部分で歌う歌詞。
Ils sont bien plus de mille
Et bientôt ils seront
Dix mille et puis cent mille
Le monde va changer
Et va se mélanger
ただ、RimbaudのWikiなどを見ると、当時としてはかなりアバンギャルドな人生を送った人でミュージカルの題材としては、かなり面白そうだし、je est un autre(私は他者である。)ということばも何だか意味深でちょっと興味を持っていた。また、リシャールが、歌手として参加しているだけでなく、楽曲も自分で作っているという点ですごく興味があったし、もし公演を見る機会があれば、見たいとは思っていた。そこで、アジアというまさに射程距離範囲内での公演、という話になったら、Yes!と思わずにはいられない(笑)。前回の公演はパリだったので、やるとしてもパリかケベックだろうと思っていたので、これは本当にうれしい話だった(遠征費用って馬鹿にならないから…。)。
事前に曲目はセジョン・シアター側から発表されていたが、ふたを開けてみると、実はちょこちょこ変わっており、特にびっくりしたのは、Rimbaudのミュージカルからの楽曲が2曲("Vitalie"と"Sauver les Apparences")入っていたことだった。(あとから推察するに、リシャールはこのガラコンでブリューノさんがいる手前、グランゴワール楽曲を歌うことができないので(これはリシャールファンからするとかなりのジレンマだった…。ブリューノさんのカテドラルはもちろん聞きたいし、でも、リシャールの見せ場が減るのは悲しいし、みたいな苦笑。)、彼の見せ場が減ってしまうことを懸念して、彼が主催するミュージカルの楽曲を入れることになったのではないかという気がする。リシャールはソウルでのNDP公演に出演しているから、韓国のファンもいっぱいいるはずで、その辺も考慮したのかも。)
で、"Vitalie"と"Sauver les Apparences"が披露されたわけだが、Sauver les Apparencesの方は、ランボーの母ヴィタリーとランボーの恋人だったポール・ヴァルレーヌの妻のマチルドとのデュエットなので、NDPでエスメラルダを演じていたナディアとケベックのレミゼでエポニーヌを演じていたソフィーさんが歌っており、きれいな楽曲だったことは印象に残っているが、何せ歌詞が全くわからなかったので、実は、当時はそれほど印象に残らなかった(ごめん、リシャール。)。
あと、この曲は、たぶん、ランボーと誰か(マットのパート。これが誰なのか未だわからず。)がヴィタリーを非難する曲なので(とりあえず、「ヴィタリー、あんたは俺の人生をめちゃくちゃにした(détruit ma vie)」、という歌詞だけは聞き取れる笑。)、曲調もかなり緊張感が溢れた感じでそれもやたらと情熱的に響いた理由かもしれない。
サインもとりあえず流れ作業で(でも、だから全員のサインをちゃんともらえたんだけど。)話とかもかなりしにくい状況だった。リシャールはソフィーさん、ロベールさんの次に立っていて、とりあえず持ってきていた"Il était une fois... Joe Dassin"のCD(リシャールの音源で購入できるものがこのときはこれしかなかった。)にサインをしてもらう。「昨日メッセージを送ったんですけど…」というとそのことをリシャールは覚えてくれていて、わざわざ私の名前を聞いて、CDにサインしてくれた。
11/7から、実は、1789 Les Amants de la BastilleのSaison 2が始まった。新曲も加わったり、去年の公演とはかなり違うものになる、という話だったので、自分はパリには行けないけれど、映像を見るのを楽しみにしていた。出演者も降板した人たちも含めて、いざ、革命!みたいな感じで、ファンもそれに応えて、いよいよ幕開け、となった。初日は、いろいろな改変も含めてかなり盛況だったようで、単なる観客の一人でしかない自分も何だかうれしかった。
そして、ステージ系のニュースを発信しているRegard en Coulisseのニュースでどうやら1789の公演が行われているPalais des Sportsでリハ中爆発が起き、重傷者が出ているということを知る。しかも、映像を見ているといわゆるボヤというようなレベルではなく、かなり大きな爆発だったらしい、ということが感じられ、ちょっとぞっとする。 私が知った時点で爆発からすでにけっこう時間が経っていたようで、出演者たちは、それぞれ、私は大丈夫メッセージを発信していたので、それはほっとしたのだが、記事を読んでいると、心肺停止のスタッフがいるということが書かれていて、すごく気になった。(日本語でも記事になった(http://www.jiji.com/jc/zc?k=201311/2013110900248&g=int)。まさか、日本語で「1789 バスティーユの恋人たち」という文字をこんな形で見るなんて夢にも思わなかった。) そして、本当に残念なことに、このスタッフの方は病院でその後、亡くなってしまった。 亡くなったMarcus Toledanoさん。タイトルがChef plateauなので、たぶん、舞台セットのチーフの方なのだと思う。 もちろん、私は舞台を見た一観客にしか過ぎないし、Marcusさんを直接知っているわけでもない。 でも、この舞台は、私にとっては、単なる舞台(=エンターテイメント)ではなくて、記念すべきミュージカル初海外遠征の公演と言う意味で思い出深い舞台だし、フランス語がまだかなりできない頃に、いろいろ自分なりに調べて、舞台を見終わってからも、その成長を見守っていた舞台でもある。
だから、そういう意味で、この事故のニュースは本当に悲しかったし、他人事とは思えなかった。
さらに、この舞台で一際感動したのが、やはり舞台演出だった。特に最後のバスティーユ陥落のシーンの舞台セット(Mon histoire (3)で載せた映像(http://www.youtube.com/watch?v=AjTG1LUks8M)を参照。)は本当に迫力があったし、Tomber Dans Ses Yeuxのくるくる回るセットやLa guerre pour se plaire のときの背後の素敵な石像はすごく印象に残っている。 そして、Nous ne sommes の最後の派手な発砲シーン。ここで使われている火薬が今回の事故と直接関係があるかはわからないけれど、やっぱりこのシーンは最初見たときリアルに驚いたし、まさにスペクタクル!と感じた場面だった。でも、そんな火薬が人の命を奪うことになったのかと思うと、何だか、それを楽しんだ自分にちょっと罪悪感を感じてしまう。(実際問題は火薬自体ではなく、管理だったり、不運の重なりということなのかもしれないけれど。)
1789には、"Fixe"という曲がある。シングルカットもされてないし、他のシングルカットをされた曲のようにキャッチーな曲ではないが、私は、個人的にこの曲とカーテンコール曲であるPour la Peineが一番このミュージカルの本質や訴えたいことをダイレクトに伝えている、ベストチューンだと思っている。
【ここからネタバレ】
場面としては最後のシーンで主人公の革命家の青年が銃で撃たれて死に、そのあとに歌われる。そして、曲の最中で、シンガーやコメディアン(俳優)やダンサーたちが人権宣言の一節を読みながら方々の会場のドアから次々と入ってきて、舞台に上がってきて最後に一列に並んで合唱するという演出がある。
彼によれば、まだ、捜査中ではあるけれど、今回の事故は、いつものメンテナンスを行っている最中に起こった"Un banal accident du travail"(common accident of the work(一般的な職務上の事故(労災と訳せばいいのかな。))なので、火薬の演出自体の安全には、問題ないとのこと。Marcusさんの名誉のためにいうと、今回の事故は安全を十分に確保した上で起こった不慮の事故、ということをロッドは強調している。
この日は人も少なかったし、公演もまだ真ん中あたりだったので、ファンの人からのプレゼントというのが珍しいころだったのかもしれないが、出待ち初心者としては、かなりの感動だった。
そして、何気に自分の初ツイートは(それまでTwitterは情報収集専用に使っていた。)、このツイートに対しての"Je vous en prie!"だった。(まさかフランス語でツイートデビューするとは思いもよらず…。)
物語のファンファーレ的要素が強いグランゴワールのLe temps des cathédralesは、やはりインパクトが強い。2階席からではあったけれど、Richardの声はよく通るので、2階席でもあの青いライトの物語の世界に一気に引き込まれた(自分が見た初めてのNDPのグランゴワールがRichardであったということはもちろんあるとは思うけど。そして、英語だったのがほんとうに残念だった。。。)。
他にもカテドラルと同じぐらいグランゴワールの人気ナンバーであるLuneは、カジモドの哀しさがしみじみと伝わってきたし(これは、カジモド役のMattとの仲のよさも関係あるのかも…。)、L'attaque de Notre-Dame では、グランゴワールがそれ以外の歌手たちと掛け合いをする部分があって、グランゴワール(Richard)の歌声のかっこよさがバーンと映えていて、個人的にすごく好みだった。(1人でそのほかの出演者を相手に歌のバトルをする感じが、すごく好き。)
歌以外でも、La Cour des Miraclesで袋の中に入れられて宙ずりにされてあわあわするシーンや、Le mot Phœbusであっさりエスメラルダに振られて舞台から退散するシーンなどのコミカルな演技も彼のチャーミングさが生かされていて、かなり「Cute」な感じなのもツボだった。悪意に満ちたと言えなくもない歌詞ではあるけれど、小気味よいナンバーであるLa fête des fousや、歌手だけど、何気にダンスをちょっとだけ踊るLe Val d'Amour では、彼のビジュアルのかっこよさがすごく映えていたと思う。