もはや懐かしい感じ…。
この旅行で不思議だったのは、ずっと一人で旅行していたはずなのに、何だかずっと一人っていう気が全くしなかったこと。
理由の一つには、SNSでフレンチ・ミューファンの方たちとやりとりをしていたことがあるけれど、もう一つは、滞在先ををホステルにしていたからだと思う。
シンガポール旅行は、もちろん、NDP観劇が第一の目的ではあったが、観劇は夜だけなので、もちろん、観光もしようと思っていた(結局そんなにできなかったけど。)。
観劇で夜でかけることはわかっていたので、ホテル代はできるだけ安く上げようと思っていた。(ソウルガラコンのときにわりといいホテルに泊まったが、ホテル滞在時間が3時間ぐらいだったという苦い経験がある(苦笑))。
というわけで、今回は、ホステルに泊まることにした。ホステル自体には学生時代泊まったことがあったが、ホステルにソロツーリストとして泊まったのは、この年齢にして初めてだった。
着いたときは常夏。蒸し蒸ししてて、本当に12月かと思った。
職場の同期からは、社会人○年目で、なぜ敢えて、空港に泊まっちゃったり、ホステルという若干不便な環境を敢えて選ぶのかといぶかしがられたが、自分の場合、「旅行」というと、ゆったりどこかで、とかいうことはほとんど頭になく、何か1つでもいいから挑戦しようというやたら能動的人間になってしまったりする。敢えて、楽ではない方法を使うのが、逆に楽しい。
今回の羽田夜明かしも、ベンチを行ったりきたりして、寝るには最適とは言い難かったけど、みんな寝静まって、シンとした空港内を自由に歩き回ったり、夜景を堪能できたり、個人的には結構エキサイティングな体験だった。
現地に行ってからも、地図がほとんど読めないくせに、あまりバスや電車は使わず、地上をできるだけ歩きたいと思う方で、結果、道に迷ってしまうのだが、そこでいろいろな意味でlost in translationになるのも結構好きだったりする。=だから、観光地をたくさん回ることができない笑。
自分としては、寝る場所とシャワーが清潔であればそれ以外は特に気にならなかったので、会場にわりあい近いクラーク・キーエリアのホステルを予約することにした。
スーパーガーリーだったベッドルーム。でもコンセントとライトが
付いていたし、普通に満足だった。
一応女子だけの部屋に予約をとり、すでに2名が泊まっていたが、人自体は出払っていて、最初に自分が着いたときは部屋に一人だった。そうこうしているうちに、アジア系の女の子が入ってきた。
自分は初対面の人と話すのはかなり苦手な方なので、黙っていたら向こうもだんまり。。。超気まずい。でも、そのことに気づかれたくないから気まずくないフリをして、ひたすらメールチェック等をする。そのうちその女の子がどこかに出て行った。
またしばらくすると、今度は、欧米系の女性(自分より年上っぽい感じの人)が入ってきた。今度こそ黙っていてはいかんと思い、small talkの定番、お天気トークで話しかけてみる。とりあえず、暑すぎてびびったので、彼女に"It's hot isn't it?"と話しかけてみる。すると、彼女も"Yes, it's warm."と返してくれる。Warm?ってレベルなのか?と思いつつ、どこから来たのと聞いたら、メキシコ出身だけど、今はアイルランドのダブリンで働いているの、と教えてくれた。自分も日本から来たと言っておく。
ホステルの近くからMBSを望む。
その後も自分がヨーロッパに旅行に行くのが好き、みたいな話をしたり(日本でホリデー1週間以上取るのってけっこう大変なの、というと、え、そうなの!?と驚いていた。(→たいていのヨーロッパの人の反応だけど笑。)。)、話下手の自分としては、かなり話をすることができた。
彼女もこの日にシンガポールに着いて、チャイナタウンとかは既に回ってみたけど、活気があって面白かったと教えてくれた。夕方、私はMBSにショーを見に行くというと一緒に散歩しない?と誘ってもらったけど、結局彼女の洗濯物の都合と私の出発時刻が合わず、一緒には行けなかった。でも、だからお互い悪いなと思う必要もなく、彼女も大人なので、その辺がさっぱりとしていて、個人的には助かった。
初日観劇のあとは、止むを得ずタクシーで帰ったため、ホステルに着いた時には24:00を回っていた。でも、ナイトスポットのクラーク・キー近くのホステルだからか、普通に起きている人がいた。場所がらか、欧米人の人も多く、何となく、イギリスで語学研修を受けていたころを思い出していた。
いろいろなことを終えて、部屋に戻ったのは、25:00くらいだと思うが、部屋に入って、暗い中ごそごそしていると、上記の女性とは別の女の子が、大丈夫?と気を使って電気をつけてくれた。Sorry to disturb you.と言うと、昼間寝ていて眠くないから全然大丈夫(笑)と言われて、ちょっと安心した。ホステルってこういうやりとりがあるんだ、とちょっとした発見。
次の日の朝、昨日、親切にしてくれたメキシコ人の女性と、一緒にホステルの朝食を食べに行く。朝食と言っても、シリアルとトーストぐらいだが、そういうのも嫌いではないので、普通にそれを食べる。たまたま座ったテーブルにいた女の子は、昨日、私が深夜に戻ってきたときに電気をつけてくれた女の子だった。他にも3か月くらいすでにシンガポールにいる男の人もいて、何となく、その輪の中に入る感じになった。彼女はスウェーデン人で、ウクライナでなぜか飛行機の足止めを喰らい、シンガポールで疲れ切っていたため、昼はずっと寝ていたらしかった。
彼女も、明るい感じの子で、今日は何するの?とお互い聞いたり、昨日何したかを聞いたり、それなりに話をすることができた。(が、最近英語を話さな過ぎて、おかしな英語表現を連発してしまったorz...) 彼女はこの日にチェックアウトしていったが、荷造りをしていたときにたまたま一緒に部屋にいたので、シンガポールでのショッピングの話をしたが、ヴィクトリア・シークレットに買い物に行ったのに、香水しか売ってなかったの。。。と嘆いていた(笑)。
やっぱりホステルにきているということで、一人旅をしている人は特に、結構みんなオープンかつ自由な感じの人が多い気がした。名前すらお互い聞かないけど、つかずはなれずというか、ディープな部分にまで干渉をすることはないけれど、でもそれでも情報交換をしたり、ちょっとした助け合いをしたり、個人的にかなり居心地が良かった。
近代的な建物群。
で、次の日のシンガポールを発つ日。
朝食の時間、また、メキシコ人の女性が一緒に朝食どう?と誘ってくれた。優しい。そして、昨日はなにした?トークをまたして、彼女の方は、昨日他の滞在者に勧められたナイトサファリに行くのはやめて(檻に閉じ込められている動物を見るのって、なんだかかわいそう。。。と言っていた。)、マリーナ・ベイのスーパーツリーがある植物園の方を回っていたらしい。ただ、この日は、実は昼から大雨になり、雷も鳴っていたので、植物園を回るのを途中でやめたのだという。
私の方は、この日は、シンガポール国立博物館に行ったので、その話をしたり、2度目の観劇や出待ちの話をしたりした。彼女は、すごく落ち着いた大人の女性だったので、また観劇したとか言ったらグルーピー活動をしている変な女の子、、、と引かれるかと思いきや、「あら、歌手の人たちと会えたの?よかったわね。」と言ってくれ、偏見を持たずちゃんと話を聞いてくれたのがちょっとうれしかった。
その後、お互いの身の上話やクリスマス、お正月の話などたわいのない話をしたが、ちょっとほっこりする時間を過ごすことができた。最後のほうに誕生日の話になり、お互い2月生まれだとわかった。そのとき、年齢をお互い聞き、彼女が34歳、と教えてくれた。ホステルといっても、意外とみんな超ヤングな感じの人たちばかりではないのだ、とこのとき知った。
彼女の方が先にチェックアウトしていったのだが、彼女は、ホテルを出るときにわざわざまだダイニングルームにいる私のところまできてくれて、「一緒に話をすることができて楽しかったわ。Have a nice day!」と言って、ホステルを後にしていった。
思い返すと、彼女には、名前すら聞かなかった。一緒の写真も撮っていない。話していた時間も、朝食のとき2回ぐらいで、大した話はしていなかったと思う。でも、何だか、とっても楽しい時間を過ごすことができたし、とても居心地がよかった。
朝起きて、誰かと話ができるというのは、完全ソロツーリストをしていたときには、なかったことだし、逆に友達と言ったときには、こういった新しい出会いというのはあまりなかった。
基本的に自分は、友人と旅行するか、完全なソロツーリスト@ホテルで一人というパターンでしか行動したことがなかったので、この中間の一人で旅してるようで、でも完全に一人じゃない、みたいな関係は新鮮であり、楽しかった。自分では一人行動大好き人間だと思っていたけれど、やっぱりホテルで一人とかだと意外と時間を持て余すことも多く、ホステルという選択肢は、意外と自分にあっているのではという気がした。
また今度、一人旅をすることがあったら、今度は積極的にホステルを選択してみようかな。。。